2019-07-04 01:01 PM
2019年6月に新しい Cisco Webex Devices ファームウェア CE9.8.0 がリリースされました。CE 9.7.x との差分をリリースノートを元に解説します。
(参考情報)
CE9.8.0 から Cisco Webex Board (55/55S,70/70S,85S) を他の Room デバイスと同様にオンプレミスで利用できるようになりました。 Cisco Unified CM/VCS/Expressway と Cisco TMS のほか、H.323/SIP でのスタンドアロンでも動作します。ホワイトボード機能はローカルのみのホワイトボードとしてのみ動作し、通話中はグレーアウトされます。
重要: Cisco Webex Board をオンプレミス展開として利用する場合、オンプレミス用に指定された CE 9.8.0 以降のバージョン (cisco.com からダウンロード可能) を利用する必要があります。 Cisco TAC はサポートするバージョンと有効なコントラクトでサポートを提供します。なお、オンプレミスのWebex Board は Webex 登録時の Webex Board 程の機能を提供しません。例えば、 Cisco Webex Teams スペースを開く機能やペアリング機能はクラウド展開のみとなります。
cisco.com ダウンロードページに移動し、Cisco Webex Board モデルを選択します。最新バージョンが推奨となります。Cisco Webex に登録したデバイスであればファクトリーリセットをする必要があります。タッチスクリーンに指を置いた状態で、3回ホームボタンをタップします。 Technical Support スクリーンから "Factory Reset" を最下部左側から選択します。
デバイスがリセットすると Welcome スクリーンとなります。 https://<device-IP> に実際のIP Address に device-IP を置き換えアクセスします。ログイン username は admin、 password は 空白 となります。
"Maitenance > Software Upgrade" で先ほどダウンロードしたソフトウェアを使ってアップグレードします。アップグレードに成功すると再度 "Welcome" 画面が表示されるので指示に従ってデバイスを登録します。
Unified CM のデバイスパックや最新の TMS バージョンが必要なケースがあります。テーブルを参照してください。
サービス | 最小バージョン | 注意 |
Cisco Unified CM | 10.5 以降 |
Cisco Webex Board に対応した Device Pack が必要 -Release 10.5(2.21175) -Release 11.5(1.17105) -Release 12.0(1.23040) -Release 12.5(1.11006) または Unified CM 12.5SU1 |
VCS/Expressway | X8.6 以降 | |
Cisco TMS | 15.9 以降 |
Cisco Webex Board オンプレミスでサポートされるのは一部の例外機能を除いて 他端末の CE9.8.0 機能と同等です。いくつかの機能は Touch 10 とペアリングしたときのみ提供されます。 次の表を参照してください。
UI 機能 | スクリーン上の UI | Touch 10 | 未サポート |
参加者の追加 (Multisite) |
○* |
||
保留・保留復帰 | ○ | ||
転送 | ○ | ||
共有ライン表示 | ○ | ||
ローカルレイアウト選択 | ○ | ||
CMS レイアウト選択 | ○ | ||
ISDN ダイヤル (ISDN Link) | ○ | ||
お気に入り保存・編集 | ○ | ||
お気に入り・履歴表示 | ○(検索のみ) | ○ | |
応答不可 |
○ | ||
呼び出し音選択(3種類) | ○ | ○ | |
In-Room Control(室内制御 UI) | ○** | ○ | |
リモート参加者の最小化 | ○ | ||
通話中の資料ローカルプレビュー | ○ | ||
資料のリモートへの共有 | ○ | ○ | |
アドホック会議 | ○ | ||
リモートカメラ制御 | ○ | ||
セルフビュー | ○*** | ○ | |
カスタム壁紙 | ○ | ||
Awake 状態のカスタムテキスト表示 | ○ | ||
ブランディング | ○ | ○ | |
入力ソースの拡張・合成 | ○ | ||
USB 入力デバイス(キーボード) | ○ | ||
通話外のローカルホワイトボードと注釈 | ○ | ||
通話中のホワイトボード機能 | ○**** | ||
ホワイトボードの電子メール保存(SMTP 設定必要) | ○ | ||
基本通話機能 | ○ | ||
拡張通話機能 | ○ |
* Multisite オプションキーのインストール必要。 Webex Board は 最大3者のリモート参加が可能
** In-Room Control パネルは Touch 10 が未接続のときのみスクリーン上に表示
*** Self-View の移動は スクリーン上でも可能。表示には Touch 10 必須
**** 通話中はホワイトボード機能が起動不可
下記の機能にはオプションキーが必要
MultiSite : 最大3者の追加が可能。音声追加機能は未サポート
RemoteMonitoring: 管理者がデバイスの入力映像をリモートモニタ可能。
この機能では、より大きなホワイトボードキャンバスが利用可能。2本以上の指で押さえてホワイトボードを移動することにより、ドローエリアを広げることが可能。また、ピンチアウト、ピンチインによる拡大・縮小も可能。
Cisco Webex Board をオンプレミスで利用するときには、 Webex Teams アプリを使ってホワイトボードをスペースに保存することができません。ホワイトボードを保存するため、SMTP サーバ設定により O365 や G-Suite を使った メールによる保存が可能です。
Web 管理画面上、"Setup > Email Settings" にある "Email Settings" ウィザードに従って設定するか xAPI を使って設定してください。 SMTP サービスの利用には有効な CA の情報が必要となりますが、クラウドで一般的に利用されるものはアップロードなしに動作します。
