2016-03-15 02:15 PM 2020-10-19 09:56 AM 更新
当ドキュメントは、TAC Security Team ブログからの転載です。 ASAvのセットアップの参考にして頂けますと幸いです。
なお、ASAv バージョン 9.4(1)200、もしくは 9.5(1)以降より、vCenter無しに ESXiにインストールが可能となり、より便利になりました。 ESXiサーバと、ASAvの互換性情報は以下を参照してください。
Cisco ASA Compatibility - ASAv Hypervisor Compatibility
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/security/asa/compatibility/asamatrx.html#90840
ASAvは クラウド基盤のFirewallとしてだけではなく、ASA物理アプライアンスの機能や設定の簡易検証や、学習用など、様々な用途で活用できます。
ライセンス無しの場合、100Kbps 100コネクションまでの性能制限がありますが、ASA物理アプライアンスとほぼ同じ機能を利用できます。AnyConnectもできます。 かなり太っ腹です。
スナップショットやクローン、vMotionに対応するため、任意タイミングでバックアップや切り戻しが可能です。
今回は、この便利なASAvの vSphereクライアントからのデプロイ方法と、簡易的な動作確認方法を紹介します。
本ブログのセットアップ手順では 以下を利用します。 ASAv 9.3 以外は事前にセットアップ済みです。 vCenterを使用せずに、ESXiに ASAv を直接インストールすることは、旧バージョン(※)の場合は出来ません。
・ ESXi 5.5
・ vCenter Server(※)
・ vSphereクライアント (もしくは vSphere Webクライアントでも可能)
・ ASAv 9.3
・ Windows-01 (inside側仮想マシン)
・ Windows-02 (outside側仮想マシン)
・ 管理PC (management側仮想マシン)
※ASA 9.4(1.200) もしくは 9.5(1)以降は vCenterは必須でなくなりました
vSphere Web クライアントを用いたデプロイ方法については以下URLを参考にしてください。
Cisco Adaptive Security Virtual Appliance (ASAv) Quick Start Guide, 9.3
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/security/asa/asa93/asav/quick-start/asav-quick/asav-vmware.html#pgfId-109655
今回は以下の検証構成のセットアップ手順を紹介します。 全てが仮想マシンとなり、それらをホストオンリーのネットワークラベルでつなぎます。一度、当環境を作成すると、基本的な検証は全て 仮想環境上で行うことが可能になります。 (つまり、検証毎の、物理機器や検証PCのセットアップや、ラックマウントや配線の手間が不要になります!)
通信試験に利用する、Windows(もしくは Linuxなど)のセットアップ手順は割愛します。
これより順にセットアップ手順を紹介します。
4.1. 以下サイトにアクセス
http://www.cisco.com/go/asa-software
4.2. 以下パスに移動
Downloads Home > Products > Security > Firewalls > Adaptive Security Appliances (ASA) > Adaptive Security Virtual Appliance (ASAv)
4.3. 任意バージョンの ASAv OVAファイルをダウンロード。 本例では、9.3リリースの最新Interimバージョンである 9.3(3)2の ASAv OVAファイルである、asav933-2.ova をダウンロード
(2020/10/19 追記: ASA 9.12系などでは ovaの公開はなくなり、zipファイルでの公開となりました。 任意バージョンの Cisco Adaptive Security Virtual Appliance VMWare Package for the Cisco ASAv Virtual Firewall のZIPファイルをダウンロード・解凍して頂き、ESXiにデプロイ時は asav-esi.ovf を、vCenterにデプロイ時は asav-vi.ovf を利用してください。)
4.4. vSphereクライアントでアクセスし、ファイル(F) > OVFテンプレートのデプロイ(D) を選択
4.5. OVFテンプレートのデプロイ ウィザードが起動しますので、"ファイルまたはURLからのデプロイ"にダウンロードしたASAv OVAファイルを選択し、次へ
4.6. OVFテンプレートの詳細表示画面で、ASAvパッケージの詳細を確認し、次へ
