本記事ではAPICの初期セットアップ手順についてご紹介します。
まずCIMCにアクセスし、KVMコンソールを開いてAPICのCLIにアクセスします。

以下のような対話式の初期セットアップダイアログが表示されるため、設定値を入力していきます。

設定項目は以下の通りです。
Cluster configuration ... Enter the fabric name [ACI Fabric1]: Enter the fabric ID (1-128) [1]: Enter the number of active controllers in the fabric (1-9) [3]: Enter the POD ID (1-9) [1]: Is this a standby controller? [NO]: Enter the controller ID (1-3) [1]: Enter the controller name [apic1]: Enter address pool for TEP addresses [10.0.0.0/16]: Note: The infra VLAN ID should not be used elsewhere in your environment and should not overlap with any other reserved VLANs on other platforms. Enter the VLAN ID for infra network (1-4094): Enter address pool for BD multicast addresses (GIPO) [225.0.0.0/15]:
Out-of-band management configuration ... Enable IPv6 for Out of Band Mgmt Interface? [N]: Enter the IPv4 address [192.168.10.1/24]: Enter the IPv4 address of the default gateway [192.168.10.254]: Enter the interface speed/duplex mode [auto]:
admin user configuration … Enable strong passwords? [Y]: Enter the password for admin:
Reenter the password for admin:
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すべての項目の入力が完了したら、入力した内容が表示されこの設定で問題無いか確認されます。
訂正したい場合には"y"を入力して再設定してください。
問題なければ"n"を入力してエンターします。自動的に再起動し、初期セットアップが完了します。
The above configuration will be applied ...
Warning: TEP address pool, Infra VLAN ID and Multicast address pool cannot be changed later, these are permanent until the fabric is wiped.
Would you like to edit the configuration? (y/n) [n]:
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それぞれの設定値については以下の通りです。
設定項目 |
概要 |
Cluster Configuration |
Fabric Name |
任意のファブリック名を入力 |
Fabric ID |
Fabric のID。多くの場合"1"で問題ありませんが、Multi-Site 構成では一部設定値を考慮する必要のあるシナリオが存在しますのでご注意ください。
詳細はWhite Paperをご確認ください。 https://www.cisco.com/c/en/us/solutions/collateral/data-center-virtualization/application-centric-infrastructure/white-paper-c11-739609.html ⇒ Day-0 Multi-Site infrastructure configuration |
Number of Active Controller |
Active で動作させるAPICの台数を入力 |
Pod ID |
Podの番号を入力。マルチポッド構成の場合は適切な値を設定してください。 |
Standby Controller |
当該APICをスタンバイノードとして設定する場合には"YES"と入力 |
Controller ID |
APICの番号を入力 |
Controller Name |
APICに設定するホスト名を入力 |
TEP Address Pool |
ファブリック内(Infra VRF)で使用されるTEPアドレス用のプール。 /16 で設定することを推奨。最小/23でも設定可能。
ネットワーク内で重複しないように設定することを推奨。 ユーザテナントとInfra VRFは異なるVRFアサインであるため、基本的にアドレス重複などの問題は発生しません。 ただし、APICにはVRFがないため、APICからTEP Address Pool内のIPアドレス宛トラフィックはファブリックに向けて送信されます。そのため、TEP Address Pool内のアドレスをアサインされた外部サーバ(Syslog, SNMP, NTP など)とAPICとの通信ができなくなります。
また、APICの内部で使用するdocker0ネットワークとの重複も避けてください。 docker0はデフォルトで172.17.0.0/16を使用します。重複しないレンジで設定するか、docker0で使用するレンジを変更する必要があります。
※ この設定値は後から変更することができませんので注意して設定してください。 もし後から変更する場合にはファブリックの初期化を行う必要があります。 |
infra VLAN |
infra VRF用のvlan IDを入力。 ACIファブリック内や接続先ネットワークで使用するVLANと重複しないIDを使用してください。 また、Nexusで予約されているVlan(3968-4094)を除外してください。 UCS Fabric Interconnect をご利用の場合には予約VLAN(3915以降)を避けてアサインしてください。
※ この設定値は後から変更することができませんので注意して設定してください。 もし後から変更する場合にはファブリックの初期化を行う必要があります。 |
BD Multicast Address Pool |
ファブリック内で使用されるマルチキャストアドレス用のプール。 デフォルト設定を使用するか、ネットワーク内で重複しない値を設定してください。
※ この設定値は後から変更することができませんので注意して設定してください。 もし後から変更する場合にはファブリックの初期化を行う必要があります。 |
Out-of-band Management |
IPv6 Address |
IPv6 を有効にする場合は"Y"と入力 |
IPv4 Address |
IPv4 のアドレスを入力。ここで設定したアドレスをAPICへのGUI/CLI管理アクセスに使用します。 |
IPv4 Default Gateway |
管理アドレス用のデフォルトゲートウェイを設定します。 |
Speed/Duplex Mode |
管理インタフェースのリンクスピードとDuplexを設定します。 |
Admin User Configuration |
Strong Passwords |
複雑でセキュアなパスワードのみ設定できるようにします。 |
Admin Password |
adminユーザのパスワードです。確認のため2回入力を求められます。 |
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