はじめに
本ドキュメントでは、Webex Control Hub (admin.webex.com) の [分析] > [コーリング] > [Media Quality] で確認できる以下のデータについて、概要説明やグラフの読み方を記載します。
- コールレッグの音声ジッター
- コールレッグの音声パケット損失
- コールレッグの音声遅延
コールレッグとは:
- コールレッグとは、その通話に参加したユーザーの数によって、複数になる性質を持つ通話の単位です。
- たとえば、組織内の UserA が UserB に電話をかけた場合、発信側と着信側でそれぞれコールレッグがカウントされます。そのため、コール自体は 1 回ですが、その通話のコールレッグは 2 つとしてカウントされます。
設定箇所
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平均値と 90 パーセンタイルについて
平均値について:
- 平均値は、データが全体的にどの程度の値を取るかを示す指標です。
- 平均値が高い場合、データ全体が高い値に偏っている可能性があります。
- 平均値で問題となるのは、ごく少数の極端に高い値(外れ値)が平均値を押し上げることです。例えば、上位 1% が平均値を引き上げている場合などが考えられます。
90 パーセンタイルについて:
- 90 パーセンタイルとは、データを昇順に並べたとき、下位 90% のデータがその値以下、上位 10% がその値以上である点を指します。
- 例として、後述する [コールレッグの音声ジッター] にある 90 パーセンタイルのグラフの値が 20ms だった場合、「90% のコールレッグが 20ms よりジッターが小さいこと」を示しています。
- 90 パーセンタイルが高い場合、データの上位 10% が特に高い値を持ち、全体の分布を引き上げている可能性があります。
コールレッグの音声ジッター

コールレッグの音声ジッターの概要:
- コールレッグで発生した最大音声ジッターの平均値と、90 パーセンタイルを表示します。
Jitter (ジッター):
- パケットが送信先に到着するまでにかかる時間の変動です。多くの場合、ミリ秒 (ms) で測定され、パケット間の到着時間の差として計算されます。
Jitter が高い場合の音声品質への影響例:
コールレッグの音声パケット損失

コールレッグの音声パケット損失の概要:
- コールレッグで発生したパケット損失の平均値と、90 パーセンタイルを表示します。
Packet Loss (パケット損失):
- 1 つ以上のデータパケットが宛先に到達できなかった場合に発生します。これは通常、送信されたパケットの総数に対する割合として測定されます。
- Packet Loss は、ネットワークの輻輳、ハードウェアの故障、信号品質の低下などの要因によって発生することがあります。
Packet Loss が高い場合の音声品質への影響例:
コールレッグの音声遅延

コールレッグの音声遅延の概要:
- コールレッグで発生した音声遅延の平均値と、90 パーセンタイルを表示します。
Latency (遅延):
- データパケットが送信元から送信先まで移動するのにかかる時間です。多くの場合、ミリ秒 (ms) で測定され、送信元と送信先の間の距離、パケットが通過するルーターやスイッチの数、送信元と送信先の間のリンクの速度などの要因によって影響を受ける可能性があります。
Latency が高い場合の音声品質への影響例:
平均値と90パーセンタイルのグラフの読み方
平均値と 90 パーセンタイルの比較について:
- 平均値と90パーセンタイルを比較することで、より正確な状況が確認できることがあります。以下にその例を記載します。
平均値と90パーセンタイルの両方が高い場合:
- データ全体と上位層が高い値を示しています。
- 通話全体の品質が低下していると考えられます。
平均値と90パーセンタイルの両方が低い場合:
- データ全体と上位層が低い値を示しています。
- 通話全体の品質が高いと考えられます。
平均値が高く、90パーセンタイルが低い場合:
- 全体の 90% のデータは低い値に集中している一方で、少数の極端に高い値(外れ値)によって平均値が引き上げられている可能性があります。
平均値が低く、90パーセンタイルが高い場合:
- データ全体が低い値に集中している一方で、上位 10% のデータが極端に高い値を持つ可能性があります。
参考情報
Cloud Collaboration ポートフォリオの分析