概要
Cisco Unifed Border Element for Enterpriseのトラブルシューティング、および調査に必要なログについて説明します。特に日本で利用されている、.Phone DirectやOffice Link等、SIPによるVoIPサービスとの接続時の利用される場合の設定をふまえた切り分け手順を解説しています。
このドキュメントはCUBEのIOSバージョンとして15.1(4)Tの動作を元にして作成していますが、それ以前のVersionでもほぼ同様です。
SIP VoIPサービス接続時のUnified CM, CUBEの動作
通常 .Phone Direct, OfficeLink等に接続する際、互換性を維持するため、Unifed CM, CUBEでは以下の設定を実施してあります。実際に利用されている設定に関しては、利用するバージョンやサービス等によって相違がある可能性もありますので、実際の設定を必ずチェックしてください。
- Unifed CMからのEarly Offerを実現するために、CUBE向けのSIP TrunkにMTP Requiredのチェック
Unified CMでこの設定をしておくことにより、Unifed CMからのコールがEary Offer(INVITEにSDPを付与)となります。またこの設定により、Unified CMからのコールには必ずMTPデバイスがアサインされます。MTPデバイスはUnified CM上のIP Voice Media Streaming サービスが提供するSoftware MTPもしくは、IOS上で設定するSoftware MTPの可能性があります。 - CUBE
通常、日本で提供されるSIPを利用したVoIPサービスではDTMFは見なし音声(音声としてDTMFトーンを通す)となるため、Unified CM環境で通常サポートされているRFC 2833によるDTMFリレー形式へと変換します。この設定により、CUBE上でH/W Transcoderがアサインされます。 - SIP ProfileによるSIP Headerの変換
Unified CMの環境で利用されるSIPの動作と、各サービスプロバイダで規定されているSIPとの動作上の差分を吸収するため、CUBE上でSIP Profileを利用してSIPヘッダの変換処理を実施しています。
上記をふまえて、Unified CMからVoIPサービスまでのコールシグナリングのフローは以下のようになります。
問題発生時に収集するログ
ケースによって必要となるログは異なる可能性がありますが、一般的なトラブルシューティングには以下のログを収集することをお奨めします。
Unified CM
RTMTのTrace&Log Centralから
- Cisco CallManager Service (Detailed)
- Cisco IP Voice Media Service (Detailed) ... Software MTPとしてIPVMSを利用している場合
CUBE
筐体が分かれている場合を考慮して、各機能(Software H/W Transcoder, CUBE)に必要なDebugを分けてありますが、同一の筐体で全ての機能を動作させている場合は全てのDebugを設定して下さい。
CUBE