はじめに
ESA のアンチスパムサービスでは稀に正常なメールを誤ってスパムメールとして判定してしまうことがございます。
スパムメールと誤って扱われることを避けるために特定の条件のメッセージに関してアンチスパムサービスのチェックをスキップさせるといった設定が可能です。
この資料ではアンチスパムのチェックをスキップさせる設定を紹介します。
設定の紹介
ESA上でのアンチスパムのチェックをスキップさせる以下の4種類の方法がございます。
1. セーフリスト・ブロックリスト(SLBL) の利用
2. メールポリシーによるスキップ
3. HAT(送信者グループ)によるスキップ
4. メッセージフィルタを利用したスキップ
以下、それぞれの設定について紹介します。
1. セーフリスト・ブロックリスト (SLBL) を利用する
セーフリスト・ブロックリスト (SLBL) はスパム隔離機能を利用している際に利用できる管理者またはメールユーザによって編集可能なアンチスパムスキャンの除外リストです。
メールアドレスを元に特定の送信者アドレスからのメール、または特定の送信者アドレスと受信者アドレスの組み合わせでアンチスパム判定を自動的に正常メールまたはスパムメール扱いとすることが可能です。
SLBL はリストの編集のみでESAの基本的なポリシー設定の変更は必要ないこと、エンドユーザに対するスパム隔離機能を提供している場合はユーザが自身のメールアドレスに対してのリスト編集が可能なことが挙げられます。
SLBL に関してはユーザガイドの「スパム隔離」の章、「セーフリストおよびブロックリストを使用した送信者に基づく電子メール配信の制御」をご参照ください。
2. メールポリシーによるスキップ
アンチスパム機能の検出時の詳細動作などはメールポリシーで設定します。
メールポリシーの送信者アドレス・受信者アドレスを元にポリシーを用意できますが、作成したポリシーでの「アンチスパム」機能を「無効」にすればそのメールポリシーを利用するメッセージに対してはアンチスパムの適応は行われません。
管理者がメールアドレスのドメイン単位などで指定することが可能です。
メールポリシーに関してはユーザガイドの「メール ポリシー」の章をご参照ください。
3. HAT(送信者グループ)によるスキップ
メールの送信元ホストに関する情報を元にしたHATのポリシーでもアンチスパム機能の適応の除外を行うことができます。
HATで利用するメールフローポリシーの「セキュリティサービス:スパム検出」という設定を「オフ」にすることでこのメールフローポリシーに該当したメールはアンチスパムがスキップされます。
ESAへメールを送ってきた送信元ホスト情報や Senderbase の評価値を条件にすることができます。
設定の詳細についてはユーザガイドの「ホスト アクセス テーブルを使用した接続を許可するホストの定義」の章をご参照ください。
4. メッセージフィルタを利用したスキップ
メッセージフィルタには "skip-spamcheck" というアクションが用意されており、フィルターの条件に当てはまるメッセージのみアンチスパム機能の適応の除外を行うことができます。
特定のメールヘッダーを持つメール、などの細かな条件を利用して除外することが可能です。
設定の詳細についてはユーザガイドの「メッセージ フィルタを使用した電子メール ポリシーの適用」の章をご参照ください。
以上