本ドキュメントではUCS C220M5/C240M5のCPU、Heatsinkの交換手順についてご説明いたします。
[交換に必要なツール]
Scenario 1— Heatsinkを再利用する場合、以下をオーダーします。
– Heat sink cleaning kit (UCSX-HSCK=)
–Thermal interface material (TIM) kit for M5 servers (UCS-CPU-TIM=)
Scenario 2— Heatsinkを交換する場合、以下をオーダーします。
– Heat sink
C220M5:UCSC-HS-C220M5=(150 W 以下の CPU 用)、 UCSC-HS2-C220M5=(150 W を超える CPU 用)
C240M5:UCSC-HS-C240M5=(150 W 以下の CPU 用)、 UCSC-HS2-C240M5=(150 W を超える CPU 用)
– Heat sink cleaning kit (UCSX-HSCK=)
Scenario 3—CPU キャリア(CPU の周りのプラスチック フレーム)が破損した場合、以下をオーダーします。
– CPU Carrier: UCS-M5-CPU-CAR=
– Heatsink cleaning kit (UCSX-HSCK=)
– Thermal interface material (TIM) kit for M5 servers (UCS-CPU-TIM=)
*CPU消費電力(W)は下記specsheetの「Available Intel CPUs」テーブルよりご確認頂けます。
https://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/collateral/servers-unified-computing/ucs-c-series-rack-servers/c220m5-sff-specsheet.pdf
https://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/collateral/servers-unified-computing/ucs-c-series-rack-servers/c240m5-sff-specsheet.pdf
*UCSX-HSCK= 1つで、4セットのCPUとヒートシンクのクリーニングを行えます。
*UCS-CPU-TIM= 1つで、CPU 1つ分です。
[作業前確認]
- FE作業
1. CIMCの [シャーシ] タブで [障害とログ] メニューを選択し、右画面の [障害の概要] を確認して、発生しているFaultを確認します。こちらのFaultについては後ほど確認いたしますので、念のためメモしておいてください。
[作業手順]
- お客様作業 (FE 作業前)
1. 該当サーバのOSをシャットダウンし、電源をoffにします。
2. 作業対象特定のために、以下のメニューでロケータ LEDを点灯してください。
- FE 作業
<CPUの取り外し>
1. 取り外す電源ケーブル、その他のケーブル(ネットワーク、FC、Twinax 等)を、作業後に確実に戻せるよう、ラベリングします。
2. サーバ電源が off であることを確認し、電源ケーブルと必要であればその他のケーブルをサーバから抜きます。
3. サーバ前面の左右のラッチを開き、スライドレールに沿ってサーバをラックの前面に引き出します。
4. 以下の手順で、上部カバーを取り外します。
a. カバーのラッチがロックされている場合は、ドライバを使用して、ロックを反時計回りに 90 度回転させて、ロックを解除します。
b. 緑のつまみがあるラッチの終端を持ち上げます。ラッチを持ち上げながら、カバーを開いた位置に押し戻します。
c. 上部カバーをサーバからまっすぐ持ち上げ、横に置きます。
C220M5
C240M5
5. 交換用 CPU に付属している T-30 トルク ドライバを使用して、アセンブリをマザーボードのスタンドオフに固定している 4 つの非脱落型ナットを緩めます。
<注意>
ヒートシンクを水平に持ち上げるため、ヒートシンク ナットを交互に均等に緩めます。ヒートシンク ナットを、ヒートシンク ラベルに示されている順序(4、3、2、1)で緩めます。
6. CPU/ヒートシンク アセンブリをまっすぐ持ち上げ、ヒートシンクを下にして静電気防止用シートに置きます。
7. ヒートシンクを CPU アセンブリから分離します(CPU アセンブリは、CPU と CPU キャリアで構成されています)。
a.ヒートシンクが取り付けられている状態で、CPU アセンブリを上下逆にして置きます(下の図を参照)。サーマル インターフェイス マテリアル(TIM)ブレーカーの場所に注意してください。CPU キャリア上の小さなスロットの横に、TIM BREAKER と印字されています。
b. TIM ブレーカー スロットに最も近い CPU キャリア内部ラッチを内側につまみ、押し上げてヒートシンクの角のスロットからクリップを外します。
c. No. 1 マイナス ドライバの先端を TIM BREAKER のマークが付いたスロットに挿入します。
<注意>
次のステップでは、CPU の表面を押し開けないでください。ゆっくりと回転させ、TIM ブレーカー スロットの位置で CPU キャリアのプラスチック面を持ち上げます。ヒートシンク表面の損傷を防ぐため、十分注意してください。
