はじめに
このドキュメントでは、Nexus 7000 シリーズの特徴的な機能の一つ VDC (Virtual Device Context) について解説します。
VDC について
VDC は Nexus 7000 シリーズでのみサポートされている機能(※)です。
VDC ではスイッチのリソースを複数の仮想スイッチに割り当てる事ができます。
スイッチ上のリソースには、以下の種類があります。
- グローバルリソース (Global Reources):すべての VDC に設定、割り当てられるリソースです。VDC id 1 の Default/Admin (後述) のみ設定が可能で、CoPP 設定、Ethanalyzer等が挙げられます。
- 占有リソース (Dedicated Resources):個々の VDC に割り当てられるリソースです。ポート、VLAN、IPアドレススペース、転送情報、ルーティングプロセス等が挙げられます。
- 共通リソース (Shared Resources):すべての VDC で共通に使用するリソースです。Mgmt 0 インターフェースが挙げられます。

※ Nexus 9000 シリーズでも 'show running-config' で表示されますが,追加の VDC を作成する事はできません。
Default VDC と Admin VDC
デフォルトで作成される VDC id が 1 の VDC に Admin VDC と Default VDC があります。
Default VDC: ポートが割り当てられた一般的なスイッチと同じように使用できる VDC です。
Admin VDC: ポートを割り当てる事の出来ないスイッチ管理に特化した VDC です。通信を行う VDC を最低一つ作成する必要があります。
Admin VDC がサポートされた 6.2(x) 以降では工場出荷状態 (もしくは write erase 後) で起動時に、Admin VDC を作成するかどうかを選択できます。Admin VDC を作らないとした場合 Default VDC が作成されます。
モジュールタイプ
VDC では使用するモジュールの組み合わせに制限があります。
Default VDC ではいくつかのモジュールタイプがデフォルトで設定され、それらに合致するモジュールのポートが全て割り当てられます。
組み合わせ制限については、改めて別のドキュメントで説明します。
関連コンテンツ
Next: Nexus 7000 シリーズ:VDC のモジュールタイプについて
Nexus スイッチ (NX-OS) : 設定例
参考資料
Technical Overview of Virtual Device Contexts