以下のようにスタティックルートの Next Hop に Interface のみを指定する場合、大量の ARP Request が発生する可能性があります。
Router(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 FastEthernet 8 |
上記のように Next Hop に Interface のみを指定すると、その経路は以下のように directly connected として認識されます。
Router#show ip route --- snip --- S* 0.0.0.0/0 is directly connected, FastEthernet8 --- snip --- |
directly connected と認識されると、その経路は Interface に直結されたネットワークと認識されるため、実際にはルータと同じサブネットにない宛先へのパケットでも ARP を解決しようと試みます。
例えば、FastEthernet8 のネットワークが 192.168.1.0/24 だとしても、100.100.100.100 のような宛先のパケットが上記スタティックルートを参照すると directly connected と認識されているため、192.168.1.0/24 のネットワークではありませんが 100.100.100.100 の ARP を解決しようとします。
そのため、様々な宛先へのパケットが上記スタティックルートを参照すると大量の ARP Request が発生することになります。
その結果、以下のように ARP 関連のプロセスが CPU、メモリのリソースを多く消費することになります。
Router#show processes cpu sorted | ex 0.0 CPU utilization for five seconds: 40%/0%; one minute: 32%; five minutes: 32% PID Runtime(ms) Invoked uSecs 5Sec 1Min 5Min TTY Process 188 167308164 1366379 122450 31.03% 28.15% 27.99% 0 ADJ background |
Router#show processes memory sorted Processor Pool Total: 321574376 Used: 319960220 Free: 1614156 I/O Pool Total: 28233408 Used: 17313520 Free: 10919888 Reserve Pool Total: 262144 Used: 101144 Free: 161000 PID TTY Allocated Freed Holding Getbufs Retbufs Process 145 0 340386012 32480012 130714088 0 0 IP ARP Adjacency |
以下のように Next Hop に Interface と IP Address を併記して頂ければ、directly connected と認識されないため、この問題は発生しません。
Router(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 FastEthernet 8 192.168.1.2 |
以下は上記のスタティックルートを使用した際のルーティングテーブルです。
directly connected ではないことが確認できます。
Router#show ip route --- snip --- S* 0.0.0.0/0 [1/0] via 192.168.1.2, FastEthernet8 --- snip --- |