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概要
Cisco Telepresence Server (以下、TPS) はソフトウェアバージョン 4.1 以降、できるだけ広い通信帯域を用意して高品質のビデオ会議を行いたいというマーケットの動向を反映し、資料共有の送信トラフィックがフレームレートよりも解像度をより重視したチューニングが施されています。この変更に伴い、送受信されるコンテンツの内容によっては、TPS が送信するコンテンツトラフィックにバーストが発生する可能性のある特性となっています。
トラフィックのバーストはネットワーク機器側でパケットロスを発生させる要因ともなり、特に帯域の狭い通信環境では、細かい文字や数値が多く記載されているコンテンツを共有した際に受信側で画面がフリーズしたり黒く表示されるといった影響がより顕著になります。
このドキュメントでは、ソフトウェアバージョン 4.4(1.16) で機能追加された、TPS の送信するコンテンツトラフィックのバーストを抑え、よりスムーズに送信させるための mediaTxShaping という API パラメータについて説明します。
機器構成
- TPS 4.4(1.16) 以降
- Conductor XC4.2 以降
設定
Conductor
設定を適用したい会議の Conference Template の Advanced parameters に、下記の CallAtributes を設定します。
"favorSharpness": 可能な限り最高品質の解像度を保持する場合 (デフォルト)
{"callAttributes":{"mediaTxShaping":"favorSharpness"}
|
"favorSmoothness": 送信トラフィックをスムーズに抑えたい場合
{"callAttributes":{"mediaTxShaping":"favorSmoothness"}
|
設定について
- "favorSmothness" を適用した場合はコンテンツの送信レートを抑えた動作となるため、コンテンツの内容によっては受信者側にコンテンツが共有されるまでの時間が長くなったり、画面の更新に時間がかかる場合があります
- mediaTxShaping の指定がない場合は、デフォルトの "favorSharpness" が適用されています
- その他の callAttributes がすでに設定されている場合は mediaTxShaping を追記してください
動作確認例
下記の Wireshark の I/O グラフは、TPS が送信するコンテンツトラフィックの特性を mediaTxShaping の各設定で比較したものです。
1) が mediaTxShaping を指定しない、または "favorSharpness" に設定した際のデフォルトのコンテンツトラフィック、2) が "favorSmothness" を指定した場合のコンテンツトラフィックです。
例)
- Call Rate = 768k, Codec = H264
- 細かい数値で埋められたスプレッドシートを共有
1) mediaTxShaping 設定なし、または "favorSharpness" に設定
資料のページが切り替わるたびに 送信コンテンツのトラフィックに一瞬バーストが発生しています。
2) "favorSmothness"に設定
全体を通してコンテンツ の送信トラフィックが抑えられ、同様の資料でも バーストは発生していません。受信側でコンテンツ画像の表示が完了するまでに若干時間がかかることがあります。
まとめ
社内ネットワークなど、ビデオ会議に広い帯域を確保してより高画質な資料共有を行う際は、TPSのデフォルト設定である "favorSharpness" の動作が有効となります。
一方、国際回線等の帯域の限られた状況で描写の細かい資料共有を行う際に、 mediaTxShaping を "favorSmothness" に設定することで、画面のフリーズや黒画面を減少できる可能性があります。ただし同時にコンテンツの表示に時間がかかるようになる可能性もありますので、要求に合わせたチューニングを行ってください。
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