2021-10-15 03:26 PM
ACIのコントローラであるAPICは、1.1(1j)リリース以降でMicrosoftのSystem Center Virtual Machine Manager (以下、SCVMM)との連携が可能となりました。
本ページでは、1.1(2h)を前提として、連携のための構成手順の概要をご説明します。詳細については、必要に応じて構成ガイド‘(Cisco ACI Virtualization Guide)を参考にしてください。
※1.1(1x) リリースと 1.1(2x) リリースでは、SCVMM連携を構成する際に使用するインストールファイルおよび PowerShell Cmdlet などに一部違いがあります。
前提構成
本ページでは、以下の構成のSCVMMおよびHyper-V環境を前提としています。
その他、SCVMM環境に必要となるSQLやADなどは適宜構成してください。また、個別パッチ要件がある場合がありますので、最新のユーザーズガイド等を確認するようにしてください。
※Hyper-VホストとしてUCS Bシリーズを使用する場合は、ACIにおいてフォルトのInfra VLANとなっている VLAN 4093 が Fabric Interconnect によって予約されていますので、Infra VLANを変更してください。
※2015/9現在、SCVMMは英語版のWindows Server 2012 R2環境にインストールされた構成でのみ動作が確認されています。
連携の仕組み
ACIは連携の仕組みとして標準化されたNorthbound APIとSouthbound APIを備えています。そのため、SCVMM連携についても他のHypervisor連携でも使用する仕組みは共通となります。SCVMMとAPIC間の管理連携では、APIC側のREST/APIインターフェイスを使用します。また、Hyper-VホストとACIファブリックのLeafスイッチ間のホスト連携では、IETFに標準化を提案中のプロトコルであるOpFlexを使用します。
SCVMMは標準ではREST/APIのインターフェイスを持っていないため、2015/9現在の連携実装においてはSCVMMにAPIC SCVMM PluginをインストールすることによってAPICとのREST/APIを用いた連携と、SCVMMとのPowerShellを用いた連携の橋渡しを行うサービスモジュールを構成します。また、Hyper-VホストでOpFlexを使用した管理通信ができるようにするために、すべてのHyper-VホストにはAPIC Hyper-V Agentをインストールします。
このように、ACIのSCVMM連携では、APIC / SCVMM / Hyper-Vホストのすべてにおいて、Opflex certificateを用いて相互を認識・認証している点がポイントです。
インストールの流れ
ACI環境、SCVMM, Hyper-V環境、およびそれらの接続が完了している前提で、SCVMM環境をACIと連携させるための構成手順は以下のとおりです。
以下で、各ステップについてご説明します。なお、本ページで紹介している情報はあくまでも参考情報となりますので実際の導入構築時にはかならずユーザーズガイドなどを参照するようにしてください。また、本ページでは全体の流れをご理解いただくことに主眼を置いているため、詳細な入力・選択内容について細かく記載していない部分があります。
インストール手順
1. SCVMMに対するAPIC SCVMM Agentのインストール
まず初めに、SCVMMサーバにAPIC SCVMM Agentをインストールします。
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Get-ClusterResource -Name ApicVMMService Name State OwnerGroup ResourceType ---- ----- ---------- ------------ ApicVMMService Online SCVMM-Cluster Generic Service
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Get-ClusterResourceDependency -Resource ApicVMMService Resource DependencyExpression -------- -------------------- ApicVMMService ([VMM Service SCVMM-Cluster])
2. SCVMMにおけるOpflexAgent Certificateの生成
続いてSCVMM連携において使用する認証キーを生成します。PowerShellを管理者権限で実行します。
PS C:\> cd '.\Program Files (x86)\ApicVMMService' PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Import-Module .\ACIScvmmPsCmdlets.dll
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Get-Module ModuleTypeVersion Name ExportedCommands ---------- ------- ---- ---------------- Binary 1.12.0.8 ACIScvmmPsCmdlets {Set-ApicConnInfo, Get-ApicConnInfo, Set-ApicCredentials, ... Manifest 3.1.0.0 Microsoft.PowerShell.Management {Add-Computer, Add-Content, Checkpoint-Computer, Clear-Con... Manifest 3.0.0.0 Microsoft.PowerShell.Security {ConvertFrom-SecureString, ConvertTo-SecureString, Get-Acl... PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Get-Command -Module ACIScvmmPsCmdlets CommandType Name ModuleName ----------- ---- ---------- Cmdlet Get-ACIScvmmOpflexInfo ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet Get-ApicConnInfo ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet Get-ApicCredentials ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet New-ApicOpflexCert ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet Read-ApicOpflexCert ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet Set-ApicConnInfo ACIScvmmPsCmdlets Cmdlet Set-ApicCredentials ACIScvmmPsCmdlets
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> $pfxpassword = ConvertTo-SecureString "MyPassword" -AsPlainText -Force
