■はじめに
ハードウェアアプライアンスとしての Nexus Dashboard は、従来 Service Engine として提供してきたハードウェアアプライアンスと同じプラットフォームフォームファクタSE-CL-L3 (ベースとなるサーバハードウェアはUCS C220M5)を利用するDCネットワーク向け Day 2 Operations アプリケーション基盤です。
Nexus Dashboard の Data Sheet は以下を参照下さい。
SE-CL-L3のセットアップについては以下を参照下さい。
このページでは、Nexus Dashboardの初期セットアップについて、ガイドの補足として参考頂くための情報を提供します。必ず合わせて以下のガイドを参照しセットアップを実施して下さい。
Nexus Dashboard を導入する必要要件については、以下のURLにまとめられています。こちらは導入前に必ず参照するようにして下さい。特にネットワーク要件や、ACIおよびDCNMと組み合わせて利用する場合に前提となる必要ネットワーク構成についてしっかりと確認頂き、導入前に構成を完了した上で Nexus Dashbaord のセットアップを開始して下さい。また、以下URLのページには、Pre-Installation Checklistも掲載されています。セットアップを進める上で必要なパラメータ情報がまとめられていますので、確認・決定の上でセットアップを進めて下さい。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/dcn/nd/2x/deployment/cisco-nexus-dashboard-deployment-guide-2x/m-nd-deploy-overview.html
■物理接続に関して
Nexus Dashboard には Onboard Interface を利用する "Management Interface" と、VIC を利用する "Data Interface" があります。Management Interface は、Nexus Dashboard に対する Web/CLI/API 等によるアクセス経路として利用します。Data Interface は、ネットワーク情報の収集経路及び連携対象となるAPICやDCNMとの管理通信に利用します。Data Interface の接続において必要となるネットワーク構成は、管理対象がACIの場合とDCNMの場合のそれぞれで要件がありますので、Deployment Guide の Deployment Overview and Requirements を参照の上、Nexus Dashboardのセットアップ開始前に必要なネットワーク構成の準備をお願いします。Nexus Dashboard上で Multi-Site Orchestrator を利用するか如何で、必要となるネットワーク要件が異なりますのでご注意下さい。Nexus Dashboard を管理対象のFabricから遠隔に設置する場合には、遅延要件にも注意して下さい(Nexus Dashboard上に配置するAppにも遅延要件がありますので合わせてご注意下さい)。
■ISOイメージファイルを用いたNexus Dashboard 最新バージョンの初期インストール
Nexus Dashboardはアプライアンスとして提供されていますので、納品時点でプリインストールされた状態となっていますが、新しいバージョンのNexus Dashboardが既に提供されている場合には、初期セットアップ前に新しいバージョンに入替えることが可能です。cisco.com よりNexus DashboardのISOファイルをダウンロード頂き、CIMCのVirtual Media機能などを利用してImage Bootさせて下さい。自動的にインストールが開始され、インストールが終了するとシャットダウンされます。所要時間は実行環境により異なりますが、数十分〜2時間程度です。
■CLIによる初期設定(クラスタノードのうち1台のみ実施して下さい)
Nexus Dashboardの初期セットアップを進める際には、全ノードの配線を完了させた上で、いずれか1台を起動してCLIを通じた初期セットアップを行って下さい。この際に設定するパラメータは以下の2項目のみとなります。
- admin パスワード
- 1台目Nexus DashboardノードのManagement Interface側IPアドレスとデフォルトゲートウェイ

以降の初期設定は、ここで設定したIPアドレスにブラウザから接続して実施します。CLIを通じて設定した admin パスワードを入力して [Begin Setup] をクリックし、初期構成を開始します。

ウィザードに従ってパラメータを設定していきます。
Cluster Settings
- NDクラスタ名
- NTPサーバIPアドレス
- DNSサーバIPアドレス
- DNSサーチドメイン(オプション)
- App Network ※ 要 /16 Prefix (NDが直接接続したりNTP/DNS等が存在するネットワーク範囲外を指定する)
- Service Network ※要 /16 Prefix (NDが直接接続したりNTP/DNS等が存在するネットワーク範囲外を指定する)

Node Details
- 各ノードのノード名
- 各ノードのManagement Interface IPアドレス
- 各ノードのData Interface IPアドレス
- 各ノードのCIMC IPアドレス、管理者ユーザ名とパスワード
- Data Networkへの接続でTag VLANを利用する場合のVLAN ID (オプション)

最後に Confirmation 画面で入力した設定パラメータ値を確認し、[Configure]をクリックします。

セットアッププロセスが開始されます。数十分〜1時間程度かかります。


初期構成が完了すると、自動的にNexus Dashboardのログイン画面に遷移します。admin と 指定したパスワードでログインして下さい。

NTP及びDNSについては、初期構成後の変更が可能です。また、InternetアクセスにProxyを利用する場合には構成が可能です。Internetへ接続できるネットワークに配置されている場合、Intersightへの接続や cisco.com からの App の直接ダウンロードが可能となります(構成推奨)。デフォルトゲートウェイ以外にRouteを構成することも可能です。

Nexus Dashboard上でNexus Insightsを利用する場合は、カタログ情報のアップデートなどを取得するために、Intersightへの接続を構成して下さい。

Internetへの接続が構成されている場合、[Service Catalog]画面の[App Store]よりNexus Dashboardに対して直接Appのダウンロードと展開が可能となります(アップデートも可能)。従来どおり、他の端末などで dcappcenter.cisco.com よりAppをダウンロードした上でNexus Dashboardに対してアップロードしてAppを展開することも可能です。

■補足
Nexus Dashboard 上で実行することがサポートされるAppのバージョンや、利用規模に応じて必要となるNexus Dashboardのノード数等については、以下の Cisco Data Center Networking Applications Compatibility Matrix 及び Cisco Nexus Dashboard Capacity Planning を参照して下さい。