初めに
FPR1000・FPR2100・FPR3100にて動作するASAにてcrashが発生した場合、下記の状況が発生する可能性があります。
1.crashinfo及びcoredumpファイルが生成されない
2.crashinfo及びcoredumpファイルがされたが、有用な情報が記録されない
上記の場合、引き続き原因の究明ができないため、事前にquick coreを有効し、再発時のquick coreを取得する必要があります。
quick coreは通常coreの記録より記録の方法や記録の内容などが調整されましたため、クラッシュの原因究明には役に立ちます。
取得方法
ステップ1:
事前に下記コマンドでquick coreを有効する。
ciscoasa#debug menu coredump 101
実行例:
ciscoasa# debug menu coredump 101
WARNING: These utilities are intended for troubleshooting purposes only.
Use of these utilities can severely impact performance and the proper
operation of the device.
Do you wish to proceed? [confirm]:
※上記 Warning メッセージには機器の性能に影響がある旨のメッセージが出力されますが、実際には性能及び業務に影響がないのでご安心ください。
ステップ2:
下記コマンドで有効されたかを確認する。
ciscoasa#debug menu coredump 100
実行例:
ciscoasa# debug menu coredump 100
Quick core dump is enabled
ステップ3:
機器にてクラッシュが発生した場合、disk0にて下記のようなcoredumpファイルが記録されます。
出力例:
ciscoasa# show disk0: | in core
134235831 4096 Dec 06 2023 02:57:59 cores
16 97424662 Dec 06 2023 02:48:48 cores/core.lina.core-1.6.1192.1701830879.gz>>>>>こちら
456065 4096 Nov 14 2023 18:21:15 cores/sysdebug
456066 4096 Nov 14 2023 18:21:15 cores/sysdebug/tftpd_logs
1201 26 Dec 06 2023 02:57:59 coredumpinfo
1202 59 Nov 14 2023 18:25:56 coredumpinfo/coredump.cfg
ステップ4:
下記コミュニティにて記載されている方法で該当ファイルを取得する。
FPR1000及びFPR2100のアプライアンスモードにて動作するASAのCoredumpを取得する方法
注意点
機器がクラッシュする際に、crashinfo・coredumpファイルの記録は数分ほどかかりますため、
途中で電源スイッチのoff/on、または電源ケーブルの抜き差しを実施しないでください。
実施した場合、crashinfo・coredumpファイルの記録が止まり、通常の通り起動します。
また、quick coreを有効した後、もし機器にて再起動が発生した場合、quick coreが自動的に無効されます。
そのため、再起動が発生した場合、上記の方法で再度有効化する必要があります。
[2024.04.26 追記]
なお、quick core 機能は 9.18.1 以降で新しく導入された自動有効化される coredump とは異なり、継続して手動での有効化が必要となります。
9.16.4 から 9.18.1 へアップグレード直後の quick core の確認結果は以下のとおりで、手動での有効化が必要です。
ASA/sec/act(config)# debug menu coredump 100
Quick core dump is disabled
9.18.1 以降で追加された coredump の新機能は TAC による解析で使用されるものであり、特にリリースノートで公開しているものではありません。