2009 年 6 月 15 日(初版)
TAC SR Collection |
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主な問題 | IP Sec や L2TP などオーバーヘッドが付加されるプロトコル使用時は、パケットが MTU サイズを超えて IP レベルでのフラグメントが発生することがあります。このような場合、フラグメントを避けるため、リンクの MTU サイズを大きくする事があります。 これらの機能をマルチリンク PPP 上で使用した場合、MTU サイズを大きくすると通信が出来ない事象が発生します。LCP(Link control protoco)の Negotiation phase にて MRRU(Max-Receive-Reconstructed-Unit)値が、1524 バイトと固定されているため、それ以上の PPP フレームを受信した場合、全て廃棄してしまうためです。 上記の理由から、IP Sec、L2TP をマルチリンク PPP 上で使用する場合は、IP レベルでのフラグメントは避けられません。 |
回避策 | IP レベルでのフラグメントは避けられませんが、マルチリンク PPP での Chop を避ける事により、パフォーマンスの向上を得る事が出来ます。 フラグメント ディレイを使用して chop を避ける方法: Command: ppp multilink fragment-delay [msec] Chop サイズは下記の式より算出します。フラグメント ディレイにより変更可能です。 フラグメント サイズ =(各リンクの最小)Bandwidth x Delay / 8 例: ISDN 上でのマルチリンク PPP において、ディレイを 200 [msec] とすると、フラグメント サイズ = 64 x 200 / 8 = 1600 バイトとなり、理論上、1600 バイト以下のパケットは Chop されない。(IP レベルのフラグメントはマルチリンク PPP の処理以前に行われます。) |
備考
掲載元 : TechNews 2001 年 12 月号 No.0112-HA-0001