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Hiroshi Ishiyama
Cisco Employee
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Cisco Voice GW のエコーキャンセラーには、残留エコーを除去するための NLP(Non-Linear Processor)の機能が付加されています。

外線側からの音声が、VoIP 側からの音声に比べて、一定レベル以上小さい場合に、シングルトークの状態と判断し、NLP が動作して外線側からの音声が抑制されます。このNLPの動作により、VoIP 側の通話者は、音切れや違和感を感じる場合があります。

本稿では、NLP の動作についての録音データの解析方法と、NLP による音切れへの具体的な対処方法について説明します。

1.調査のための音声の録音

外線側 と VoIP 側の音声を録音し、比較することにより、NLP の動作を確認することができます。

音声の録音は、パケットキャプチャ(VoIP 側)、PRI/T1 アナライザー(外線側)等でも取得できますが、Cisco Voice GW の PCM キャプチャ機能を利用する方法が便利です。

NLP の動作を確認するには、PCMキャプチャで取得した音声の、R-in(VoIP側からの音声)、

S-in(外線側からの音声)、S-out(Echo Canceller / NLP で処理された後の VoIP 側への音声)を

比較します。

2.NLP が動作している状態での録音データの解析

下図は、WAVファイルエディタでの音声の解析例です。

VoIP と外線との間でコールを接続し、外線側(S-in)で一定の音声レベルの保留音を流しています。

VoIP 側(R-in)から大きなレベルの音が発生した場合に、VoIP 側への音声(S-out)で音切れが発生していることが分かります。

この動作は、残留エコーを除去するための NLP の正常動作です。

3.NLP を停止した状態での録音データの解析

NLP の動作は、voice port に no nonliniear コマンドを設定することにより停止できます。

Router(config)# voice-port 0/0/0:23
Router(config-voiceport)# no non-linear

下図は、WAVファイルエディタでの音声の解析例です。

VoIP と外線との間でコールを接続し、外線側(S-in)で一定の音声レベルの保留音を流しています。

VoIP 側(R-in)から大きなレベルの音が発生した場合でも、VoIP 側への音声(S-out)で音切れは発生していません。

但し、VoIP 側への音声(S-out)には、エコーが残っていることが確認できます。

4.NLP による音切れへの具体的な対処方法について

本来、NLP は残留エコーを除去するための有益な機能であるため、動作させておくことが望ましいと考えられます。

NLP による音切れをどうしても改善したい場合、以下の方法で対処してください。

(DSP に PVDM3 を使用している場合)

voice port に no non-linear コマンドを設定し、NLP の動作を無効にしてください。

残留エコーが気になる場合、voice port に output attenuation および input gain コマンドを設定しエコーが目立たなくなるように調整してください。

(通話音量とエコーのバランスをとって、もっとも通話がしやすいようにレベルを調整してください。)

Router(config-voiceport)# no non-linear
Router(config-voiceport)# input gain xx
Router(config-voiceport)# output attenuation xx

(DSP に PVDM2 を使用している場合)

voice port に no non-linear コマンドを設定を設定する前に、echo-cancel mode 2 コマンドを試してください。

(echo-cancel mode 2 コマンドは、echo-cancel erl worst-case 0 コマンドと共に使用する必要があります。)

Router(config-voiceport)# echo-cancel mode 2
Router(config-voiceport)# echo-cancel erl worst-case 0

上記のコマンドを設定すると PVDM2 は、外線からの音声(S-in)を6dB増幅し、エコーキャンセラー(NLP)の処理を実施後、6dB減衰してVoIP側(S-out)へ音声を送出します。

この動作により、NLP による音切れが改善される場合があります。

echo-cancel mode 2 コマンドを適用しても、改善が不十分な場合、PVDM3 の場合と同様に、no non-linear コマンドを設定して NLP の動作を無効にしてください。音量の調整も同様です。

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