本稿では Mixed Versions on Cisco ACI Switches、すなわち ACI Switch の Version の混在環境について解説します。
Mixed Versions on Cisco ACI Switches について
ACI においては APIC と Switch は原則としてペアとなる互換性のある Version を利用している必要があります。
例えば、APIC が 5.2(7f) であれば、Switch は 15.2(7f) を利用している必要があります。
ただ、大規模な ACI Fabric において、一度にすべての機器を Upgrade することは難しいため、複数の maintenance group に分けて Upgrade する場合あります。
こうした Upgrade の間は全ての Switch が同一の Version になっていない状態になり、ACI Fabric がサポートされない、あるいはほとんど全ての操作がサポートされていない状態になってしまいます。
これを解決するため、ACI では Version 2.2(1) から全ての Switch が同一の Version で無くとも、一部の操作がサポートされるようになりました。
更に Version 2.3(1) 以降からより多くの操作がサポートされるようになりました。
ただ、この混在環境のサポートはそうした状態で継続的に ACI Fabric を運用することを意図したものではありません。
あくまでも Upgrade などのために一時的にそうした状態を許容するだけであり、APIC と Switch の Version を一致させることは引き続き運用の基本的な原則です。
混在環境でサポートされる操作
混在環境でサポートされる動作は「Operations Allowed During Mixed Versions on Cisco ACI Switches」に詳しく記載されています。
混在環境で操作を行う場合は必ず上記に記載の内容を確認してください。
記載されていない操作についてはサポート外となります。
混在環境におけるガイドラインと制限事項
混在環境における注意事項はいくつも存在します。
例えば、下記のようなものがあります。
- 混在環境でサポートされる操作は異なる Version を利用している vPC Pair の Switch には適用されません。vPC Pair の Switch は必ず同じ Version である必要があります。
その他の事項については「Guidelines and Limitations for Mixed Versions on Cisco ACI-Mode Switches」に記載があります。
必ず内容をよく確認してください。
以上で本稿は終了となります。
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Cisco APIC Installation and ACI Upgrade and Downgrade Guide Chapter: Operations Allowed During Mixed Versions on Cisco ACI Switches