スループットが想定より出ない、QoS の Shaping/Policing が正しく動作しないといったお問い合わせを頂くことがありますが、その原因が PC にインストールして使用するソフトウェアトラフィックジェネレーターにあることが非常に多いです。
そのため、スループットや QoS の Shaping/Policing の検証にソフトウェアトラフィックジェネレーターは使用しないでください。正しい検証結果は得られません。
PC にインストールして使用するソフトウェアトラフィックジェネレーターを使用した QoS の Shaping/Policing の検証結果に関するお問い合わせについては検証データに意味がありませんのでお断りさせていただきます。
理由は PC にインストールして使用するソフトウェアトラフィックジェネレーターでは安定した rate の Traffic を送信できないためです。多くのソフトウェアトラフィックジェネレーターでは始めに大量のトラフィックを送信し、しばらく何も送信しないといった動作を繰り返します。
わかりやすく例をあげます。PC にインストールして使用するソフトウェアトラフィックジェネレーターで 30Mbps で Traffic を送信する設定を行っているとします。ソフトウェアトラフィックジェネレーターでは始めの 0.1 秒に 300Mbps でトラフィックを送り、0.9 秒間は何も送信しないといった形で、ある単位時間で考えたときに平均して 30Mbps になるような動作を繰り返します。
グラフにすると以下のようになります。
上記の例であれば、1秒間で考えれば 30Mbps ですが、瞬間的には 300Mbps の Traffic を送信しているため、パフォーマンスが 30Mbps までしか出ないような機器、QoS の Policing/Shaping を 30Mbps に設定しているような場合には大量のパケット Drop が発生します。
そのため、スループットや QoS の Shaping/Policing の検証にソフトウェアトラフィックジェネレーターは使用しないでください。正しい検証結果は得られません。
スループットの検証には IXIA/N2X/Spirent TestCenter 等の Hardware でパケットを生成し送信するハードウェアトラフィックジェネレーターを使用してください。ハードウェアトラフィックジェネレーターであれば burst Traffic を生成するような設定を行わない限り通常安定した rate の Traffic を送信できます。
<参照>
シェーピングによるパケットドロップ
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3155455