4.7. エンドユーザー使用承諾契約書画面で、契約の確認および承諾し、次へ
4.8. 名前と場所画面で、ASAvの名前の入力と、インベントリの場所を選択し、次へ
4.9. デプロイの構成画面で、ライセンス購入前の場合はそのままで、次へ
4.10. ホスト/クラスタ画面で、任意ESXiホストを選択し、次へ
4.11. リソースプール画面で、テンプレートのデプロイをする任意リソースプールを選択し、次へ
4.12. ディスクのフォーマット画面で、プロビジョニングに使用する形式を選択。 ディスク領域を節約する場合は、"Thin Provision"をチェックし、次へ
4.13. ネットワークのマッピング画面で、ASAvインターフェイスと 任意ネットワークラベルを紐づけて、次へ。なお、ネットワークラベルは ASAvデプロイ後も変更可能です
4.14. プロパティ画面で、ホスト名や IPアドレス、ASAv管理設定などを入力した後、次へ
以下は設定例
Hostname | ASAv-01 |
Management IP Address | 192.168.90.1 |
Management IP Subnet Mask | 255.255.255.0 |
Management IP Default Gateway | 192.168.90.254 |
HTTP Server Setting | Use Specified Subnet |
HTTP Client Subnet | 192.168.90.0 |
HTTP Client Mask | 255.255.255.0 |
Administrator Username | cisco |
Administrator Password | cisco123 |
4.15. 終了準備の完了画面で、デプロイ設定が正しい事を最終確認し、終了
4.16. デプロイが完了後、閉じる をクリック
5.1. デプロイ先のESXiホストの 構成タブ > ネットワークをクリックし、"ネットワークの追加..."をクリック
5.2. ネットワークの追加ウィザードが起動するので、"仮想マシン"をチェックし、次へ
5.3. ネットワーク アクセス画面で、物理NICの 全てのチェックを外し、次へ
5.4. 接続設定画面で、任意ネットワークラベルを設定し、次へ。 本例では Internal-VMnet-01と命名
5.5. サマリ画面で、設定が問題無い事を確認し、終了をクリック
5.6. ネットワークの画面に戻るので、標準スイッチが追加されたことを確認
同様の手順で、Internal-VMnet-02も作成
6.1. ASAvは、デプロイしたASAvを 右クリック > 設定の編集を選ぶ。仮想マシンのプロパティが開くので、本例ではネットワークアダプタ 1 (=Management0/0)に 管理ネットワークラベルを、ネットワークアダプタ 2 (=GigabitEthernet0/0)に Internal-VMnet-01を、ネットワークアダプタ 3 (=GigabitEthernet0/1)に Internal-VMnet-02を、各割当てた後、OKをクリック
ネットワークアダプタIDと、ASAv インターフェイスIDの対応一覧は以下
ネットワーク アダプタ ID | ASAv インターフェイス ID |
ネットワーク アダプタ 1 | Management0/0 |
ネットワーク アダプタ 2 | GigabitEthernet0/0 |
ネットワーク アダプタ 3 | GigabitEthernet0/1 |
ネットワーク アダプタ 4 | GigabitEthernet0/2 |
ネットワーク アダプタ 5 | GigabitEthernet0/3 |
ネットワーク アダプタ 6 | GigabitEthernet0/4 |
ネットワーク アダプタ 7 | GigabitEthernet0/5 |
ネットワーク アダプタ 8 | GigabitEthernet0/6 |
ネットワーク アダプタ 9 | GigabitEthernet0/7 |
ネットワーク アダプタ 10 | GigabitEthernet0/8 |
※全てのネットワークアダプタを利用する必要はありません
6.2. 他の仮想マシンも同様の手順で、ネットワークアダプタの ネットワークラベルを変更
以下画像は、Windows-01のネットワークアダプタに Internal-VMnet-01を割当て
同様の手順で Windows-02のネットワークアダプタに Internal-VMnet-02を割当て
7.1. ASAvを 右クリック > 電源 > パワーオンを選択
7.2. ASAvにコンソールアクセスし、"show interface ip brief"コマンドを実行し Management0/0がリンクアップし、IPアドレスが正しい事を確認
7.3. 任意管理端末から、ASAvのManagement0/0のIPアドレス宛にHTTPSアクセスし、ASDMを起動。本例では、管理端末から https://192.168.90.1/ 宛にアクセス