d. ドライバをゆっくりと回転させ、ヒートシンクの TIM が CPU から離れるまで、CPU を持ち上げます。ドライバの先端が緑色の CPU 基板に触れたり、損傷したりしないようにしてください。
e. TIM ブレーカーの反対側の角で CPU キャリア内部ラッチをつまみ、押し上げてヒートシンクの角のスロットからクリップを外します。
f. CPU のキャリアの残りの 2 つの角で、外部ラッチを外側へゆっくりと開いて、ヒートシンクから CPU アセンブリを持ち上げます。
<注意>
CPU アセンブリを取り扱うときには、プラスチック製のキャリアだけをつかんでください。CPU の表面に触れたり、CPU をキャリアから分離させたりしないでください。
<新しいCPUの取り付け>
交換前に、以下の写真のように、CPUに刻印されているCPU型番を確認し、交換前のものと同じであることを目視確認してください。
以下は、PID: UCS-CPU-E5-2650 に該当するCPUとなります。 1. 新しい CPU アセンブリと CPU アセンブリ ツールを箱から取り出します。
– CPU アセンブリと CPU アセンブリ ツールが分離されている場合は、下の図に示す位置合わせ機能に注意して正しい向きに取り付けます。CPU キャリアのピン 1 の三角形部分は、CPU アセンブリ ツールの角度が付いた角の位置に合わせる必要があります。
<注意>
CPU とそのソケットは壊れやすいので、ピンを損傷しないように十分に注意して扱う必要があります。
2. 新しい TIM をヒートシンクに塗布します。
– 新しいヒートシンクを取り付ける場合は、新しいヒートシンクには TIM が塗布されたパットが付属しています。次のステップ に進みます。
– ヒートシンクを再利用する場合は、ヒートシンクから古い TIM を除去し、付属のシリンジから CPU の表面に新しいTIMを塗布します。次のステップに進みます。
a. ヒートシンクの古い TIM に、ヒートシンク クリーニング キット(UCSX-HSCK=)付属の洗浄液を塗布し、少なくとも 15 秒間吸収させます。
b. ヒートシンク クリーニング キット付属の柔らかい布を使って、古い CPU から TIM をすべてふき取ります。ヒートシンク表面に傷を付けないように注意してください。
c. 新しい CPU(UCS-CPU-TIM=)付属の TIM のシリンジを使用して、4 立方センチメートルのサーマル インターフェイス マテリアルを CPU の上部に塗布します。均一に塗布されるように、次に示すパターンを使用してください。
<注意>
適切に冷却を行うため、必ず CPU に合った正しいヒートシンクを使用してください。ヒートシンクには、150 W 以下の標準性能 CPU 用の UCSC-HS-C220M5=、150 W を超える高性能 CPU 用の UCSC-HS2-C220M5= の 2 種類があります。ヒートシンクのラベルに記載されているワット数に注意してください。
3. CPU アセンブリ ツール上に CPU アセンブリを取り付けた状態で、ヒートシンクを CPU アセンブリ上に置きます。ピン 1 の位置合わせ機能に注意して正しい向きに取り付けます。CPU キャリアの角のクリップがヒートシンクの角にカチッと音がするまで、ゆっくりと押し下げます。
<注意>
次のステップでは、CPU コンタクトや CPU ソケット ピンに触れたり損傷したりすることがないように、十分注意してください。
4. CPU/ヒートシンク アセンブリをサーバに取り付けます。
a. CPU アセンブリを取り付けたヒートシンクを CPU アセンブリ ツールから持ち上げます。
b.ヒートシンク付きの CPU をマザーボード上の CPU ソケットの位置に合わせます(下の図を参照)。位置合わせ機能に注意してください。ヒートシンクのピン 1 の斜めになった角をCPU ソケットのピン 1 の斜めになった角と合わせる必要があります。また、CPU ソケットの支柱をアセンブリのガイド穴の位置に合わせる必要があります。
c. CPU アセンブリとヒートシンクを CPU ソケットに配置します。
d. 交換用 CPU に付属している T-30 トルク ドライバを使用して、ヒートシンクをマザーボードのスタンドオフに固定する 4 つの非脱落型ナットを締めます。
<注意>
ヒートシンクを水平に下ろすため、ヒートシンク ナットを交互に均等に締めます。ヒートシンク ナットを、ヒートシンク ラベルに示されている順序(1、2、3、4)で締めます。CPU ソケットのリーフ スプリングが平らになるように、非脱落型ナットを完全に締める必要があります。
e. サーバに上部カバーを戻します。
f. サーバをラックの元の位置に戻し、ケーブルを再度接続したら、電源ボタンを押してサーバの電源を入れます。
[交換後の確認手順]
- FE 作業
1. CIMCのGUIにアクセスし、[シャーシ] -> [インベントリ] -> [CPU]タブを確認します。交換したCPUが正常に認識されているかを確認します。
2. CIMCの [シャーシ] タブで [障害とログ] メニューを選択し、右画面の [障害の概要] を確認して、新しくFaultが発生していないことを確認します。