2025年1月24日 (初版)
| TAC SR Collection |
| 主な問題 |
ASR 9000 シリーズルータで CLI コマンド実行時に "Read-only file system" と表示され、コマンド実行に失敗する問題が報告されています。
eXR が動作するルータでは、SSD や HDD 等のストレージデバイス上のファイルシステムでエラーを検出した際、
ファイルシステムの破損を防ぐ為に Read-only(読み取り専用)モードでストレージデバイスを再マウントします。
※エラーの発生原因によっては、書き込みも不可能になります。
ファイルシステムが Read-only モードに移行した場合、様々な問題が発生します。
一般的な症状としては、XR VM/sysadmin VM で CLI コマンドの一部もしくは全て、Sysadmin VM への移動が実行できなくなる場合があります。
問題発生時の実行例:
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#show tech
start_backing_thread:bind: Read-only file system
start_backing_thread:bind: Read-only file system
start_backing_thread:bind: Read-only file system
start_backing_thread:bind: Read-only file system
<snip>
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#admin
start_backing_thread:bind: Read-only file system
start_backing_thread:bind: Read-only file system
admin_user_xxxxxx@192.0.4.1's password:
RP/0/RP0/CPU0:ASR9K#
|
| 原因 |
この問題は CSCwc10318(Kernel の修正) 及び CSCwk94126(機種固有の修正) にて報告されています。
修正後は、ファイルシステムの異常を検知した際の動作が変更され、Read-only モードで再マウントではなく、
該当モジュールを再起動にて復旧を試みる動作に変更されました。
CSCwc10318: IOS-XR 64bit: SSD read-only file system
CSCwk94126: SSD read-only file system - recovery with kernal panic - Infra side
|
| 解決策 |
この問題の解決には CSCwc10318 及び CSCwk94126 の修正されたバージョンを使用する必要があります。
ファイルシステムを Read-only モードから回復するためには、該当 RP の再起動が必要ですが、問題の発生中は、
筐体や RP の再起動コマンドが機能しない場合があります。
その際は、手動で電源 Off/On もしくは該当 RP の抜き差しをする必要があります。
電源 Off/On 後も復旧しない場合は、SSD/HDD の物理故障の可能性が高いため、交換にて対応してください。
Read-only モードに移行した RP の特定方法は以下の2通りです。
- XR VM でコマンドが実行できない場合は、Active XR VM が動作する RP が被疑
- show logging コマンドで syslog を確認
※被疑 RP から "Read-only file system" メッセージが出力されますが、SYSLOG Server には送信されないメッセージである為、
デバイスにログインして確認する必要があります。
show logging 出力例:
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#show logging
RP/0/RSP0/CPU0:Dec 10 10:12:52.383 AST: syslog_dev[117]: syslog_infra_hm[435] PID-15259: start_backing_thread:bind: Read-only file system
RP/0/RSP0/CPU0:Dec 10 10:12:58.245 AST: syslog_dev[117]: ssh_server[1321] PID-15262: start_backing_thread:bind: Read-only file system
RP/0/RSP0/CPU0:Dec 10 10:13:05.999 AST: syslog_dev[117]: ssh_server[1321] PID-15298: start_backing_thread:bind: Read-only file system
RP/0/RSP0/CPU0:Dec 10 10:14:53.706 AST: syslog_dev[117]: plat_sl_client[132] PID-15443: start_backing_thread:bind: Read-only file system
syslog_dev[xxx]: ntpd[xxx] PID-xxxxx: start_backing_thread:bind: Read-only file system の syslog の先頭部分から、このメッセージを出力している RP を特定します。
上記の例の場合は、RP0 が Read-only モードと判断できます。
|
備考
本不具合は、Bug Search Tool でも確認できます。
各製品の TAC SR Collection の一覧は、よくある質問と解決方法 (TAC SR Collection) から確認できます。
