はじめに
本ドキュメントでは、Cisco TelePresence Management Suite (TMS) から予約した Cisco Meeting Server (CMS) の会議 (Space) のレイアウトを、CMS の WebUI > Configuration > Spaces のページから変更する方法について紹介します。
なお、TMS15.7, CMS2.3.6, DX80, SX10, SX20(CE9.4.0) で動作確認を行った結果となります。
通常の動作
後述する設定を行わない場合の、デフォルトの動作を紹介します。
1. TMS のナビゲータに CMS を登録
ここでは、cb_smentani-cms30 という Conference Bridge (CMS) を追加し、これに Numeric ID 9201 から 4 連番の Space を設定しています。

2. TMS から会議を予約
TMS から cb_smentani-cms30 を会議リソースとして、DX80, SX10, SX20 の 3 者会議を予約します。

3. 会議の開始
予約時間になり会議が開始されます。
CMS WebUI > Configuration > Spaces のページを見ると、Call ID 9201 の Space が予約した会議で使用されていることが分かります。
また、この Space に設定された Default layout は初期値である "not set" (設定無し) となっています。

この時、参加者の DX80 のモニターのレイアウトは、SX10 の大画面の中に SX20 が小さく収まる overlay のレイアウトで表示されています。

4. CMS WebUI から Default layout の変更
edit をクリックして Default layout を all equal に変更します。

レイアウトの変更は反映されず、overlay のまま表示されています。

レイアウト変更の仕組み
簡単にレイアウト変更の仕組みを説明します。
CMS の内部では、複数の Space に対して適用される callLegProfile という設定と個別の Space に設定される coSpace という設定があり、Default layout は両方に設定することができます。両方に設定した場合、callLegProfile の設定値が優先されるため、coSpace の設定値を変更しても反映されることはありません。
上記で確認した動作は、TMS で 4 つの Space を CMS に作成したタイミングで 4 つの coSpace と 1 つのcallLegProfile が生成され、callLegProfile が 4 つの coSpace に割り当てられます。この時、callLegProfile の Default layout には telepresence (= overlay) が設定されるため、4 つの coSpace に対して Default layout を個別に設定 (WebUI からの設定) しても、telepresence (= overlay) が優先されます。
以降では、上記会議が終了した時点での coSpace と callLegProfile の設定内容を API で確認してみます。
- 9201 の coSpace
defaultLayout は allEqual に変更されています。
- 9202 の coSpace
defaultLayout は not set のため、設定がありません。

- 9203 の coSpace
defaultLayout は not set のため、設定がありません。

- 9204 の coSpace
defaultLayout は not set のため、設定がありません。

- 9201〜9204 に設定された callLegProfile
defaultLayout が telepresence (= overlay) に設定されており、上記例では、これが反映され続けた状態でした。

変更する方法
CMS WebUI からレイアウトを変更する方法を説明します。
TMS によって coSpace に設定された callLegProfile 内の defaultLayout パラメータを API によって削除します。これによって、WebUI からの coSpace の defaultLayout に対する変更が優先されるようになり、反映されます。
1. API による defaultLayout の削除
PUT で対象の callLegProfile に対して、Value を空欄にした defaultLayout Key を設定します。

2. callLegProfile の確認
defaultLayout の行が削除されていることを確認します。

3. TMS から会議を予約
予約時間になり会議が開始されます。
CMS WebUI > Configuration > Spaces のページを見ると、Call ID 9202 の Space が予約した会議で使用されていることが分かります。
また、この Space に設定された Default layout は初期値である "not set" (設定無し) となっています。

この時、参加者の DX80 のモニターのレイアウトは、SX10 の大画面の中に SX20 が小さく収まる overlay のレイアウトで表示されています。
4. CMS WebUI から Default layout の変更
edit をクリックして Default layout を all equal に変更します。

DX80 のレイアウトは、all equal に変更されました。

参考ドキュメント