はじめに
本ドキュメントでは、停電から復電した際のUCS-Bサーバの自動起動を無効化するための方法についてご説明いたします。
既知の問題
UCSMのBIOSポリシーに[Resume Ac On Power Loss]という、
予期しない電力損失後に電力が復帰したときにサーバがどのように動作するかを決める項目があります。
ドキュメントでは下記のとおり説明されています。
[stay-off]:手動で電源をオンにするまでサーバの電源がオフになります。
[last-state]:サーバの電源がオンになり、システムが最後の状態を復元しようとします。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/td/docs/unified_computing/ucs/ucs-manager/GUI-User-Guides/Server-Mgmt/3-2/b_Cisco_UCS_Manager_Server_Mgmt_Guide_3_2/b_Cisco_UCS_Manager_Server_Mgmt_Guide_3_2_chapter_01011.html#reference_D3132F42886C44A59E0EDCA8F62D5D26
しかし、M5 4.0(2a)A においてこちらがドキュメント通り作動しないことがCSCvo82777にて確認されています。
以下のテスト結果のように、[Resume-ac-on-power-loss]の設定に関係なく、サーバーは停電前のオン/オフ状態に戻ります。
1. Resume-ac-on-power-lossを[stay-off]に設定し(図1)、UCSM上でサーバーをPower onにし、シャーシの電源ケーブル抜き差しを行う。
結果:サーバは自動的に起動します
2. Resume-ac-on-power-lossを[last-state]に設定し、UCSM上でサーバーをPower onにし、シャーシの電源ケーブル抜き差しを行う。
結果:サーバは自動的に起動します
3. Resume-ac-on-power-lossを[stay-off]に設定し、UCSM上でサーバーをPower offにし、シャーシの電源ケーブル抜き差しを行う。
結果:サーバは起動しません
4. Resume-ac-on-power-lossを[last-state]に設定し、UCSM上でサーバーをPower offにし、シャーシの電源ケーブル抜き差しを行う。
結果:サーバは起動しません
よってM5 4.0(2a)A のバージョンの時点では、[Resume Ac On Power Loss]の設定により、停電から復電した際のサーバ自動起動を無効化することはできません。
図1. Resume-ac-on-power-lossを[stay-off]に設定したとき
回避策
復電後に電源が自動でONにならないようにするには、
下記URLにしたがって電源同期ポリシーを[Initial Only Sync]に設定してください。
参照URL
https://www.cisco.com/c/ja_jp/td/docs/unified_computing/ucs/ucs-manager/GUI-User-Guides/Server-Mgmt/3-2/b_Cisco_UCS_Manager_Server_Mgmt_Guide_3_2/b_Cisco_UCS_Manager_Server_Mgmt_Guide_3_2_chapter_0100.html
UCSMは電源の状態を管理しているため、もし実際の電源状態とUCSM上で指定されている電源状態が異なる場合、UCSM上の電源状態に同期されることがあります。
電源同期ポリシーが[Default Sync]のとき、もしUCSM上でサーバの電源をONに指定していた場合、停電により電源が落ちても復電後UCSMとの電源同期によりサーバがONになりますが、
[Initial Only Sync]に設定すると(図2)、復電後にUCSMとの電源同期が行われず、OFFのままとなります。
図2. 電源同期ポリシーを[Initial Only Sync]に設定したとき