はじめに
このドキュメントは、Cisco Jabber 11.8 以降から変更された Contact Source であるCisco Directory Integration (CDI) についての説明と、具体的な設定方法について記載されています。
バージョンとプラットフォームによる差異
Cisco Jabber の LDAP サーバを使用した Contact Source について、11.7.x までは BDI (Basic Directory Integration) と EDI (Enhanced Directory Integration) が混在していましたが、11.8.0 以降では全プラットフォーム共通で CDI (Cisco Directory Integration) に統一されました。
(Mobile & Remote Access(MRA) の場合は引き続き UDS のみサポート)
11.7.xまで -> EDI(Jabber for Windows)とBDI(それ以外)
11.8.0から -> CDI(全プラットフォーム共通)
| Windows | Mac | Android | iOS |
11.7.x まで | EDI or UDS | BDI or UDS | BDI or UDS | BDI or UDS |
11.8 以降 | CDI or UDS | CDI or UDS | CDI or UDS | CDI or UDS |
MRA 接続 | UDS | UDS | UDS | UDS |
Cisco Jabber 11.8 以降では BDI がサポート対象外となったので、Mac、Android、iOS デバイスで Jabber をご利用いただいており、かつ Contact Source が BDI である場合、11.8にアップグレードするために Contact Source の設定を変更する必要があります。
※注意※ jabber-config.xml に BDI と CDI の設定を混在させて使用することは 2017年4月現在サポートされていません。もし Jabber for (Mac/Android/iOS) 11.7.x までと11.8.0 以降を混在させて使用している環境で、jabber-config.xml で Directory の設定を行っている場合、11.7.x までと 11.8.0 以降で別の jabber-config.xml を利用してください。
設定方法
まず、Jabber はログイン方法によって取得する設定情報が異なります。
DNS SRV を用いたService Discovery(自動ログイン) を行っている場合、Unified CM のService Profile と jabber-config.xml 両方の情報を取得します。その場合、Jabber はService Profile の情報を優先します。
さらに、11.8 以降からは機能追加として、SRV レコードを用いたDirectory 接続(Directory Server Discovery) が可能になりました。
手動でサーバの IP アドレスもしくは FQDN を入力してログイン(手動ログイン)を行っている場合、jabber-config.xml のみを取得します。
| jabber-config.xml | Service Profile (Unified CM) | Directory Server Discovery |
自動ログイン | ○ | ○ | ○ (11.8 以降) |
手動ログイン | ○ | × | × |
jabber-config.xml
xml 形式のファイルをUnified CM にアップロードし、Jabber 初期ログイン時にそれを読み込んでDirectory 接続を行う方法です。
設定によって機能をカスタマイズすることが可能です。
ここでは Directory 接続に必要最低限のパラメータのみ記載します。
機能のカスタマイズについては下記Cisco.comのドキュメントを参照してください。
Parameters Reference Guide for Cisco Jabber 11.8 - Directory Integration
下記のように.xml の拡張子を持ったファイルを作成します。
Jabberが読み込むファイルをクライアント毎に変更することも可能です。デフォルトで読み込ませる場合のファイル名は必ず jabber-config.xml にしてください。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<config version="1.0">
<Directory>
<PrimaryServerName>192.168.98.1</PrimaryServerName>
<ServerPort1>3268</ServerPort1>
<SearchBase1>ou=tac,dc=ucapp,dc=cisco,dc=com</SearchBase1>
<ConnectionUsername>Administrator</ConnectionUsername>
<ConnectionPassword>Password</ConnectionPassword>
</Directory>
</config>
上記は一例です。各パラメータは環境に合わせて変更してください。
次に、作成した jabber-config.xml をUnified CMにアップロードします。
アップロードは OS Admin の TFTP File Management から行います。
Browse でファイルを選択し、Directory は空欄で Upload File を選択してください。
その後、ServiceabilityよりTFTP サービスを再起動してください。
(クラスタを組んでいる場合、全てのノードのTFTP再起動が必要です)
もしクライアントによって読み込ませるファイルを変更したい場合は、Unified CM Adminにログイン後、Device > Phone で該当の Device を選択し、Cisco Support Field に configurationfile=<読み込ませたいファイル名> を入力し、保存します。
(上の画像は jabber-config-CDI.xml というファイルを設定している例です)
Service Profile
Jabber が他システムと連携する際に必要な Unified CM 上の設定です。
まず最初にUnified CM にログインし、CM Admin > User Management > User Settings > UC Service でAdd New を選択してください。
Directory を追加します。必要最低限の設定例を下の画像に示します。
なお、Directory 接続で使用できる Port は下記の4つです。
- 389 (LDAP)
- 3268 (Global Catalog)
- 636 (LDAPS)
- 3269 (Secure Global Catalog)
次に、作成した Directory をService Profileに設定します。
CM Admin > User Management > User Settings > Service Profile に設定を行っていきます。
下図は設定例です。
Directory Server Discovery
Jabber 11.8 以降から実装された、DNS SRV を用いた接続方法です。
動作の詳細は下記ドキュメントを参照してください。
Planning Guide for Cisco Jabber 11.8 - Contact Source
現在の検証環境では、Windows Server 2008 R2 を DNS サーバとして使用していますので、その設定例を下図に示します。
Jabber がログインで使用するドメインの_tcp 配下に、_gc という SRV レコードを作成します。
優先順位や重さは設計によりご自由に設定してください。
(LDAP 接続の場合、サービスは _ldap 、ポート番号は389 となります)
設定方法は以上となります。
Service Profile と Directory Server Discovery は機能のカスタマイズはできないので、これらはContact Source の接続のみで使用し、機能のカスタマイズを jabber-config.xml にて行っていただくことを推奨します。
Reference:
Planning Guide for Cisco Jabber 11.8 - Contact Source
Parameters Reference Guide for Cisco Jabber 11.8 - Directory Integration
On-Premises Deployment for Cisco Jabber 11.8 - Contact Source