2009 年 6 月 12 日(初版)
TAC SR Collection |
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主な問題 | ダイアルアップ接続にマルチリンク PPP(以下、MLP)を使用した場合に、アクセスサーバ側からダイアルアップデバイス(Peer)側に物理帯域を越えるトラフィックが発生するような環境下では、パフォーマンスが低下する場合があります。 これは MLP 確立時に、バンドル内の各物理リンクのキューが、アンバランスになってしまうことから発生します。新規に追加されたリンクのキューには空きがあるが、既存リンクのキューに空きがないといったアンバランスな状態が発生すると、フラグメントされたフレームが大きくタイミングがずれて送信されたり、フラグメント時に一部のキューがオーバーフローし、フレームが正しく分割されないといった問題が発生します。結果として、Peer 側で PPP パケットの廃棄が多量に発生し、パフォーマンスが低下してしまいます。 |
解決策 | この問題の解決策として、アクセスサーバ側で仮想テンプレートのキューイング ストラテジーを WFQ に設定することが挙げられます。この設定を行うことで、Virtual Access Interface(VAI)でキュー ドロップを行うようになり、各リンクのキューがアンバランスになってしまうという問題が解消されます。 MLP は IOS の実装として必ず VAI を生成します。VAI および、物理インターフェースが FIFO の場合には、MLP を BRI または仮想テンプレートのどちらに設定してもこの問題は発生します。 なお、VAI を明示的に WFQ にするには仮想テンプレートが必要です。Multilink Virtual Template、または Virtual Profile コマンドで VAI の生成に仮想テンプレートを参照するように設定してください。 |
備考
掲載元 : TechNews 2000 年 4 月号 No.0004-BA-0001