はじめに
Cisco TelePresence Server(TPS)にCisco TelePresence端末(Cisco端末)と他社製H.323端末が参加した際、Cisco端末から送信中の資料共有ビデオが停止することがあります。
問題の説明
Cisco端末がTPS会議中に資料共有を行っている状態で、他社製H.323端末が会議に参加すると、Cisco端末からの資料共有が中断する場合があります。
発生条件は以下のとおりです。
- Cisco端末が資料共有を行っている会議に他社製H.323端末が参加する
他社製H.323端末が接続済の会議にCisco端末が参加してきた場合には問題は生じません。また、Cisco端末が資料共有中に、別のCisco端末が会議に参加してきた場合にも問題は生じません。

問題の背景
問題が生じない場合のコールフロー

Cisco端末は、接続時に必要なポートのみをオープン(openLogicalChannel)するため、Cisco端末のみが参加する会議では、問題は発生しません。
端末Aが資料共有中に、別の端末Bが資料共有を開始した場合、端末Aからの資料共有は中断します。これは期待された動作です。
問題が生じる場合のコールフロー

他社製H.323端末には、接続時に資料共有を実際に行っているかどうかによらず、資料共有チャネルのopenLogicalChannelを送信するものがあります。
VCSは、H.323端末とTPSを接続するためにSIP/H.323をインターワーキングしており、H.323端末から資料共有チャネルのopenLogicalChannelを受信すると、H.323端末が資料共有を行うものと認識し、TPSにBFCP Floor Request(FL Req)を送信します。
TPSは、BFCP Floor Request受信により、会議内で資料共有を行っているCisco端末側にBFCP Floor Requestを送信します。
TPSからCisco端末へのBFCP Floor RequestはVCSでH.239 Token Requestにインターワークされます。
Cisco端末は、H.239 Token Requestを受信したことにより、他の参加者が資料共有を開始するものと認識し、自身の資料共有を停止します。
実際には他社製H.323端末は資料共有を開始していないため、会議内ではCisco端末からの資料共有が突然停止した状態となります。この状態でCisco端末や他社製H.323端末から資料共有を開始すると、以降は正常に動作します。
ソリューション
Cisco端末が会議中に送信している資料共有が停止する問題は、Cisco製品と他社製H.323端末の動作の違いによるものです。
- Cisco端末: 資料共有を実際に開始する際に、資料共有チャネルのOLCを送信する
- 問題が生じる他社製H.323端末: H.323コールを接続した時点で、実際の資料共有有無にかかわらず、資料共有チャネルのOLCを送信する
本事象には下記回避策が有効です。
- 他社製端末をH.323ではなくSIPで会議に接続する
- TPSでAutomatic content handover設定を無効化する
- 設定を無効化した場合、会議内である参加者が資料共有中に別の参加者が資料共有を開始できない動作となります。CMR Hybrid構成の場合には同設定を有効化する必要があります。