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tkitahar
Cisco Employee
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2023 1 12 日現在の情報をもとに作成しています

 

1. はじめに

 

本記事では、OpenDNS Updater を使用している際に発生する IP アドレスのミスマッチに関するエラー メッセージについて説明します。

 

2. OpenDNS Updater とは

 

OpenDNS Updater とは、アイデンティティとしてネットワーク (グローバル IP アドレス) を使用している環境において、ネットワーク環境のグローバル IP アドレスが動的に変化したことを検知し、Umbrella Dashboard に登録された IP アドレスを自動的に更新するソフトウェアです。

 

※ このソフトウェアの名称は、Cisco Umbrella のフリー版ともいえる「OpenDNS」に由来しており、Cisco Umbrella でも同様に利用できます

 

以下のサポート文書からインストーラーをダウンロードすることが可能です。

 

What is the OpenDNS Dynamic IP updater client?

https://support.opendns.com/hc/en-us/articles/227987867-What-is-the-OpenDNS-Dynamic-IP-updater-client-

 

OpenDNS Updater を対象のネットワーク環境内にある PC にインストールし、起動すると、まず、OpenDNS へのサインインが求められますので、普段 Umbrella Dashboard にサインインする際に使うアカウントでサインインします。

 

そのアカウントが属する組織に、複数のネットワークが登録されている場合、「Select network」という画面が表示されますので、自動更新したいネットワークを選択します。

 

その後、OpenDNS Updater のメイン画面が表示され、自動的に IP アドレスの更新が行われますが、画面下部に何らかのエラー メッセージが赤字で表示された場合、自動更新に失敗したことを示します。

 

次項では、以下の画像のような IP アドレスのミスマッチを示すエラー メッセージが表示され、自動更新に失敗した場合の対処方法について説明します。

 

tkitahar_0-1673493921483.png

 

なお、以下の画像は Umbrella Dashboard の導入 > コアアイデンティティ > ネットワーク画面ですが、自動更新が正しく行われるには「ダイナミック」の欄にチェックが入っている必要があります。

 

tkitahar_1-1673493940304.png

 

OpenDNS Updater の詳しい使い方については、以下のサポート文書も併せて参照してください。

 

How to configure the OpenDNS Dynamic IP Updater Client?

https://support.opendns.com/hc/en-us/articles/227987807-How-to-configure-the-OpenDNS-Dynamic-IP-updater-Client-

 

3. IP アドレスのミスマッチ エラーについて

 

OpenDNS Updater の自動更新には 2 種類のグローバル IP アドレスが関わっており、これらの IP アドレスがミスマッチ (不一致) の場合、前述のエラー メッセージが表示され、自動更新に失敗します。

 

まず「DNS IP アドレス」についてですが、これは OpenDNS Updater によって調べられた現在のグローバル IP アドレスを指します。

 

グローバル IP アドレスを調べる方法にはいくつかありますが、OpenDNS Updater では myip.opendns.com という特殊なドメインの A レコードを Umbrella DNS サーバー (208.67.222.222/208.67.220.220) に対してリクエストする方法を使用します。

 

これにより、Umbrella DNS サーバーはリクエスト パケットの送信元 IP アドレスなどを確認し、レスポンスとして現在のグローバル IP アドレスを OpenDNS Updater に返します。

 

※ Umbrella 以外の DNS サーバーに同様のリクエストを送っても、同じようなレスポンスは得られません

 

一方で、「HTTP IP アドレス」についてですが、OpenDNS Updater は、前述の方法でグローバル IP アドレスを調べた後、updates.opendns.com というクラウド上の Umbrella API サーバーに対して、グローバル IP アドレスの更新内容を送信しますが、この API サーバーが受け取った時の HTTP/S リクエストの送信元 IP アドレスを指します。

 

通常であれば、DNS リクエストも HTTP/S リクエストも同一のネットワーク (グローバル IP アドレス) から送られるものであり、OpenDNS Updater もそれを前提に実装されています。

 

そのため、IP アドレスがミスマッチの場合は、何らかの不正利用をしているものとみなし、自動更新に失敗します。

 

この事象が発生する一番の原因として、HTTP/S 通信に何らかのプロキシ サーバー (オンプレミス、クラウド、透過、非透過問わず) を使用していることが挙げられます。

 

もし、プロキシ サーバーが別のネットワーク上 (別のグローバル IP アドレス) に構築されており、OpenDNS Updater の HTTP/S リクエストがプロキシ サーバー経由で API サーバーへ送られている場合、IP アドレスのミスマッチが発生します。

 

そのため、本事象の対処方法としては、updates.opendns.com への TCP 80/443 通信は、プロキシ サーバーを経由しないように設定することになります。

 

また、同一ネットワーク内にプロキシ サーバーを使用していない PC が存在するのであれば、そちらに OpenDNS Updater をインストールすることでも対処可能です。

 

4. ネットワーク トンネル使用時について

 

組織内のトラフィックをネットワークトンネルを通して Umbrella へ送信する設定をしている場合、OpenDNS Updater をインストールしている PC がプロキシ サーバーを利用していなくても、当該のエラー メッセージが表示される場合があります。

 

これは、前述の HTTP/S 通信がネットワークトンネルを経由して Umbrella 側に送られた際、Umbrella のクラウド環境内で送信元 IP アドレスが NAT 変換されるためです。

 

※ グローバル IP を調べる DNS リクエストに関しては、Umbrella 側で NAT 変換されたとしても、組織のグローバル IP アドレスを返す仕組みが用意されています

 

そのため、このような環境における対処方法としては、ネットワークトンネルを形成する組織側のネットワーク機器で、ユーザーから送られてきた updates.opendns.com への TCP 80/443 通信がトンネルを経由しない (つまり直接アクセスする) ように設定することになります。

 

また、同一ネットワーク内にネットワークトンネルを使用していない PC が存在するのであれば、そちらに OpenDNS Updater をインストールすることでも対処可能です。

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