7.4. Cisco ASDM-IDMランチャーが起動するので、ASAvデプロイ時に設定したユーザ名・パスワードを入力
7.5. ASDMが起動するので、動作試験用に簡易設定を実施する
まず、Tools > Command Line Interface...を選択すると、Command Line Interfaceがポップアップするので、Multiple Line をチェックし、以下コマンドラインを入力し、Sendボタンをクリック
conf t ! interface Management0/0 security-level 70 ! interface GigabitEthernet0/0 nameif inside ip address 192.168.10.254 255.255.255.0 security-level 100 no shut ! interface GigabitEthernet0/1 nameif outside ip address 192.168.20.254 255.255.255.0 security-level 0 no shut ! policy-map global_policy class inspection_default inspect icmp ! passwd cisco123 ! |
TIPS: 上記設定例では、ICMPをコネクションとして管理するため、inspect icmpを有効にしています
以下は入力例
実行後、ASDMのリフレッシュ要求があるため"Refresh Now"し、"Configuration > Device Setup > Interfaces"に移動し、Interfaceが有効である事、及び IPアドレスやセキュリティレベルが正しい事を確認した後、ASDMの画面上の"Save"アイコンをクリックし設定を保存
Windows-01 仮想マシンから、GigabitEthernet0/0へのPING疎通性、及び Windows-02 仮想マシンへのPING疎通性を確認する
Cisco Adaptive Security Virtual Appliance (ASAv) Quick Start Guide, 9.3
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/security/asa/asa93/asav/quick-start/asav-quick.html
ASAv: スマートライセンス認証とトラブルシューティング
https://supportforums.cisco.com/ja/document/13070711
本ドキュメント内容に、大変興味を持ちコメントさせて頂きました。
弊社は、検証環境がなく今まで数回ぶっつけ本番でバージョンアップを行っておりました。
今回、本ドキュメントをみて、学習目的や検証目的として利用可能と記載がありました。
現在も、仮想環境さえあれば、ライセンスは購入せずに
ASAvの公開バージョンの検証実施可能でしょうか。
あくまで、新バージョンの機能動作確認がメインで、現行環境に出来るだけ近い設定を行い検証を行います。
また、記載以外の注意点はございますでしょうか。
弊社の環境として、以下の機器およびライセンスを保有しております。
アプライアンス製品のASA5512-X :1台
AnyConnect Apexライセンス
-----<本ドキュメントに記載があった抜粋部分>-----
ASAvは クラウド基盤のFirewallとしてだけではなく、ASA物理アプライアンスの機能や設定の簡易検証や、学習用など、様々な用途で活用できます。
ライセンス無しの場合、100Kbps 100コネクションまでの性能制限がありますが、ASA物理アプライアンスとほぼ同じ機能を利用できます。AnyConnectもできます。 かなり太っ腹です。
Ishiduさん、こんばんは。
弊社製品に興味を持っていただき有難うござます! はい、太っ腹は継続中なので、100kbps/100コネクションまでの制限はありますが、機能や設定の簡単な検証には問題ないと思います。 パケットトレーサーや 数コネクションの低速な試験、既存や新機能の確認や、アップグレード手順の確認、などなど。
なお、念のため、先ほど ASAv 9.6.4を私のvCenterに新規デプロイしてみましたが、評価モード中は以下のライセンス状態で、様々な機能(3DES-AESや AnyConnect Premium含む!)がEnableです。評価ライセンスは90日までなので、勉強や検証用途でしたら、仮に評価ライセンス基幹が切れたら 古い仮想マシンを削除し、再度新規でOVAからデプロイしなおせば、再度評価ライセンス範囲内でASAvを利用可能です。
なお、ASAvの評価ライセンス利用時のメモリ割当ては1Gで、大量のメモリが必要のような 膨大な設定(例えば数千行の設定)の検証は避けたほうがいいかと思います。
検証や勉強時の参考になれば幸いです。
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