はじめに
このドキュメントは Nexus 9000 シリーズで実装されている LACP vPC Convergence 機能について解説しています。
コマンド解説
通常ポートチャネルインターフェースでは LACP の PDU のやり取りが完了してから、VLAN 情報の初期化や転送情報のプログラミングを行います。
LACP vPC Convergence 機能を有効にするとVLAN 情報の初期化や転送情報のプログラミングを行ってから PDU の送信を開始し、最初の vPC ポートがアップした際のパケットドロップを防ぎます。
Sample Config
以下にサンプルコンフィグを示します。
interface port-channel1
switchport
switchport mode trunk
lacp vpc-convergence
vpc 1
LACP vPC Convergence 機能が有効なシナリオ
vPC の環境では対向の機器のポートチャネルはすでにアップしており、PDU のやり取りが完了した時点で対向の機器はパケットを送信し始めるため、若干のパケットドロップが発生する可能性があります。

LACP vPC Convergence 機能を有効にすると、対向の機器と同じタイミングで通信が可能となるため、リンクアップ時のパケットドロップを防ぐことができます。

注意事項
LACP vPC Convergence 機能は単一のホストを接続する事を前提として開発された機能です。
そのためネットワーク機器を接続した際、小規模なループが発生する可能性があります。よって、ネットワーク機器が接続された vPC ポートでは LACP vPC Convergence 機能を有効にしないでください。
本件については以下の SR コレクションが公開されています。
Nexus 9000 シリーズ : lacp vpc-convergence が設定された vPC がアップするタイミングでトラフィックがループする
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