キャンセル
次の結果を表示 
次の代わりに検索 
もしかして: 
cancel
590
閲覧回数
4
いいね!
0
コメント
Natsuki Takeshi
Cisco Employee
Cisco Employee

当該記事ではACIにおけるQoSの概要について解説します。後発の記事で各QoS Policyの設定方法やDPP, Dot1p Preservation についてもご紹介予定です。バージョン 5.2(7) をベースに記載します。以前のバージョンについては こちら の記事も合わせてご参照ください。

1. ACI QoS Overview

Classification
以下の要素に従ってトラフィックを識別可能
・Contract
・EPG
・DSCP or CoS

6つのユーザクラス (Level1 – 6) に分類可能
デフォルトはLevel3 (ベストエフォート)

Marking
・QoS Class に応じて、Ingress Leafにより VXLAN Outer Header の CoS, DEI値 が設定される
・Fabric内(SpineおよびEgress Leaf)ではこの値により QoS Class を判別し、優先制御を実施
・Egress Packet に対してCoS/DSCPのリマーキングを行うことも可能

Policing
・Access Port(Leaf downlink)において、Ingress および Egress方向でPolicing可能(Data Plane Policing)
・Shaping はサポートしていない。


2. ACI QoS Process Flow

ACIにおいて、Ingress Leaf / Spine / Egress Leaf でそれぞれ以下の通りの QoS 処理が行われます。

Ingress Leaf:Classification, Marking, Buffering, Queuing, Ingress Policing
Spine:Buffering, Queuing
Egress Leaf:Buffering, Queuing, Egress Policing

 

01.png

 

3. QoS Class

ACIでは3つの予約済みClassとユーザ定義可能な6つのClassが用意されている(4.0(1)より前のバージョンではユーザ定義可能なQoS Class は3つ) ACIではこの QoS Class の 優先度、Weight に応じて優先制御が行われる。

 

分類

Traffic type

scheduling

用途

CoS
In VXLAN
Header

DEI

ユーザ
利用可能

Level 6 user data

SP or WRR  (WRR 0%)

 

2

1

Level 5 user data

SP or WRR  (WRR 0%)

 

3

1

Level 4 user data

SP or WRR  (WRR 0%)

 

5

1

Level 2 user data

SP or WRR  (WRR 20%)

 

1

0

Level 1 user data

SP or WRR  (WRR 20%)

 

2

0

Level 3 user data

(WRR 20%)

デフォルトクラス

0

0

システム
予約

APIC controller traffic

SP

APICとの送受信トラフィック

3

0

SPAN traffic

best effort

SPAN/ERSPAN用トラフィック

4

0

Control Traffic

SP

Fabric制御用(LACP, BGP, ISISなど)

5

0

Traceroute

best effort

システム正常性確認

6

0


・SP:Strict Priority(絶対優先)、WRR:Weighted Round Robin(カッコ内はデフォルト値)
・SPのキューが複数ある場合、優先度は Level3(最低優先), Level1, Level2…Level6(最優先) の順になる
・SPのキューにパケットが存在する場合は優先して処理が行われ、SPのキューが空になってからWRRキューの転送が開始されます。
・ACI内部でVXLANにカプセル化されてパケットが転送される際、Outer Header の CoS + DEI にセットされる値に従ってどのQoS Class に割り当てられたパケットかを判別する。ACIでは、DEIはパケットの廃棄可能性を示すのではなく単に QoS Class を判別するために使用されます。


QoS Class グローバル設定は Fabric > Access Policies > Policies > Global > QOS Class で行う。

02.png

 


4. QoS Classification

 どのパケットをどの QoS Class に割り当てるかは以下の3つの設定方法がある。

(1) QoS in Contract :Contractに対し設定
Filterにマッチしたパケットを特定の QoS Class に割り当てる。
特定のEPG間の通信に QoS を適用したい場合や、L4-L7 Port 番号 を指定して QoS を適用したい場合に使用。
また、特定のEPGに依らずに、L4-L7 Port番号 を指定して QoS 処理を行いたいといった場合には vzAny-to-vzAny Contract で QoS Class を設定する方法で実装することが可能。

(2) Custom QoS : EPGに対し設定
Ingress Leaf に着信したオリジナルのパケットの CoS / DSCP 値 を元に QoS を適用したい場合に使用。
Egressパケットへの CoS/DSCP 値のリマーキングを行うことも可能。

(3) EPG Default Class : EPGに対し設定
特定のEPGを送信元とするトラフィックに対して QoS を適用したい場合に使用。

この3つの QoS Policy には優先順位があり、以下の通り処理される。

flow_qos_judge.png

 

以下のように複数のQoS Policyが設定されている場合、優先度の高い順にポリシーの適用が行われます。

 

03.png

 

(1) Contract の QoS Policy に従い、Fabric全体でHTTPのトラフィックは QoS Class Level1 に割り当て
(2) Custom QoS に従い、EPG 3 に着信した DSCP:EF がセットされたパケットは QoS Class Level2 に割り当て
(3) (1), (2) のどちらにもマッチしないEPG 3 に着信した通信は EPG default Class に従って QoS Class Level3 に割り当て


各 QoS Policy の設定方法については次回の記事でご紹介します。

Getting Started

検索バーにキーワード、フレーズ、または質問を入力し、お探しのものを見つけましょう

シスコ コミュニティをいち早く使いこなしていただけるよう役立つリンクをまとめました。みなさんのジャーニーがより良いものとなるようお手伝いします