はじめに
Smart Licensing Using Policy (以下 SLP) において、ACK 未受信による SIP サービス停止が発生した際の対策について説明します。
SIP サービス停止原因
下記バージョンにて、UCK9/CUBE/SRST/CME ライセンスをご使用の場合、SLP のレポーティングポリシーに従ってレポーティングをし、Cisco Smart Software Manager (以下 CSSM) からの ACK を受信する必要があります。Next ACK deadline までに ACK を受信できていない場合、SIP サービスが停止します。
Next ACK deadline は show license status または show license all コマンドで確認可能です。
SIP サービス停止バージョン:17.3.2 と 17.3.3、17.3.4a、17.4.x、17.5.x、17.6.1a
エラーメッセージ
ACK 未受信による SIP サービスが停止した場合、以下のような Syslog メッセージが表示されます。
SIP-1-LICENSING: SIP service disabled until license report is acknowledged
また、「show voice sip license status」を実行すると、SIP サービスが停止していることを確認できます。
#show voice sip license status
Host Name: XYZ
Current Time: Dec 10 20XX HH:MM:SS UTC
SIP service: Down - License report not acknowledged >>>> ACK 未受信による SIP サービス停止を表す
暫定対策
Next ACK deadline までに ACK を受信できず、SIP サービスが停止した場合、下記いずれかの暫定対策を実施し、SIP サービスを起動します。
- CSSM Offline 方式にて手動でレポーティングを行う
先ず、デバイスにて CSSM Offline 方式を示すコマンドを設定します。
(config)#license smart transport off
その後、下記ドキュメントの手順に従い、手動でのレポーティングと ACK インポートを実施します。
(ご参照)トポロジのワークフロー:CSSM への接続なし、CSLU なし
1. RUM レポートの生成と保存
2. 使用状況データを CSSM にアップロード
3. ACK を製品インスタンスにインストール
- ライセンスのファクトリーリセットを行う
下記コマンドにて SLP のライセンス状態を初期状態に戻し、機器を再起動します。本コマンドにより、過去のライセンス消費状況を記録しているログ等がなくなります。
#license smart factory reset
※コマンドを反映するためには、機器再起動が必要です。
恒久対策
SIP サービスの停止を防ぐために、下記いずれかの恒久対策を実施します。
- ソフトウェアをアップグレードする
下記より新しいバージョンの場合、Next ACK deadline までに ACK を受信できてなくても、SIP サービスが停止しません。
SIP サービス停止バージョン:17.3.2 と 17.3.3、17.3.4a、17.4.x、17.5.x、17.6.1a
【注意】FN - 72578 による CPU またはメモリ高騰問題を防ぐために、FN - 72578 の修正バージョンをご検討ください。
- デバイスと CSSM が問題なく通信できるように設定し、運用する
ご使用環境の運用にあわせて、デバイスと CSSM 間の通信方式を指定し、問題なくレポーティングおよび ACK 受信ができるように設定します。デバイスと CSSM 間の通信方式について、以下のドキュメントをご参照ください。オフライン方式の場合は、Next ACK deadline までに手動でのレポーティングを実施する必要があります。
(ご参照)ポリシーを使用したスマートライセンシングの設定方法:トポロジ別のワークフロー
参考情報