DNAC: Cisco DNA Center AURA ツールについて

yukoga · ‎2021-01-24

はじめに
AURA とは
AURA 利用方法
magshell (Restricted Shell) 導入環境での注意事項
AURA の新機能と変更履歴
AURA ツール自体のトラブルシューティング
AURA Report 結果の活用について
チェック項目に関するよくある質問と対処方法
レポートで指摘されたエラーや警告の対応方法が不明な場合
TAC SR 起票時の注意事項
Cisco 担当から AURA Tool の実行を案内されている場合
TAC エンジニアから実行を依頼された場合
AURA を実行して SR へアップロードする
事前に準備するもの
AURA ツールの簡単な実行方法
参考情報

はじめに

本ドキュメントでは、Cisco DNA Center(Cisco Digital Network Architecture Center) 用に作成された AURA ツールの簡単な利用方法について説明します。本ドキュメント作成時に確認している製品バージョンは、Cisco DNA Center version 2.1.2.5 です。

AURA とは

Cisco DNA Center AURA ツールは Cisco 有志によって提供されている Cisco DNA Center の健全性やスケール等の役立つ情報を網羅的にレポート形式に出力することができる CLI ツールです。AURA は Audit & Upgrade Readiness Analyzer の略で主にアップグレード前の環境チェックを簡単に行えるようになっています。

AURA 利用方法

AURA ツールの各種オプション、詳しい利用方法や諸条件については Enhanced Visibility into the Cisco DNA Center using AURA (参考和訳: AURAを使用したCisco DNA Centerの可視性の向上) の記事に説明があります。

magshell (Restricted Shell) 導入環境での注意事項

Cisco DNA Center 2.3.3 以降のバージョンでは、magshell (Restricted Shell) が導入されています。DNAC-AURA のサイトで説明されているようにmagshell (Restricted Shell) 環境下では git コマンドなどの CLI コマンドがデフォルトでは制限され実行できません。こちらについては DNAC: magshell (Restricted Shell) の概要と bash 使用手順の記事を参考に対応します。

なお、最近のバージョンでは、Cisco DNA Center の新機能として検証ツール（Validation Tool）が導入され、Cisco DNA Center 単体でもアップグレードに対する事前検証が行えるようになっています。検証ツールについては DNAC: 検証ツール（Validation Tool）を利用したアップグレード準備の検証方法の記事を参考にします。

AURA の新機能と変更履歴

最新情報や変更履歴は DNAC-AURA のサイトを確認します。AURA ツールは Cisco DNA Center 自体には含まれていない外部ツールのため、Cisco DNA Center のリリースサイクルとは独立して改修が行われており、新機能への対応や不具合修正などには時間がかかる場合があります。例えば、Cisco DNA Center がリリースされたばかりのタイミングでは、まだ最新バージョンに対応する AURA がリリースされていないことがあります。また、古いバージョンの Cisco DNA Center の場合にはサポート対象であっても、バージョン差異により最近のリリースと比べ取得可能な項目に違いが出る可能性があります。

AURA ツール自体のトラブルシューティング

AURA ツール自体の問題については dnac_sda_audit_tool@cisco.com へ問い合わせが可能（英語のみ）です。古いバージョンの AURA を利用している場合は、最新バージョンの AURA ツールも試して既に改修されていないかも確認します。

AURA Report 結果の活用について

AURA ツールを実行結果は、PDF と tar.gz 形式で提供されます。実行時の最後にパスが示されるのでそちらを引き上げます。PDF のレポートでは、チェック項目ごとにエラー、警告や情報が提示されますので、まずはこのレポートの内容を読んで対応を検討します。

チェック項目に関するよくある質問と対処方法

/boot/efi 配下のディスク使用率が高いと Cisco DNA Center のアップグレードに失敗する

レポートで指摘されたエラーや警告の対応方法が不明な場合

指摘項目が障害と疑われる項目については、サービス契約に基づいて調査用の TAC SR を起票することができます。バックアップの取得や設計についてなど、障害以外の項目について不明点があれば、お客様担当の Cisco 営業・SE・カスタマーサクセスチームなどへご相談ください。

TAC SR 起票時の注意事項

AURA Tool 結果の PDF/tar.gz ファイルをアップロードしてください。
最新の DNAC 調査用ログも採取してご提供ください。
AURA Report に複数のエラーが含まれる場合も 1 事象につき 1 SR での対応となります。
AURA Report に関する調査は、原則 S4 での対応となります。

Cisco 担当から AURA Tool の実行を案内されている場合

SR 以外で Cisco の担当者から本レポートの実行を指示されている場合、結果を担当者と連携して対応します。 Cisco 担当からの指示に応じ、障害対応については TAC SR を発行して対応する場合もあります。

