はじめに
この記事では、Windows PCからWebex Meetings 参加時に使用する、「Cisco Webex Meetingsアプリ」のインストールやアップデートについて、よくある質問をもとに解説します。
※Webex Meetingsに参加する場合、メッセージ機能を備えた「Webex App(旧Webex Teams)」からも参加が可能になっていますが、この記事での解説は対象外とさせていただきます
「ミーティング内アプリ」と「デスクトップアプリ」の定義と違い
Windowsのアプリ一覧から見るとどちらも「Cisco Webex Meetings」と表記されますが、Webex Meetings には2種類のアプリが存在していて、インストール方法や機能に違いがあります。その違いについて紹介します。まずは各アプリの名称とその定義について紹介します。
「ミーティング内アプリ」とは、実際に会議参加する際に起動し、ミーティングの機能を司るアプリケーションのことを言います。
「デスクトップアプリ」とは、Windows のデスクトップに常駐し、ミーティングの開始やスケジュールの確認・設定などを司るアプリケーションのことを言います。
アプリの位置付けとして、「ミーティング内アプリ」は「デスクトップアプリ」に内包されており、デスクトップアプリをインストールした場合はミーティング内アプリもインストールされます。
また、「デスクトップアプリ」をインストールしている場合、「ミーティング内アプリ」部分はアプリ起動時に自動アップデート、「デスクトップアプリ」部分は任意のタイミングでアップデートされます。
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ミーティング内アプリ |
デスクトップアプリ |
インストール方法 |
初めてWebex Meetingsに参加する際に、表示されたガイドに従ってインストール |
https://[お使いのサイト].webex.com/webappng/sites/[お使いのサイト]/dashboard/download からダウンロードしてインストールすると利用可能 |
インストール時にWindows 管理者権限が必要か |
不要 |
必要 |
アプリから会議を開始 |
不可 |
可能 |
スケジュールを確認、設定 |
不可 |
可能 (設定する際はウェブブラウザ、もしくはOutlookが起動) |
ミーティング内アプリにおける自動アップデートのタイミング
どちらのアプリもアップデートのタイミングは2通りで、「アプリ起動時」、もしくは「会議参加時」です。分類は以下のフローチャートをご参照ください。
デスクトップアプリがインストールされている場合、ミーティング内アプリのみが自動アップデート対象で、デスクトップアプリ部分は自動アップデートされません。デスクトップアプリのアップデートタイミングについては次章「デスクトップアプリの「更新」が表示されるタイミング」をご参照ください。
デスクトップアプリの「更新」が表示されるタイミング
デスクトップアプリはクラウド側に最新バージョンを確認し、最新バージョンがあればそれをアプリ側に通知します。その際の動作は「主催者アカウントでログイン」、もしくは「ゲストログイン」の2通りです。
主催者アカウントでログイン
主催者ログインしている例
アプリ起動時、ログインしているWebex サイトのバージョンを確認します。最新バージョンがあった場合、ミーティング内アプリ部分は自動でアップデートされ、デスクトップアプリには「更新」が表示されます。ユーザがクリックすると、デスクトップアプリのアップデートが開始されます。
ゲストログイン
ゲストログインしている例
正確にはログインではなく、参加者名とメールアドレスを保存し、会議参加時にそれを利用するという方式です。ログイン先Webexサイトがないため、アプリ起動時はバージョン確認は行いません。
会議参加時に参加先Webexサイトのバージョンを確認し、新しいバージョンがあれば参加前にアップデートされます。
アプリのインストール、自動アップデートの負荷を低減する方法
Webex Meetingsはクラウドサービスのため、常に最新版のアプリケーションをインストールし、クラウドの最新機能をご利用いただくことを前提に作られています。しかし、お客様によっては厳しいセキュリティ要件を課していたり、インターネット回線が細い等の事情があり、アプリのインストール、自動アップデートを防ぎたいというニーズがあるのも事実です。この章ではいくつかの回避策を紹介します。
① Web Appを使った会議参加
