2014年12月17日(初版)
TAC SR Collection |
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主な問題 | IOS-XR が動作するルータにおいて、対向ルータ間のインターフェースが UP した際に、該当インターフェースへの IPv6 パケットフォワーディングが廃棄される事象が発生します。 |
原因 | 以下のシーケンス (1-3) において、NDP による MAC アドレス解決の際、NDP Delay 状態の最大 5 秒間は IPv6 Adjacency 情報が正しく更新されないことによりソフトウェアフォワーディングになり、Ingress LC にてIPv6 パケットフォワーディングが廃棄されます。
- 対向ルータとの間のインターフェースが UP する
- 対向ルータとの間で該当インターフェース上にてルーティングプロトコルのネイバーが確立する
- 該当インタフェースへの IPv6 パケットフォワーディングが開始される
この問題は CSCum76233 として報告されています。
CSCum76233 No ipv6 adjacency while remote link-local NDP is in delay state
<問題の確認方法>
この問題の発生は NDP と IPv6 Adjacency 情報をチェックすることで確認できます。
- インタフェース UP 後の NDP 状態
- NDP Delay 状態の IPv6 Adjacency 情報
(*) 下記例は IPv6 link-local アドレスの例となりますが Global アドレスでも同様の事象が発生します。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#show ipv6 neighbors
IPv6 Address Age Link-layer Addr State Interface
...
fe80::xxxx 2 aaaa.bbbb.cccc DELAY Te0/0/0/1
...
(*) 問題発生時に NDP が Delay 状態であることを確認する。Delay 状態でない場合は問題には該当しません。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#show adjacency ipv6 TenGigE0/0/0/1 internal detail location 0/0/cpu0
...
TenGigE0/0/0/1, (src mac only) (ipv6)
...
TenGigE0/0/0/1,fe80::xxxx (ipv6)
...
(*) 上記例では対向ルータの IPv6 アドレスに対する Adjacency 情報が表示されていますが、問題発生時には表示されないことを確認する |
解決策 | 対向ルータの IPv6 アドレスに対して Static NDP を登録することで回避できます。
問題の解決には CSCum76233 が修正されたバージョンをご使用ください。 |
備考
本不具合は、Bug Search Tool でも確認できます。