はじめに
NCS5500 シリーズルータおよび NCS540/560 シリーズルータにおいて GRE Tunnel の tunnel mode の設定によって動作や制約が変化します。
この記事では tunnel mode の設定によってどのような違いが生じるかを記載します。
tunnel mode gre ipv4
以下のように tunnel mode gre ipv4 を設定した際の動作について説明します。
interface tunnel-ip <>
ipv4 address 10.1.1.1 255.255.255.0
tunnel mode gre ipv4
tunnel source 192.168.1.1
tunnel destination 192.168.2.1
こちらの設定では NPU で内部的にパケットの recycling が行われ、 1 回目の処理では外部の IP ヘッダや GRE ヘッダを付与し、 2 回目の処理で外部 IP ヘッダの宛先 IP アドレスを元に転送を行います。
内部的に 2 周 NPU の処理を行うため、 物理インターフェースの Line Rate 通りの転送を行うことはできません。
その代わりに Tunnel インターフェースでの QoS. uRPF, MTU の設定や GRE over MPLS に対応しています。
tunnel mode gre ipv4 encap
以下のように tunnel mode gre ipv4 encap を設定した際の動作について説明します。
interface tunnel-ip <>
ipv4 address 10.1.1.1 255.255.255.0
tunnel mode gre ipv4 encap
tunnel source 192.168.1.1
tunnel destination 192.168.2.1
こちらの設定では内部的な recycling は行われず、 1 度の処理で encapsulation と転送が行われます。
Line Rate 通りのトラフィック量を転送できますが、 tunnel mode gre ipv4 設定の場合に使用できた、
Tunnel インターフェースでの QoS. uRPF, MTU の設定や GRE over MPLS は利用できません。
最後に
それぞれの設定にメリット・デメリットがありますので、ネットワークの要件に合わせて使い分けてください。
その他の制約についてはお使いの IOS-XR デバイス、バージョンの Configuration Guides の Configuring GRE Tunnels のチャプターをご参照ください。
参考情報