TAC エンジニアから実行を依頼された場合

SR の調査中に TAC エンジニアから本ツールの実行を依頼された場合、実行結果を引き上げて Case Support Manager からアップロードしてください。実行オプションにてケース番号と token を指定することにより、直接アップロードを行うこともできます。

AURA を実行して SR へアップロードする

ここでは SR 調査中に TAC から依頼された場合を想定し、簡易的に AURA Report を実行して SR にアップロードする方法を説明します。

事前に準備するもの

SSH 接続用ターミナルソフトウェア（PuTTY, Tera Term など）
SCP や SFTP プロトコルをサポートするクライアントソフトウェア(WinSCP など)
maglev ユーザー(CLI)と admin ユーザー(WebUI)のパスワード
（直接アップロードする場合）サービスリクエスト番号とトークン

AURA ツールの簡単な実行方法

AURA サイトにアクセスし [Download] をクリックして dnac_aura ファイルを保存します。
ダウンロードした dnac_aura を SCP 等で Cisco DNA Center maglev ユーザーのホームディレクトリへ転送します。
ターミナルソフトウェアを利用して SSH にて Cisco DNA Center にログインします。ユーザーは'maglev', ポート番号は 2222 です。
最近のバージョンの Cisco DNA Center での SSH タイムアウトを防ぐため、ServerAliveInterval=30 のオプションを指定して接続します。
```
$ ssh -p 2222 -o ServerAliveInterval=30 maglev@<Cisco DNA Center の IP アドレス>
```
dnac_aura ファイルへ権限を付与します。
```
$ chmod 755 dnac_aura
```
SR に直接アップロードを行う場合、以下のコマンドオプションで dnac_aura ファイルを実行します。
```
$ ./dnac_aura -u <サービスリクエスト番号>:<トークン値>
```
アップロードを行わない場合、オプションなしで dnac_aura ファイルを実行します。
```
$ ./dnac_aura
```

プロンプトに応じて GUI の username（admin）, 'admin' と 'maglev' ユーザーのパスワードを入力します。
情報収集中は、ターミナルに実行状況が出力されます。取得時間は規模によりますが、完了まで数分から数十分程度かかります。

[出力例]
####################################################
###                                              ###
###   Welcome to the Cisco DNA Center AURA Tool  ###
###             version:1.4.3                    ###
###                                              ###
####################################################
### 
###  Please visit us at www.cisco.com - 'Enhanced Visibility into the Cisco DNA Center using AURA'
### 
###
###   All Cisco DNA Center based Health,Scale,Upgrade Readiness,Assurance & SDA checks will be run ###
###
###  Checking connectivity to Cisco (cxd.cisco.com)
###  We have connectivity to Cisco (cxd.cisco.com). The logs and report will be uploaded to the SR.   ###
###  Found SR Number with pasword in the -u option.   ###

#01:Checking:Latest version of AURA
 Warning:AURA not under git control, but less than two weeks old. Please Check for latest version
 INFO:Performing maglev login...
[administration] username for 'https://kong-frontend.maglev-system.svc.cluster.local:443': admin
[administration] password for 'admin': <admin のパスワードを入力>

#02:Checking:Determine Cisco DNA Center Product Type, Serial number, SW Version & Node IP
[sudo] password for maglev: <maglev のパスワードを入力>

'Cisco DNA Center AURA tool has successfully completed.' のメッセージの後に出力されたファイルのパスが表示されます。アップロードオプション付きで実行した場合は、SR 上にファイルがアップロードされていることを確認できたら 'n' を入力して終了します。アップロードが確認できない場合は、'y' を入力して再実行します。再実行時もアップロードに失敗する場合やオプションなしで実行している場合、表示されたパス配下に出力されている pdf と tar.gz ファイルを SCP 等で引き上げて Case Support Manager を利用して手動でアップロードします。
```
[出力例]
******
Cisco DNA Center AURA tool has successfully completed.
Report and Logs can be found at:
 -- Cisco DNA Center AURA Report : /data/tmp/dnac_aura/reports/DNAC_AURA_Report_2021-01-24_00_00_18.pdf
 -- Cisco DNA Center AURA Logs (tar.gz file) : /data/tmp/dnac_aura/logs/DNAC_AURA_Logs_2021-01-24_00_00_00.tar.gz

###  Initiating upload of the report and log tar file to the SR  ###
###  Uploaded the files to the SR, kindly verify. If the files are not in the SR, press y to retry:<n を入力して終了>
```