Upstream bonding Group 上でトラフィックの偏りについて説明します。
Upstream Bonding Group を設定すると、特定の US Channel 上でのトラフィックの偏りが発生する場合があります。
これを解消するためのコマンドが、cable upstream balance-scheduling となりますが、このコマンドは、1つの MAC Domain に1つの Bonding Group しか設定できないという制限があります。
では、複数の MAC Domain を設定していた場合にはどうなるかというと、ある程度解消されることもあるのですが、この Load Balance の仕組みについて詳細を説明します。
まず、下記のように、1つの MAC Domain に1つの Bonding Group を設定している場合です。
[設定]
interface Cable7/0/1
downstream Integrated-Cable 7/0/1 rf-channel 0-4
upstream 0 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 0
upstream 1 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 1
upstream 2 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 2
upstream 3 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 3
cable upstream bonding-group 1
upstream 0
upstream 1
upstream 2
upstream 3
attributes 80000000
このとき、uBR/cBR から送られる MAP 情報は、下記の用になります。
U0 -> U1 -> U2 -> U3
US0 から始まるものとなっており、トラフィックは毎回 U0 から順に使用可能なチャネルを使用するような動作となります。このため、BG1 では US0 が最も優先的に使用されるチャネルとなります。
ここで、cable upstream balance-scheduling を設定した場合は、MAP の情報は、タイムスロットによってローテーションされるようになります。
T1: U0 -> U1 -> U2 -> U3
T2: U1 -> U2 -> U3 -> U0
T3: U2 -> U3 -> U0 -> U1
T4: U3 -> U0 -> U1 -> U2
T5: U0 -> U1 -> U2 -> U3
よって、全ての US Channel が均等に使用されるようになります。
では、Bonding Group を2つ設定していた場合の動作です。
BG は、下記の様な設定を行っており、cable upstream balance-scheduling も設定したとします。
[設定]
interface Cable7/0/1
downstream Integrated-Cable 7/0/1 rf-channel 0-7
upstream 0 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 0
upstream 1 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 1
upstream 2 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 2
upstream 3 Upstream-Cable 7/0/4 us-channel 3
upstream 4 Upstream-Cable 7/0/5 us-channel 0
upstream 5 Upstream-Cable 7/0/5 us-channel 1
upstream 6 Upstream-Cable 7/0/5 us-channel 2
upstream 7 Upstream-Cable 7/0/5 us-channel 3
cable upstream bonding-group 1
upstream 0
upstream 1
upstream 2
upstream 3
attributes 80000000
cable upstream bonding-group 2
upstream 4
upstream 5
upstream 6
upstream 7
attributes 80000000
このとき、uBR/cBR から送られる MAP 情報は、下記の様になります。
T1: U0 -> U1 -> U2 -> U3 -> U4 -> U5 -> U6 -> U7
T2: U1 -> U2 -> U3 -> U4 -> U5 -> U6 -> U7 -> U0
T3: U2 -> U3 -> U4 -> U5 -> U6 -> U7 -> U0 -> U1
T4: U3 -> U4 -> U5 -> U6 -> U7 -> U0 -> U1 -> U2
T5: U4 -> U5 -> U6 -> U7 -> U0 -> U1 -> U2 -> U3
T6: U5 -> U6 -> U7 -> U0 -> U1 -> U2 -> U3 -> U4
T7: U6 -> U7 -> U0 -> U1 -> U2 -> U3 -> U4 -> U5
T8: U7 -> U0 -> U1 -> U2 -> U3 -> U4 -> U5 -> U6
BG2 を見た場合、使用できる US Channel は、US4-7 となるので、薄い色のチャネルは使用できず、赤で示した US4 は最も優先的に使用されることを示しております。
結果として、5/8 の割合で US4 が最も優先的に使用され、残りのタイムスロットではロードバランスが行われます。つまり、常に US4 が使用される状況よりは、少し負荷が分散されることになります。
この動作は、将来変更される可能性がございますので、CCO 上のドキュメントをご確認下さい。