ACI におけるテナント
スイッチを APIC の管理下に置いた後は、その物理ネットワークの上にテナントネットワークを作成していきます。
ここで言うテナントネットワークとは、とあるお客様用のネットワーク、グループ用、システム用のネットワークに相当します。
APIC の GUI では、TENANTS というタブの下にテナントの設定を行います。テナントは複数作成できます。
テナントネットワークの構成
テナントには、1つまたは複数のVRF (Private Network) を含むことができます。
そして、VRF は1つまたは複数のBridge Domain (BD) を含みます。(Bridge Domain は1つの VRF に所属)
VRF と Bridge Domain は、これまでのネットワークのVRFとVLANのような関係性ですが Bridge Domain はVLAN とは異なります。
Bridge Domain (BD)とは
Bridge Domain (BD)は、これまでのネットワークに例えるとブロードキャストドメイン(フラッディングの範囲となるドメイン)にあたります。
これまでのネットワークでは、VLANを使用してブロードキャストドメインを分離していました。その点でも BD はVLANと似ていますが、VLANとは異なります。
異なる点は大きく以下の3つです。
- BD は、BD ごとに Unknown Unicast, ARP Flooding 等の取り扱い(Flooding するか、しないか)を指定する事ができます。
- BD は、特定の VLAN と 1対1 対応ではありません (EPG の設定 で解説します)
- BD は、複数の Subnet を含むことができます。(テナントの作成 参照)
EPG と Bridge Domain(BD)
テナントネットワークを作成したら、次はアプリケーションネットワークプロファイルを作成します。
アプリケーションネットワークプロファイルの構成要素である EPG(End Point Group) は1つの BD に所属します。
つまり、エンドポイントは特定のBDに所属することになります。
これまでのネットワークでは、エンドポイント(ホスト)は特定のVLANに所属していたかと思います。それがBDに変わっただけのようなイメージですが
VLANとBDの大きな違いは、VLAN ID が、単なるEPGに所属させる条件(識別子)の1つであるという点です。具体的にはEPG の設定 で解説します