Webex Board の SMTP 設定や HTTPClient 機能で利用するため、事前に CA リストがインストールされています。このリストは一般的なブラウザと同様の動作をします。
なお、このリストは SMTP および HTTPClient でのみ有効です。ほかのサービスのためには引き続き手動でインストールする必要があります。
CE9.8.0 では HTTPClient 機能がより柔軟に動作するように改善されました。 GET/DELETE/PATCH 要求をサポートしました。また、事前インストールされた CA 一覧を証明書検証用に利用できるようになりました。
新しい要求サポートに加え、RESPONSE の Body をサポートしました。デバイスは最大 100 KB (100 000 バイト)を外部からマクロフレームワークで受信可能になりました。これは要求タイプには依存しませんが、 Content-Length より大きなデータになった場合には無視します。
CMS 会議の際に利用者はスムーズに他の参加者を加えることができます。 CMS 会議通話中に参加者を加えると、デバイスは CMS に Active Control のメカニズムを使って新しい参加者にダイヤルする命令を送ります。 CMS は Room デバイス上で追加された URI にダイヤルします。参加者が応答すると、CMS 会議に参加者が加わります。Active Control がデバイス上で有効であることが必要です。
Multipoint モードの設定にかかわらず CMS 会議に追加する動作となります。この機能はデフォルトで有効です。
CMS 2.4 以降と、SIP であることが必要です。 H.323 では動作しません。
auth プロトコルヘッダを使った認証をサポートしました。ヘッダは下記のようになります。
Sec-WebSocket-Protocol: auth-YWRtaW46cGFzc3dvcmQ
“YWRtaW46cGFzc3dvcmQ” は base64 での admin:password となります。ブラウザベースのクライアントではヘッダを編集できないことから、Javascript を使ってヘッダを編集します。
Example JavaScript (WebSocket module):
webSocket = new WebSocket(webSocketURL, "auth-" + btoa(username + ":" + password).replace(/[\/+=]/g, function(c){return {'+':'-','/':'_','=':''}[c]}));
DX シリーズの USB ヘッドセットサポート同様に Cisco Webex Room Kit Mini, Room Kit, Room 55 もサポートとなりました。. USB ヘッドセット, ハンドセットor USB Bluetooth ドングルを USB-A 入力に差し込むことで動作します。最大1台の USB デバイスをサポートします。秘匿性の高い会話では Cisco Headset 500 を接続して使う、などの用途が可能です。
サポート及び検証済みのデバイスは下記のリンクから参照可能です。
.
https://help.webex.com/nkiifbo/
過去のデバイスでは Webex 登録のためにデバイスの前にいる必要がありました。今回のリリースで xCommand によりリモートでのアクティベーションが可能となります。オンプレミスに登録しているたくさんのデバイスに対してリモートで Webex アクティベーションへの変更が可能です。デバイスは Webex 登録モードに自動的に切り替わります。
xCommand Webex Registration Start ActivationCode(r): <S: 16, 19> SecurityAction(r): <Harden, NoAction>
例
xCommand Webex Registration Start ActivationCode: 1234-1234-1234-1234 SecurityAction: Harden
xCommand Webex Registration Start ActivationCode: 1234123412341234 SecurityAction: Harden
注意: SecurityAction が "Harden" に設定されている場合、他のカスタマイズ設定を消去して Webex に登録します。NoAction の場合、In-Room Control や Macro といったカスタマイズ機能を残し、ローカルアカウントを削除しません。
このコマンドでは Welcome スクリーンは削除されませんが、Activation ステップは設定済のため、タイムゾーンやほかのステップは表示されます。
デバイスが登録されていないとき、 Web UI 上には "Click here to register to Webex" というリンクが表示されます。ここから、Activation Code の入力と登録が 可能です。
Room Kit Mini の USB モードが改善されました。USB ケーブルを接続しただけでは 応答不可 (Do Not Disturb) のモードにならず、通常のビデオ会議の発着信が可能です。PCアプリケーションにより Web カメラが利用され通話中となったときのみ応答不可のモードになります。
Cisco Unified Communications Manager 12.5SU1 で実装されたビデオ端末詳細設定をサポートします。
Room Kit Mini のシャッタースピードが 50 Hz であるため、一部の蛍光灯・LED ではカメラの入力にちらつきがある場合があります。
Cameras > PowerLine Frequency を 50 Hz に設定することで回避可能ですが、CE9.6/9.7 ではこの設定が動作しない不具合CSCvp16452 がありました。
CSCvp16452 Help | Feedback Havella: Visible flicker in bright rooms in 50Hz light
スタンドアロン利用時に USB 案内をオフにする方法
xconfiguration UserInterface WebcamOnlyMode: Off
がCE9.7.2 より削除されています。
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3802638
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