PPPoE 接続に失敗する場合のトラブルシューティングの方法を具体的な接続失敗事例と、失敗した際のデバッグログなどについて、まとめようと思います。何回かに分けて投稿します。
1. 接続状態の確認
最初のステップとして、PPPoEのセッションの接続が成功しているかどうかを確認する必要があると思いますが、その際に使用するコマンドの出力は、以下のとおりです。
* IOS 15.0M で PPPoE client として動作させたルータで取得した結果です。
PPPoE_Client# show ppp all
Interface/ID OPEN+ Nego* Fail- Stage Peer Address Peer Name
------------ --------------------- -------- --------------- --------------------
PPPoE_Client#
PPPoE_Client# show pppoe session
1 client session
Uniq ID PPPoE RemMAC Port VT VA State
SID LocMAC VA-st Type
N/A 0 0000.0000.0000 Et0/0 Di1 N/A SHUTDOWN
0000.0000.0000
* 接続していないので、何も表示されていません。
PPPoE_Client# show ppp all
Interface/ID OPEN+ Nego* Fail- Stage Peer Address Peer Name
------------ --------------------- -------- --------------- --------------------
Vi2 LCP+ IPCP+ CDPCP- LocalT 192.168.1.1 PPPoE_Serv
PPPoE_Client#
PPPoE_Client# show pppoe session
1 client session
Uniq ID PPPoE RemMAC Port VT VA State
SID LocMAC VA-st Type
N/A 2 aabb.cc00.d300 Et0/0 Di1 Vi2 UP
aabb.cc00.d400 UP
* PPPoE、PPP ともにセッションが表示されています。
2. 接続に失敗した場合のトラブルシューティング
いざ接続してみたら、接続に失敗し、設置のスケジュールに間に合わないなどのトラブルに遭遇する場合の多くは、設定の誤りなどが原因です。
代表的な例としては、以下の様なものがあります。
- IP アドレスの割り当て方法(自動、固定)に対するルータの設定が間違っている
- パスワード設定の誤り
- 認証方式のネゴシエーション失敗
- MTUのネゴシエーション失敗
「1. IP アドレスの割り当て方法(自動、固定)に対するルータの設定が間違っている」に関しては、CCOドキュメントを参考に対応をおこなってください。その他に関しては、show running-config を眺めてみても、相手側の機器に依存する問題であったり、どこをどのように修正していよいのか、わかりにくい問題であるため、デバッグを有効にして、デバッグログを取得してください。デバッグログの結果を確認することで、接続に失敗した原因を突き止めることができます。
第一段階で取得シたほうが良いデバッグログは、以下のとおりです。
debug ppp authentication
debug ppp negotiation
debug pppoe event
取得できたデバッグログの見方は、CCOに詳しい解説がありますので、あわせて参照ください。
debug ppp negotiation の出力について
http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/100/1007/1007973_debug_ppp_negotiation-j.html