はじめに
本投稿においてはNexus Dashboard をVMware ESXi上に仮想版vNDとして展開する方法をご紹介するシリーズの第1回になります。
第1回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -1.事前準備
第2回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -2.vNDの展開
第3回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -3.vNDの初期設定
第4回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -4.NDIのインストールおよび設定
前提
対象vSphereバージョン:ESXi 7.0.3
対象Nexus Dashboardバージョン:2.2.1
管理Site APICバージョン:4.2.7
1.事前準備
まず仮想アプライアンス版のNexus Dashboardをインストールする前に、各種機器のCompatibilityをチェックする必要があります。対象のNexus Dashboardのバージョンおよび管理対象のサイトに配置されるAPICおよびNDFCに互換性があることを確認します。
1.1. Compatibility Matrix
まずは互換性の確認を行います。
Nexus Dashboard and Services Compatibility Matrixを表示し、管理対象のFabricタイプ、Version、NDのバージョンを選択し、互換性を確認します。
また、該当の環境でサポートしているNDI、NDO、NDFCのアプリケーションの情報を表示することが可能です。
こちらは、4.2.7のACIを利用しており、NDとして2.2.1を採用した場合の例となります。
ND2.2.1としては、4.2.7のACIをサポートしていること、NDI:6.1.2/6.1.1、NDO:4.0(2)/4.0(1)/3.7(2)/3.7(1)をサポートしていることが確認できます。
1.2. Capacity Planningの実施
互換性の確認ができたら、次は、Capacity Planningを実施し、Clusterサイズを決定します。
Nexus DashboardのCapacity Planningには、Nexus Dashboard Capacity Planning サイトをご利用ください。
Clusterサイズは、以下の要件に応じて構成が必要になります。
これらを適切に入力することで、必要なHW要件、Clusterサイズを確認することができます。
- NDを形成するClusterのフォームファクター: 物理 or ESXi or KVM or Cloud or RHEL
- ND上で稼働するサービス: NDI、NDO、NDB(Data Broker) 、NDFC
- NDIの場合
- NDFCの場合
- 使用Feature:Fabric Discovery or Fabric Controller or SAN Controller
(例1)50台未満のACIサイトにおいて、NDIを利用した場合のサイジングの結果
50台未満のACIサイトにNDIを導入したい場合は、3台のData Node、3台のApp Nodeの合計6台が必要となります。
(例2)NDOを利用した場合のサイジングの結果

1.3. 考慮点
Nexus DashboardのDeploymentガイド(ESXi版) に記載されている考慮点についても、事前準備として考慮ください。
(1) Hardwareの考慮点
DataとAppのNodeタイプにより、求められるHW要件が異なりますので、利用Nodeに応じて機器を準備ください。
最新情報は、こちらのガイドを参照ください。
(2) ND配置の推奨
各ND Nodeは、別のESXi上で配置されることが推奨されています。
なので、本番運用を行う場合で、NDIを使いたい場合は、Data Nodeを配置するESXiが3台、App Nodeを配置するESXiを3台の合計6台のESXiサーバーを準備頂くことが、Ciscoの推奨となっています。
(3) vSphere機能の非サポート
以下のようなvSphereの機能はNDにおいてはサポートしていないのでご注意ください
まとめ
このように仮想版のNexus Dashboardを検討する際には互換性を確認した上で、適切なCapacity Planningを行い、NDの配置検討を行うことが重要になります。
一つ重要なのは、仮想版のNDを利用する場合には、求められるHWリソースが想定以上に必要になるケースが考えられるため、導入の検討段階から、物理アプライアンスにするのか、仮想アプライアンスにするのかは、綿密に検討頂くことです。
次回はOVA Templateの展開方法をご紹介します。
Cisco Customer SuccessではCisco Communityを通じて様々なベストプラクティス情報の提供を進めています。
こちらを、設計検討、運用検討の際にご活用ください。