アプリをPCにインストールせずに会議に参加する方法として、WebブラウザのWebRTCという仕組みを利用した「Web App」という参加方法があります。詳しくは「ウェブ アプリでミーティング、イベント、トレーニングセッションへの参加を始める 」と、記事にリンクされている利用要件や機能一覧の記事なども合わせてご参照ください。
② スローチャネルの利用
Webex Meetings はクラウドサービスのため、アップデートはCiscoにて管理されています。しかし、アプリのバージョンアップを遅らせて、アップデートのタイミングをお客様で管理できることができる「スローチャネル」という仕組みを提供しています。
ご利用の際には「スロー チャネル ポリシー」をまずお読みいただき、「Cisco Webex Meetings のスローチャネルサイトを管理する」をご参照の上設定を行ってください。スローチャネルで提供可能なバージョン、およびそのバージョンで提供される機能については「Cisco Webex Meetings のスロー チャネルの新機能」をご参照ください。なお、スローチャネルの利用で制御できるのはデスクトップアプリ側のみで、ミーティング内アプリ側は自動更新されてしまうこと、クラウドサーバ側のアップデートは制御できない点をご留意ください。
③ [非公式] バイナリを編集して一斉アップデートを防ぐ
よくお問い合わせいただく内容として、多くの従業員がほぼ同時に業務開始時にPCを起動した際Webexも自動起動してしまい、会社ネットワークに接続しているPCで同時にアップデートファイルのダウンロードを開始してしまう、結果的に会社ネットワークを圧迫してしまうという問題があります。
これを防ぐために、Webex の自動起動を停止し、同時にアップデートが実行されないようにする方法を紹介します。
※1 この方法は現時点で有効な方法であり、将来の動作を保証するものではありません。また、レジストリを変更する作業が必要になります。実施する場合、お客様の責任で実施いただくとともに、もし問題が起きた際に元に戻せるように、PCのバックアップを実施いただくようお願いします。
※2 本機能を停止すると、デスクトップアプリを手動で起動するまで会議通知ポップアップが表示されなくなります。
1.Windows スタートメニューで「regedit」を検索し、「管理者として実行」を選択
2.以下のPathを検索ボックスに入力。CiscoMeetingDaemon、PTOneClickの両方があることを確認。もしなければ、右クリックでメニューを開き、「新規 > バイナリ値」を選択してCiscoMeetingDaemonとPTOneClickを作成
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StartupApproved\Run
3. CiscoMeetingDaemon と PTOneClick をダブルクリック、もしくは右クリックしてメニューから「修正」を選択し、以下の値に変更して保存
CiscoMeetingDaemon
無効:03 00 00 00 06 44 1A FB 74 D3 D6 01
PTOneClick
無効:03 00 00 00 06 44 1A FB 74 D3 D6 01
[補足] Webex Events、Training参加時に必要なブラウザ拡張機能
ブラウザから参加する際、以前必要だったブラウザ拡張機能もしくは一時アプリケーション(TFS)がWebex Meetingsでは不要になりましたが、Webex EventsまたはTraining参加時にはアプリとは別でまだ必要となります。
それぞれの特徴を記した表を以下に掲載します。
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ブラウザ拡張機能 |
一時アプリケーション(TFS) |
特徴 |
各ブラウザにインストール可能な拡張機能 |
一度だけダウンロードし実行できる .exe ファイル |
メリット |
一度インストールすれば次からはインストール不要で、スムーズに会議への参加が可能 |
インストールが不要 |
デメリット |
インストールが必要 |
会議参加時に毎回ダウンロードが必要 |
アップデートタイミング |
ブラウザ側が管理(各ブラウザ設定に依存) |
無し (都度ダウンロード) |
※「ブラウザ拡張機能」と「一時アプリケーション(TFS)」は、あくまでブラウザからWebex Events/Training アプリを起動する機能しか有していません。別途Webex Events/Training アプリのインストールが必要です。
※「ブラウザ拡張機能」と「一時アプリケーション(TFS)」に機能差はありません。お客様の利用環境・条件に合わせてどちらかをご利用ください。
参考資料