リセット・リスタート指令はCUCM側から送付されますので、CUCM側にRegisterされた
デバイスのみが影響を受けます。そのため、H.323で制御されているデバイスについては、
ハードウェアの物理的なリセットやリスタートは行われず、CUCM側で保持している
そのデバイスに関するデータ(呼の状態等)の再初期化のみが行われます。
(この場合、現時点でアクティブな呼については影響を受けません)
Registerされている場合は、以下のようになります。
電話機
リセット 電話機の再起動が行われます。具体的には以下のようなプロセスが動作します。
CUCMからのUnregister、電話機OSの再起動、IPアドレスの再取得、
ファームウェアバージョン等設定の確認、必要があればファームウェアのアップグレード、
CUCMへのRegister
従って、ファームウェアのアップデートを行わなければいけない場合もしくはリスタートで
は反映できない設定変更を行う場合は必然的にリセットを選択することになります。
リスタート 電話機のソフトウェアリスタートのみ行われます。ソフトボタンの変更等一部の設定
変更が反映されます。
どちらの場合でも、現時点でアクティブな呼(接続された呼)がある場合、CUCM側からの
リセット・リスタート指令を受けても電話機側ですぐにリセットを行うわけではありません。
現在の呼が終了してからの動作となります。つまり、接続された呼はリセット/リスタートの
影響を受けないと考えていただいて結構です。ただし、接続が完了する前の呼がある場合、
タイミングによっては呼が切断されます。(呼び出し前、転送中等)
GW / トランク / メディアデバイス
リセット 現時点でアクティブな呼があろうとなかろうと、即座にデバイスのリセットが行われます。
そのため、アクティブな呼がある場合は切断されます。必要があればRTMTでアクティブ
な呼を監視して、呼がないタイミングを見計らってリセットをかける必要があります。
リスタート いわゆるGracefulリスタートを行います。この場合、現時点でのアクティブな呼(接続
された呼)については可能な限り保持されます。ただし、接続が完了する前の呼が
ある場合、タイミングによっては呼が切断されます。(呼び出し前、転送中等)
従って電話機のリスタート/リセットはアクティブな呼の保持という観点で見ると影響は少なく
GWのリスタート/リセットについては慎重に行う必要があります。
とはいえ、数百台規模の電話機がリセットされ、さらにファームウェアアップグレードが必要な場合
などは、TFTPサーバやDHCPサーバ側の負荷により完了まで数十分間かかるような場合も想定
されます。こちらはまた別問題となりますが、運用上グループ毎に電話機を別のDevice poolに
分割して、それぞれのグループを時間差でリセットするなど、考慮する必要があります。
さらに余談ですが、CUCMにRegsiterされていない電話機についてはリモートからリセットを
行いたい場合でも、CUCMからのリセット指令がききません。
ただし、電話機がインラインパワー給電を利用していれば、スイッチ側ポートを
shut / no shutすることにより、リセット同等の効果を得ることができます。
電話機が接続されていると考えられるアクセススイッチにTelnet等で接続して、
show cdp neighbors を発行するとポートに接続されている電話機が一覧
できます。(show cdp neighbors detail ではさらに電話機モデル名、利用している
ファームウェアバージョン、利用しているIPアドレスも表示されます)
ここでターゲットとなる電話機を特定してリセットを試みます。
以上です