はじめに
このドキュメントでは、TelePresence Touchのペアリングが外れた際のトラブルシューティング -- SX20などのTelePresence端末とネットワーク経由でペアリングしていたTouchが突然ペアリングが外れた状態となった際にご確認いただく内容 -- について説明します。
問題の説明
TelePresence端末とネットワーク経由でペアリングしているTouchで、
- 突然ペアリングが外れた状態となる
- 端末側の電源を入れ直すと自動ペアリングされない
などの症状が発生することがあります。
端末とTouchのネットワーク経由でのペアリングについては、本ドキュメント末尾の「関連情報」に記載の
をご参照ください。
ネットワーク経由でのペアリングは、様々な原因で接続性が失われることがあります。
そのような場合には本ドキュメントの「復旧手順」をご確認ください。復旧しない、原因の詳細調査が必要、といった場合には「調査に必要な情報」を収集してください。
復旧手順
ケーブル接続確認
最初に、TelePresence端末本体(Codec)とタッチパネルそれぞれの電源ケーブルやEthernetケーブルが正しく接続されているか再度確認してください。
ケーブル自体に問題がある可能性もありますので、別のケーブルを使って問題が解消するかを確認することも有効です。
IPアドレス確認
次に、CodecとタッチパネルのIPアドレス設定を確認してください。
DHCPでIPアドレスを設定している場合、DHCPサーバから割り振られるIPアドレスがペアリング設定時から変更されていないか、他の機器と重複していないか、をご確認ください。
IPアドレス設定については設置ガイド(Touch 8、Touch 10)に記載しています。
ネットワーク疎通性確認
Codecとタッチパネルがペアリングに使うTCPポート番号は以下のとおりです。
- 4053
- 4051
- 4052
- 4045
- 4043
- 22
これらのポートをネットワーク経路上のファイアウォールなどで遮断していないか確認してください。
初期化
上記の手順で復旧しない場合や、一時的に復旧した後に再発する場合には、一度初期化して再度ペアリング設定を行うことが有効な場合もあります。
ペアリング設定の方法は設置ガイド(Touch 8、Touch 10)に記載しています。CodecのIPアドレスとadminユーザのパスワードが必要となりますので、予め確認いただくことが必要です。
Codecのソフトウェアアップグレード
バージョンが新しいソフトウェアでは、ペアリング機能を含め様々な改善や修正が行われています。
特にTC7.3.0では、Release Note - 27ページ「New Feature Descriptions TC7.3.0 - General improvements」に記載のとおり、ネットワークペアリングのメカニズムが大幅に改修され、安定性が改善しています。
新しいバージョンではログ出力も拡充しているため、ログ解析のためにもアップグレードは有効です。
TC7.3.4で修正済の不具合 CSCuu46149 はタッチパネルのログがCodecに保存されない問題ですので、修正版以前のバージョンをご使用されている場合にはアップグレードしていただくことを強く推奨致します。
調査に必要な情報
問題が発生した端末の機種、タッチパネルの機種をご確認ください。
タッチパネルの型番(PID)とシリアル番号(SN)は、Touch 8の裏面・Touch 10の裏面のLANケーブルカバーの裏面に貼付してあるシールに記載しています。
端末のWebUIにブラウザでログインし、最初に表示されるページのSoftware versionです。「TCx.x.x」「ce x.x.x」のところまでをご確認ください。
(ce 8.2.2の例)
ペアリング外れが生じた日付と時刻をできるだけ詳細にご確認ください。
自然復旧、何らかの対策を行って復旧した場合にはその日付と時刻もご確認ください。
その日時にネットワーク上で生じていた変化がなかったかなどの状況確認やログの調査を行うためには日付と時刻をできるだけ正確に把握する必要があります。
ペアリング外れは同機器で1度だけ発生したのか、あるいは複数回継続して発生しているのか、他の機器でも発生するのか、といった発生頻度に関する情報もトラブルシューティングに有用です。
端末でコールを行っていたなどの操作があったのか、あるいは無操作でペアリングが外れたのか、など、問題が発生した時点の状況を把握することが原因や解決策の調査にあたって重要となります。
問題の復旧に有効であったもの、有効ではなかったものを含めて実施した内容を記録しておくことで、その後の調査を正確に進めることができます。
端末、タッチパネルとその間を経由するスイッチ・ルータ類の接続構成を確認できる簡単な図をご用意ください。ネットワーク経由でのペアリングに関する問題の調査には必須の情報です。
(簡単な図の例)
端末本体(Codec)
Codecのログ取得方法は下記ドキュメントに記載しています。新しいバージョンでの取得方法は同記事のコメントに記載しています。記事のタイトルはTCですが、CEソフトウェアでも同様です。
下記は、端末に保存されるtouchdevice.logの例です。
Codecがタッチパネルに接続を3度リトライした後に成功したことを示しています。
2017-07-19T11:45:06.474+09:00 (none) (none) eventlog[8301]: Failed to connect, retry (1/10)
2017-07-19T11:45:08.069+09:00 (none) (none) eventlog[8301]: Failed to connect, retry (2/10)
2017-07-19T11:45:10.686+09:00 (none) (none) eventlog[8301]: Failed to connect, retry (3/10)
2017-07-19T11:45:14.334+09:00 (none) (none) eventlog[8301]: Connection succeeded
ペアリングその他タッチパネルに関する問題がある場合、touchdevice.logに問題事象が発生した日時の記録が残っているかをご確認ください。
Touch10
Touch 10の場合、USBケーブルを接続してログを採取することができます。「関連情報」の「Touch 10のログ取得方法」をご確認いただき、下記コマンドの実行結果をご取得ください。
- show touchmenu
- show main
- show console
- show dmesg
- show kern
- show messages
(Touch 8に同等の機能はありません)
関連情報
不具合情報