はじめに
IOS XE 17.3.2 以降、従来の Smart Licensing から Smart Licensing Using Policy という新しいライセンスの仕組みに変わります。本ドキュメントでは、Smart Licensing Using Policy での CUBE/SRST/CME/UCK9 ライセンス利用について説明します。
ライセンスタイプとレポートポリシー
Smart Licensing Using Policy は、デバイスのライセンス使用状況をレポートポリシーというルールに従って、CSSM (Cisco Smart Software Manager)に報告することになります。Smart Licensing Using Policy では、以下四つのライセンスタイプがあり、各ライセンスタイプに対してそれぞれのレポートポリシーが適用されます。以下は現仕様でのデフォルトポリシーになります。
永続ライセンス(Perpetual License)
365 日以内に初期レポートのアップロードが必要で、定期的なレポーティングは必要ありません。
ライセンス変更がある場合、90 日以内にレポーティングする必要があります。
Network ライセンス等が該当します。
期限付きライセンス(Subscription License)
初期レポートを含めて 90 日毎のレポーティングが必要です。
ライセンス変更がある場合、90 日以内にレポーティングする必要があります。
DNA ライセンス等が該当します。
米国輸出規制対象ライセンス(Export Controlled Licenses)
Smart Licensing Authorization Code の事前インストールが必要です。
初期レポートおよび定期的なレポーティングは必要ありません。
HSEC ライセンスが該当します。
機能制限付きライセンス(Enforced Licenses)
Smart Licensing Authorization Code の事前インストールが必要です。
初期レポートおよび定期的なレポーティングは必要ありません。
産業用スイッチの MRP Client や MRP Manage ライセンスが該当します。
(2022/08/29 追記)【重要】UCK9 ライセンスは永続ライセンスタイプとなりますが、CUBE/SRST/CME ライセンスの場合、CSCvy06132 にてライセンスタイプの変更があり、17.6.1や 17.7.1 以降のバージョンでは永続ライセンスタイプとなり、その前のバージョンでは期限付きライセンスタイプとなります。
呼制御機能の制限について(SIP サービスのみ)
UCK9/CUBE/SRST/CME の場合、レポートに対して Ack を受信する必要があり、Ack の受信ができていない場合は、SIP サービスが停止され、SIP 呼処理ができなくなります。
【注意】呼制御機能の制限は 17.3.2 と 17.3.3、17.3.4a、17.4.x、17.5.x、17.6.1a バージョンのみで発生し、その以降のバージョンでは発生しません。
SLR(Specific License Reservation)サポートについて
CUBE/SRST/CME/UCK9 に関して、Smart Licensing Using Policy が有効になっている IOS XE 17.3.2 以降で SLR 方式はサポートされていません。
既に SLR をご利用中の機器を IOS XE 17.3.2 以降にバージョンアップする場合は、アップグレードの前に Reservation Return Code にて SLR を解除頂く必要があります。
参考情報
Smart Licensing Using Policy for Cisco Enterprise Routing Platforms
CUBE Smart Licensing
Cisco Smart Licensing for Unified SRST
Cisco Smart Licensing for Unified CME
Specific License Reservation 製品インスタンスの削除(SLR Return Code)