本稿では Fault の F3073 及び F3074 について解説します。
F3073 と F3074 とは
F3073 及び F3074 は ACI Fabric を構成する Switch に搭載されている SSD の Lifetime がそれぞれ 90% と 80% を超えた場合に発出される Fault です。
ACI の Leaf と Spine は SSD を搭載しており、SSD にはメーカーによって定義された Lifetime が存在します。
この Lifetime は Leaf と Spine における SSD への書き込みなどによって消耗していきます。
F3073 が発出され、実際にその SSD の Lifetime が尽きつつある場合には Leaf や Box 型の Spine の場合には筐体交換を、Chassis 型の Spine では該当 Module (例: Supervisor) を交換する必要があります。
そのまま、放置した場合には SSD が Read-only になり、Switch が Crash する可能性があります。
詳しくは「ACI Switch Node SSD Lifetime Explained」を確認してください。
注意点
ACI では Switch で SSD に対して過度な書き込みが行われる不具合が存在しています。
これについては「Field Notice: FN - 70538」が公開されています。
なお、同 Field Notice の「Workaround/Solution」には下記のような記載があります。
Software Releases 14.2(6d) and later address the referenced defects and increase efficiency of write and store operations on the SSD. Customers must upgrade to Software Release 14.2(6d) or later.
Because the fix to this issue can be resolved by an upgrade to Software Release 14.2(6d) or later, Cisco will not replace hardware impacted by this issue if the ACI fabric has not been upgraded to a recommended release.
14.2(6d) 以降では報告されている不具合が修正され、SSD への書き込み及び保存のオペレーションが効率化されており、お客様は 14.2(6d) 以降へと Upgrade する必要があります。
この問題は上記のように Upgrade により解決されるため、上記の Field Notice が存在するにも関わらず 14.2(6d) よりも前の Version を使い続けて SSD の消耗が発生したとしても、原則として交換には応じられないため、14.2(6d) 以降への Upgrade をご検討ください。
If you have an active support contract and a software upgrade to one of the recommended releases is not feasible in the short term, contact the Cisco Technical Assistance Center (TAC), and Cisco will replace the defective SSD at no cost to the customer using On Site services but will not replace the full switch.
なお、上記のように有効な保守契約があり短期的な Upgrade が困難な場合には SSD の交換対応が行える場合がございます。
具体的には下記のような条件全てを満たした場合に交換が行えます。
- 当該機材に有効な保守契約があること
- 既に当該 Fault が発出されていること
- 修正 Version 以降への Upgrade が困難である理由の開示
- TAC がログから本 FN に該当し SSD 交換が必要と判断できること
本稿は以上になります。
参考文献
