はじめに
Wireless IP Phone のソリューションにおいて通話品質の問題が発生した場合、
WLAN 環境の調査を行うことになります。
WLAN 機器(AP/WLC)が、Wireless IP Phone Deployment Guide に準拠して
正しく設定されているか、WLANの電波環境(電波強度、SNR等)の品質が
維持されているかの確認を行います。
電波環境の厳密な調査は、スペアナ等の専用ツールを用いて実施されますが、
このドキュメントでは、CP-8821のSite Survey (WLAN診断) 機能を用いた
簡易な電波環境の調査方法について説明します。
1.ネイバーリストの表示
CP-8821が現在接続している AP、隣接する AP の情報は、ネイバーリストを表示して
確認できます。
ホーム画面から管理者設定 > 1.ネイバーリストの順に選択すれば、対象SSIDの
AP をリストで表示できます。
2.Site Survey の実施
CP-8821 で SiteSurvey 機能を実行すれば、より詳細の電波状況を調査することが
できます。
管理者設定画面から、4.診断 > 1.WLANの順に選択し Site Survey 機能を
実行します。この際、音声コールの品質に影響がある旨のメッセージが表示されます。
調査したいWLANプロファイルを選び、対象のAPの詳細の診断を行います。
3.WLAN診断 (Site Survey) の結果の表示
Site Survey の結果は、CP-8821の画面に表示されます。
AP/WLCのDataRates(基本レート、オプショナルレート)、DTIM期間、UAPSD、
プロキシARP、Admission Control (AC:ビデオ、AC:ボイス)等の設定が、
正しく設定されていることを確認します。
音声品質を確保するには、対象のAPに接続した際に電波強度(RSSI)の値が
-67dBm以上になるように設計されている必要があります。
また、Site Survey の結果は、CP-8821へSSHで接続して、取得することが
できます。
DEBUG> wlancli show site_survey_result
AP Info:
SSID: uctac10, AP Name:APc067.af58.bcd, MAC Address: e8:ed:f3:61:28:7f
Frequency: 5.200Ghz, Current Channel: 40
Last RSSI: -50, Beacon Interval: 102
ieeeCaps: (0x1111) [ESS][PRIV][SPECTRUM][RADIOMEA]
Basic Rates: 12
OptionalRates: 18 24 36 48 54
DTIM Period: 2
Country Code: JP, Environment: Indoor/Outdoor
Channels [36 - 64] @ 22 dBm
Channels [100 - 140] @ 20 dBm
Power Constraint: 0dBm, Power Limit: 16dBm
Channel Utilization: 1%, Station Count: 3, Admission Capacity: 23437
caps: [WMM][CAC VO][UAPSD][PRXARP][WPA2][11n]
AC: Best Effort
Admission Control: No, AISFN: 3, ECWMin: 4, ECWMax: 10, TXOpLimit: 0
AC: Background
Admission Control: No, AISFN: 7, ECWMin: 4, ECWMax: 10, TXOpLimit: 0
AC: Video
Admission Control: No, AISFN: 2, ECWMin: 3, ECWMax: 4, TXOpLimit: 94
AC: Voice
Admission Control: Yes, AISFN: 2, ECWMin: 2, ECWMax: 3, TXOpLimit: 47
CCX Version: 5
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まとめ
CP-8821の Site Survey (WLAN診断) 機能を使用すれば、簡易な電波環境の
調査を実施できます。
通話品質を改善するのは、その調査結果をもとに、AP/WLCの設定、配置等を
見直しを行います。
より詳細の調査が必要が必要な場合は、専用ツールを用いて実施することに
なります。
参考ドキュメント
CP-8821 への SSH アクセスについて (WLAN情報の取得)