本ドキュメントでは、Cisco Wireless IP Phone シリーズ (CP-792X) の Trace Log の取得手順について説明します。
取得方法の概要
1. HTTP(S) による GUI 経由での取得
CP-792X 内の揮発メモリ上の Trace Log を取得することが可能です。
2. Syslog Server を使用した取得
以下の 2 通りの方法で Syslog Server による Trace Log の取得が可能です。
- Remote Syslog Server に対して、Wireless LAN (以下 WLAN) 経由で転送
- Syslog Server を起動した PC に対して、USB ケーブル経由転送
(*) Module Trace Level のカスタマイズが必要な場合は GUI にて設定を行います。
取得方法の詳細
1. 事前設定
Cisco Unified CM Administration GUI の Device Configuration にて、対象 IP Phone に対して以下の2項目を設定します。
- Web Access を Full に設定
- Admin Password を設定 (未設定時は "Cisco")
2. CP-792x に HTTP(S) 経由で GUI アクセスしログイン
アカウント : admin
パスワード : 1 で設定したパスワード
3. Trace Settings の変更
TRACE SETTINGS メニュー内で設定変更を行います。
(*1) にて、Trace Log の保存容量の拡張が可能です。上限は以下の通りです。
Number of Files : 10
File Size : 250 Kilo Bytes
(*2) にて、Remote Syslog Server を設定し、Trace Log を WLAN 経由で、Syslog Server に転送することが可能です。
ただし、Trace Log 転送のトラフィックにより、WLAN の帯域が圧迫され、音声品質への影響が生じる場合があります。
(*3) にて、調査対象の問題に応じた Module Trace Level の設定が可能です。
Default は全て Error Level です。
Emergency, Alert, Critical, Error, Warning, Notice, Info, Debug と複数 Level が選択可能ですが、調査の際には、最も出力量の多い Debug Level に設定して下さい。
ただし、Trace Level の変更によって、CP-792X のパフォーマンスへの影響が生じる場合があります。
(*4) の Preserve Logs は、お客様環境では False のままで使用して下さい。
True の場合、Trace Log を Flash RAM へ書き込む設定となり、CPU 負荷が高騰し、CP-792X の動作に影響が生じる場合があります。
4. USB ケーブル経由で取得する場合の設定
4-1. Syslog Server を起動した PC へ USB ドライバをインストール
CCO の Download Software のページより取得して、PC へインストールしてください。
2013/4/22 現在の最新のドライバは以下です。
(*) CP-792X のファームウェアバージョン 1.4(4) 以降でのみ、Windows 7 が使用可能であるため、1.4(3) 以前では Windows XP を使用して下さい。
4-2. PC と CP-792X を USB ケーブルで接続
4-3. USB インターフェースに Syslog 転送用のネットワークを作成
USB SETTINGS メニューで、この作成されたネットワークインターフェースの IP Address / Subnet Mask を設定します。
(*) 初期値は 192.168.1.100 / 255.255.255.0
自動で追加された 『ローカルエリア接続X』 に同一ネットワークの IP Address を設定します。
4-5. Remote Syslog Server として PC の IP Address を設定
3 の (*2) の Remote Syslog Server に 4-4 で設定した PC の IP Address を設定します。
5. Trace Log の取得
調査対象の問題を発生させた後に、Trace Log を保存して下さい。
- Syslog Server を使用した場合、転送された Trace Log を保存
- Syslog Server を使用しない場合、以下の手順で IP Phone の GUI から揮発メモリ内の Trace Log を保存
TRACE LOGS メニューの Download Logs をクリックして保存して下さい。
Appendix
Module Trace の各項目によって取得が可能なログの概要を紹介します。
Module Trace 名 | Summary |
---|
Kernel | Operating System data |
Wireless LAN Driver | Channel scanning, roaming, and authentication |
Wireless LAN Manager | WLAN Management, QoS |
Configuration | Phone configuration, firmware upgrade |
Call Control | Cisco Unified Communications Manager messaging (SCCP) |
Network Services | DHCP, TFTP, CDP, WWW, Syslog |
Security Subsystem | Application level security data |
User Interface | Key strokes, softkeys, MMI data |
Audio System | RTP, SRTP, RTCP, DSP data |
System | Event Manager |
Java | Java MIDP |
Bluetooth | Bluetooth |