※ 2022 年 4 月 4 日現在の情報をもとに作成しています
1. はじめに
Windows PC に Roaming Client をインストールすると、Roaming Client に必要なファイルが 2 箇所のフォルダーに分かれて格納されます。本記事では、まずそれらのフォルダーについて紹介し、それぞれの中に格納される主なファイルについて解説します。
2. 2 つのフォルダー
Windows PC に Roaming Client をインストールすると、まず以下の 2 つのフォルダーが作られ、それぞれの中に必要なファイルが格納されます。
- C:\Program Files (x86)\OpenDNS\Umbrella Roaming Client
- C:\ProgramData\OpenDNS\ERC
※ デフォルト パスの場合
このうちの前者には、書き込み権限がより厳格に設定されており、Roaming Client の実行ファイルや DLL など、基本的にインストール後に変更がほとんど必要ないファイルが格納されます。
一方、後者には、ログ ファイルや設定ファイルなど、基本的にインストール後に変更が行われる可能性の高いファイルが格納されます。
次項からそれぞれのフォルダーに格納される主なファイルについて説明します。
3. Program Files (x86) フォルダー
Program Files (x86) フォルダーに格納される主なファイルは以下のとおりです。
dnscrypt-proxy.exe | DNS クエリーの送信や暗号化などを受け持つ実行ファイル |
ERCInterface.exe | タスクトレイにある Roaming Client のアイコンをクリックしたときに表示される小画面の実体 |
ERCService.exe | Umbrella Roaming Client サービスの実体 |
GetNetStats.bat | UmbrellaDiagnostic.exe が使用するバッチ ファイル |
RemoveOpenDNSBFEFilters.exe | Windows の BFE (Base Filtering Engine) サービスとの互換性のために内部的に使用される実行ファイル |
UmbrellaDiagnostic.exe | トラブルシューティング用の実行ファイル |
*.config | 各実行ファイル (*.exe) に紐づく .NET Framework の設定ファイル。.NET Framework のバージョン互換性の設定を含む |
*.dll | 実行ファイルが使用する動的リンク ライブラリ |
*.pem | クラウド側のサーバーへアクセスする際に使われる証明書 |
Roaming Client はインストール時に Windows サービス「Umbrella Roaming Client」として登録され、このサービスを通して、表内の各種実行ファイルが使われます。そのため、これらの実行ファイルを直接ダブルクリックするなどして起動する必要はなく、不必要に実行するとトラブルが発生してしまう可能性があります。
なお、UmbrellaDiagnostic.exe に関してはトラブルシューティングの際に手動で起動して使うことが可能ですが、通常であれば、小画面内の一番下にある「Run Diagnositc Tool」というリンクから起動します。
4. ProgramData フォルダー
ProgramData フォルダーに格納される主なファイルは以下のとおりです。
client_routes.conf rasphone.pbk | これらのファイルは IP Layer Enforcement に関するもので、IP Layer Enforcement が有効になった際に自動的に作られる |
Config.json | Roaming Client に一意に割り振られている「Device ID」などの値が記録されたファイル |
manifest.json | クラウド側から送られてくる Roaming Client の最新バージョン情報が記録されるファイル。なお、Roaming Client のアップグレードは自動的に行われ、アップグレード時の一時保存用として Upgrades フォルダーが使用される (普段は空) |
OpenDNS_ERC_Service.log | ERCService.exe が出力したログを記録するためのファイル。ログ ファイルは最大 3 世代保持される。Roaming Client が行うほぼすべての処理が記録されており、トラブルシューティングで特に役に立つ |
OpenDNS_ERC_UI.log | ERCInterface.exe が出力したログを記録するためのファイル。トラブルシューティングで役に立つ機会はそれほど多くない |
OrgInfo.json | Roaming Client をインストールした時に指定したパラメーターなどが記録されているファイル。この中には自組織を一意に識別する organizationId などのパラメーターが含まれている。非常に重要なファイルであり、このファイルがないと Roaming Client は正常に起動しない |
proxy_allowlist4.txt proxy_allowlist6.txt allowlist.txt (古いバージョンではallowlist が whitelist になっていた) | allowlist.txt には、Umbrella Dashboard の「導入」>「設定」>「ドメイン管理」にある「内部ドメイン」に登録したドメインがリストされる。proxy_allowlist4.txt (IPv6 がある場合は場合は proxy_allowlist6.txt も) には、それに加えて、NIC に設定されている DNS サフィックスもリストされる。ドメインが内部か外部かを判断するのに実際に使われるのは後者の方である |
Resolver*-resolv.conf PersistedNicDefaults.json | Roaming Client が起動すると、全ての有効な NIC の DNS の設定がループバック (127.0.0.1 または ::1) に書き換えられる。そして、それぞれの NIC のもともとの DNS の設定が、各 Resolver*-resolv.conf ファイルに書き出される。このファイルは、Roaming Client を停止した際などに、DNS サーバーの設定を元に戻すために使われる。 一方、PersistedNicDefaults.json はそれらの情報が集められたファイルで、実際に内部ドメインの DNS リクエストがあった際の問い合わせ先情報として使われる |
RoamingProfile.json | システムが使用しているファイル (詳細は非公開) |
sync-latest.json | クラウド側から送られてくる最新の情報が記録されるファイル。主にトラブルシューティングに使う |
基本的に Roaming Client を使用する上でこれらのファイルを直接編集する必要はなく、逆に不用意に編集してしまうと、Roaming Client の動作に支障が出る可能性があります。もし、これらのファイルが破損または不足しており、Roaming Client の動作に問題が発生している場合は、Umbrella Roaming Client サービスの再起動や Roaming Client の再インストールをすることを推奨します。
5. 参考情報
以下のサポート記事には Windows 版だけではなく、macOS 版のファイルとフォルダーの情報があります。
Umbrella Roaming Client – Files and Folders
https://support.umbrella.com/hc/en-us/articles/230561127-Umbrella-Roaming-Client-Files-and-Folders