はじめに
予期せぬトラブルによりルータが起動しなくなった場合やログインパスワードを忘れた場合には、
下記どれかの方法により Disaster Recovery を行う必要があります。
本ドキュメントでは、上記 iPXE ブートを使った Disaster Recovery 方法について、
ZTP (Zero Touch Provisioning) を利用した初期 Configuration の自動適用の一例も含めて紹介します。
なお、本ドキュメントの Disaster Recovery 方法は NCS-5000 及び NCS-540 シリーズルータでも共通の方法となっています。
事前準備
- MgmtEth インタフェースが Management ネットワークに接続されていること
- Management ネットワークからアクセス可能な HTTP サーバ上に ISO イメージ (ncs5500-mini-x-<release>.iso) が配置されていること
- Management ネットワーク上に DHCP サーバが設定されている、もしくは DHCP リレーエージェント経由で DHCP サーバにアクセスできること
DHCP サーバの設定
DHCP サーバとして CentOS7 ISC-DHCP を使用した際の設定例となります。
# yum install dhcp
# systemctl enable dhcpd
# systemctl start dhcpd
/etc/dhcp/dhcpd.conf 設定を以下の例のように編集します。
subnet 10.75.49.0 netmask 255.255.255.0 {
option subnet-mask 255.255.255.0;
option routers 10.75.49.1;
deny unknown-clients;
}
host NCS5504-B {
hardware ethernet <NC55-RP0-MAC-Address>;
fixed-address 10.75.49.110;
if exists user-class {
if substring(option user-class, 0, 4) = "iPXE" {
# Image request, so give ISO image.
filename "http://10.75.49.254/IOX652/ncs5500-mini-x-6.5.2.iso";
} elsif option user-class = "exr-config" or option user-class = "xr-config" {
# Auto-provision request, so give script or config.
filename "http://10.75.49.254/IOX/NCS5504-B.cfg";
}
}
}
(*) IOS-XR バージョンによっては iPXE ブートによる起動時に Config を取得する際、User Class Information (Option 77) に "exr-config" ではなく "xr-config" を設定する場合があるため、上記例では両方に対応した書式になっています。
DHCP 設定を編集した際は DHCP サービスをリスタートする。
# systemctl restart dhcpd
iPXE ブートによるインストール方法
iPXE シェルの起動
- NCS-5500 のコンソールポートに接続する
- NCS-5500 の電源をONにする
NCS-5500の電源投入後に ESC ボタンを押すことで下記 BIOS メニューが表示されます。
BIOS メニューから iPXE を選択します

また、ルータが起動している場合は、sysadmin VM 上で下記コマンドにより iPXE ブートを実施することができます。
sysadmin-vm:0_RP0# hw-module location all bootmedia network reload
上記の BIOS 経由もしくはコマンドにより iPXE ブートを起動するだけで、下記全ての作業を自動的に実施することができます。
- DHCP サーバから IPv4 アドレスを取得
- HTTP サーバから ISO ファイルをダウンロード
- ダウンロードした ISO ファイルを使って初期インストール
- HTTP サーバから Configuration ファイルをダウンロード
- ダウンロードした初期 Configuration ファイルを適用
参考情報