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> New-ApicOpflexCert -ValidNotBefore 1/1/2015 -ValidNotAfter 12/31/2020 -Email address@cisco.com -Country Japan -State Tokyo -Locality Minato-ku -Organization Cisco -PfxPassword $pfxpassword Successfully created: C:\Program Files (x86)\ApicVMMService\OpflexAgent.pfx PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService>
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> $pfxpassword = ConvertTo-SecureString "MyPassword" -AsPlainText -Force PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Read-ApicOpflexCert -PfxFile "C:\Program Files (x86)\ApicVMMService\OpflexAgent.pfx" -PfxPassword $pfxpassword -----BEGIN CERTIFICATE----- MIIDtjCCAp6gAwIBAgIQFcOZ0i32p61M6FMiNfxc7DANBgkqhkiG9w0BAQ0FADBpMSYwJAYJKoZI hvcNAQkBFhdtaWhpZ3VjaEBtaWhpZ3VjaC5sb2NhbDEOMAwGA1UECgwFTXlPcmcxCzAJBgNVBAgM AkNBMQwwCgYDVQQGEwNVU0ExFDASBgNVBAMMC09wZmxleEFnZW50MB4XDTE1MDEwMTAwMDAwMFoX DTIwMDEwMTAwMDAwMFowaTEmMCQGCSqGSIb3DQEJARYXbWloaWd1Y2hAbWloaWd1Y2gubG9jYWwx DjAMBgNVBAoMBU15T3JnMQswCQYDVQQIDAJDQTEMMAoGA1UEBhMDVVNBMRQwEgYDVQQDDAtPcGZs ZXhBZ2VudDCCASIwDQYJKoZIhvcNAQEBBQADggEPADCCAQoCggEBAKshXHGFRb4nYzHlsm2koEnc KcRj8szu2QL29+3Lb8xfCT6SKKmY7zERmr+UdTRpcWk6okbltjAvMS4VYnIegGLhf/BsZBb2ew3x rJdglqEdW0MusykQ+sgoycNdwPklAZvcgQ1i96Dh8N5DPg/CmabgMDWzoMIWuuizvlH2yiPjvebQ 2OIBuQzFYp655hhTNYNpSqOKOYlsQrU3iuZbhRI7C0Aw8qNyYi6mtCxu/oIAJlCFhqRuHrD7O7Ev upphWlIlOUGbY2HuUfsno7TAXUivsWOqq/tv377FfV/h9obTUekGk2b34P6UGKdk7PumN+TktYzL VZiD3nEV8VkWHlECAwEAAaNaMFgwEgYDVR0TAQH/BAgwBgEB/wIBADATBgNVHSUEDDAKBggrBgEF BQcDATAdBgNVHQ4EFgQUuKvFsTbfMi39bKKZOLstoSy2YTkwDgYDVR0PAQH/BAQDAgEGMA0GCSqG SIb3DQEBDQUAA4IBAQAVV9ATzd0NPadyuN/q1O/1WrDtWuT/60z/nguWt7wNZ8dnQEIdzNSbZczb 8f5OFgrL8BG6nEmIY6cFrZ2o/1AFjhY0YxOk8k7UweThisCertificatewasmodifiedbycisco! pqtFRbbQaC61NVFZg7ArS7n1s1EJWjekffcZZZ7AIgUzMYd314znJlRkWtzzktxwQKszC+ps99vI ePVo6p+S4ew97qX0nz83VvHotmc/9hhFUhCiLPj5PXHg0FCU5kOhFY8YdaWhFBKu/K0/OM4uveG2 /HI3/wnUEQdPjsrD2c/4/vElNQqvgYUxYcUTCHr6A42dOu1wBYarnabO -----END CERTIFICATE-----
3. APICに対する Opflex Certificate ポリシーの追加
続いて取得した証明キーをAPICに登録します。
※ Name欄に入力する名前は "OpflexAgent" としてください。大文字小文字を区別します。
4. SCVMMにおける OpflexAgent Certificate の登録(確認)
続いて証明キーをSCVMMサーバにインストールします。証明キーを生成したSCVMMホストでは自動的に登録されていますが、念のため確認を行ってください。複数のSCVMMが存在する場合は、共通の証明キーを使用するために証明キーのインストールを実施してください。
5. SCVMMにおける APIC IPアドレスの登録
続いてAPICのIPアドレスをSCVMMサーバに登録します。登録はPowerShellのCmdletを用いて行います。
※以下のコマンドを実行する前に、2. を参照して ACI SCVMM PowerShell Cmdletをインポートしてください。
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Set-ApicConnInfo -ApicNameOrIPAddress 192.168.1.1;192.168.1.2;192.168.1.3 -CertificateSubjectName OpflexAgent Apic Credential is successfully set to APIC SCVMM service agent.
PS C:\Program Files (x86)\ApicVMMService> Get-ApicConnInfo EndpointAddress : Username : Password : ApicAddresses : 192.168.1.1;192.168.1.2;192.168.1.3 ConnectionStatus : Connected adminSettingsFlags : 0 certificateSubjectName : OpflexAgent ExtensionData :
6. 全Hyper-Vホストにおける APIC Hyper-V Agentのインストール
続いてすべてのHyper-VホストでAPIC Hyper-V Agentのインストールを行います。
7. 全Hyper-Vホストにおける Opflex Certificate の登録
続いて証明キーをHyper-Vホストにインストールします。手順は、基本的にSCVMMホストに対する証明キーのインポート手順と同一です。インポートする証明キーは、4. でエクスポートしたものを使用してください。Hyper-Vホスト数が多い場合などは、グループポリシーを使った証明キーの配布などで行うことも可能です。
8. SCVMMにおけるクラウドの構成
続いてSCVMMホストにクラウドを事前に構成しておきます。クラウドのリソースとしてACI Fabricに接続されているHyper-Vホストを含むホストグループを紐付けてください(All Hostsでもかまいません)。
9. APICにおけるSCVMMのVMMドメインとしての登録
続いてAPICにSCVMMドメインを登録します。必要なパラメータは、登録名・FQDNもしくはIPアドレス・SCVMMクラウド名です。
APICにSCVMMを登録すると、自動的に論理スイッチ、論理ネットワーク、およびポートプロファイルがSCVMM側に構成されるので確認します。
10. SCVMMにおける各Hyper-Vホストの論理スイッチの構成
続いてACI Fabricに接続している各Hyper-Vホストに論理スイッチを構成します。
以上でACIとSCVMMの連携のためのインストールは完了となります。APICの[VM NETWORKING]において、SCVMMおよび各Hyper-Vホストが正しく認識されていることを確認してください。
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