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tkitahar
Cisco Employee
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※ 2025 年 5 月 7 日現在の情報をもとに作成しています

※ Windows x64 版 Wireshark 4.4.6 を用いて記事を記載しています。動作に差異がある場合は、開発元のドキュメントに従ってください

 

1. はじめに

 

Umbrella のトラブルシューティングを行う際、問題が発生している端末の通信 (パケット) の中身を確認する必要がある場合があります。

 

本記事では、Wireshark を用いたパケットキャプチャの手順について簡単に紹介します。

 

How to: Capture Network Traffic with Wireshark

https://support.umbrella.com/hc/en-us/articles/230563547-How-to-Capture-Network-Traffic-with-Wireshark

 

2. Wireshark とは

 

Wireshark は、オープンソースのネットワーク・アナライザ・ソフトウェアで、パケットキャプチャを行うために広く用いられます。

 

以下のサイトから、Windows 版および macOS 版のインストーラーをダウンロードできます。

 

Download Wireshark

https://www.wireshark.org/download.html

 

ダウンロードしたインストーラー (exe ファイル) を実行すると、以下の画像のようなウィザードが起動します。

 

tkitahar_0-1746595962030.png

 

基本的にデフォルト設定のまま進めていくだけで、問題はなくインストールが完了します。

 

なお、パケットキャプチャを行った後、Wireshark が不要であれば、Windows の設定画面内にある「インストールされているアプリ」画面から Wireshark および付属ソフトウェアの Npcap をアンインストールできます。

 

tkitahar_1-1746595992377.png

tkitahar_2-1746595999956.png

 

3. 準備と計画

 

問題が発生している端末でパケットキャプチャを行う前に、以下の点について確認してください。

 

  • 問題を再現する上で不要なアプリケーションをすべて閉じる
  • 問題を再現する上で不要なネットワーク (有線/無線/VPN など) を切断する
  • Web ブラウザ上で問題が発生する場合、キャッシュなどを削除する
  • DNS の問題が疑われる場合、DNS キャッシュを削除する (Windows だと ipconfig /flushdns コマンド)

 

また、少なくとも、問題が再現する場合 (NG) と再現しない場合 (OK) の 2 回パケットキャプチャを行うことを強く推奨します。以下は具体的な例になります。

 

  • 問題が発生している端末 (NG) と問題が発生していない端末 (OK)
  • 特定のネットワークに繋いでいる時に問題が発生する場合、そのネットワークに繋いでいる状態 (NG) と切断した状態 (OK)
  • Cisco Secure Client などの特定のアプリケーションが起動している時に問題が発生する場合、アプリケーションを起動している状態 (NG) と停止している状態 (OK)

 

※ Windows のサービス画面にある「Cisco Secure Client – AnyConnect VPN Agent」を停止することで Cisco Secure Client 全体を停止できます

 

4. 手順

 

Wireshark を起動すると、「Wireshark へようこそ」画面が開きます。まずは、画面上部のメニューから「編集」>「設定」を選択します。

 

tkitahar_3-1746596030716.png

 

設定画面が開きますので、キャプチャしたデータに名前解決を適用する設定をオフにします。この設定は、特定のドメインの通信を探すのに有用ですが、Umbrella の DNS セキュリティ機能のトラブルシューティングを複雑化させてしまう場合があります。

 

具体的には「Name Resolution」欄の「Use captured DNS packet data for name resolution」および「Use your system’s DNS settings for name resolution」のチェックを外し、「OK」をクリックします。

 

tkitahar_4-1746596054222.png

 

次に、「キャプチャ」の欄の中から問題が発生しているネットワークを選択します。

 

※ ネットワーク名の右側にある波は、現在トラフィックが発生していることを示しています。ネットワークを選択する際の目安にしてください

 

複数のネットワークが関連している場合は、Ctrl キーを押しながらクリックすると、複数選択が可能です。

 

また、端末に Cisco Secure Client がインストールされている場合、DNS および Web 通信が内部的にループバックされていますので、その動作も把握するために「Adapter for loopback traffic capture」も選択してください。

 

以下の画像は、2 つのネットワークとループバックを選択した状態になります。

 

tkitahar_5-1746596096476.png

 

この状態で、選択された青い部分を右クリックし、「キャプチャ開始」を選択します。

 

tkitahar_6-1746596111897.png

 

端末で生成された通信のログが画面に記録されていきますので、この状態のまま問題を再現します。この際、再現を行った正確な時刻をメモしておいてください

 

再現を終えたら、画面上部の赤い■をクリックし、パケットキャプチャを停止します。

 

tkitahar_7-1746596132489.png

 

もし、狙い通りにパケットキャプチャを行えなかった場合は、青いアイコンをクリックして、再度パケットを取り直すか、歯車のアイコンをクリックして、ネットワークの選択からやり直してください。

 

tkitahar_8-1746596158070.png

 

パケットキャプチャが問題なく終わったら、画面上部のメニューから「ファイル」>「保存」を選択し、識別しやすい名前を付けて pcapng 形式で保存します。この際、ファイル名に再現を行った時刻を含めておくと、その後の調査に役立ちます。

 

tkitahar_9-1746596173644.png

 

最後に、取得したファイルをサポートエンジニアに提供してください。

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