※ 2019 年 6 月 6 日現在の情報をもとに作成しています
1. はじめに
Umbrella における IPv6 の対応状況については、これまでいくつかのサポート記事で触れられてきました。本記事では、これらの情報を一度整理したいと思います。
2. IPv4 用の DNS サーバーについて
従来から利用されている IPv4 用の Umbrella の DNS サーバー (208.67.222.222/208.67.220.220) でも、AAAA のレスポンスとして IPv6 アドレスを返します。以下は dig コマンドの出力例 (一部抜粋) です。
;; QUESTION SECTION:
;cisco.com. IN AAAA
;; ANSWER SECTION:
cisco.com. 849 IN AAAA 2001:420:1101:1::185
なお、AAAA のリクエストの判定がグレーまたは黒だった場合、以下のようにレスポンスとして IPv4 射影アドレス (IPv4-Mapped IPv6 Address) を返します。
- 判定がグレーの場合に返る Intelligent Proxy サーバーの IP アドレス
;; QUESTION SECTION:
;proxy.opendnstest.com. IN AAAA
;; ANSWER SECTION:
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.213
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.204
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.203
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.205
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.220
proxy.opendnstest.com. 5 IN AAAA ::ffff:146.112.237.215
- 判定が黒の場合に返るブロック ページ用のサーバーの IP アドレス
;; QUESTION SECTION:
;internetbadguys.com. IN AAAA
;; ANSWER SECTION:
internetbadguys.com. 0 IN AAAA ::ffff:146.112.61.108
3. IPv6 用の DNS サーバーについて
2018 年に Umbrella のセキュリティ機能に対応した IPv6 用の DNS サーバー (2620:119:35::35、2620:119:53::53) が導入されました。こちらを利用すると、IPv6 ネットワーク上でも前項と同様の結果が得られます。
なお、セキュリティ機能のない IPv6 用の DNS サーバー (2620:0:ccc::2、2620:0:ccd::2) も引き続き利用可能ですが、いずれ利用できなくなる予定です。
Does Umbrella Provide IPv6 DNS Services?
https://support.umbrella.com/hc/en-us/articles/230563727-Does-Umbrella-Provide-IPv6-DNS-Services-
4. 各種サーバーの IPv6 アドレスについて
前項の例で、Intelligent Proxy サーバーとブロック ページ用の IP アドレスとして IPv4 射影アドレスが返されました。これは、これらのサーバー用の IPv6 アドレスが用意されていないためです。現段階における IPv6 アドレスが用意されていない主な Umbrella のサーバーは以下のとおりです。
- Intelligent Proxy サーバー
- IP Layer Enforcement サーバー
- ブロック ページ用のサーバー
- Umbrella API サーバー
5. IPv4/IPv6 デュアルスタックについて
IPv4/IPv6 デュアルスタックの Windows PC において、両方にそれぞれ DNS サーバーが設定されている場合、デフォルトでは IPv6 側の DNS サーバーが優先して使われます。そのため、IPv4 側に Umbrella の DNS サーバーを設定するだけでは、Umbrella のセキュリティ機能を利用できません。必ず、IPv6 側にも設定する必要があります。
また、この環境で Roaming Client を利用している場合、Roaming Client のデフォルトの動作では、IPv4 側の DNS サーバーの設定を ループバック (127.0.0.1) へ書き換え、 DNS パケットを Umbrella に転送します。そのため、同様に Umbrella のセキュリティ機能を利用できません。
Roaming Client が IPv6 側の DNS サーバーの設定もループバック (::1) に書き換えるようにするには、Umbrella Dashboard の Deployments > Roaming Computers の設定画面で Enable IPv6 DNS Redirection (BETA) を有効にする必要があります。

※ AnyConnect Umbrella Roaming Security Module は現在非対応
Umbrella Roaming Client: IPv6 Support
https://support.umbrella.com/hc/en-us/articles/230901268-Umbrella-Roaming-Client-IPv6-Support
なお、今回紹介した Roaming Client の機能の詳細、および Network Identity の IPv6 対応については別の記事で説明しています。