本ドキュメントでは C480M5 の CPU、Heatsink の交換手順について説明します。
[交換に必要なツール]
・Heatsink を再利用する場合、以下をオーダーします。
– Heat sink cleaning kit (UCSX-HSCK=)
– Thermal interface material (TIM) kit for M5 servers (UCS-CPU-TIM=)
・Heatsink を交換する場合、以下をオーダーします。
– Heat sink (UCSC-HS-02-EX=)
– Heat sink cleaning kit (UCSX-HSCK=)
*UCSX-HSCK= 1つで、4 セットの CPU とヒートシンクのクリーニングを行えます。
*UCS-CPU-TIM= 1つ で、CPU 1つ 分です。
[作業前確認]
- FE作業
1. CIMC の [シャーシ] タブで [障害とログ] メニューを選択し、右画面の [障害の概要] を確認して、発生している Fault を確認します。こちらの Fault については後ほど確認しますので、念のためメモしておいてください。
[作業手順]
- お客様作業 (FE 作業前)
1. 該当サーバの OS をシャットダウンし、電源を off にします。
2. 作業対象特定のために、以下のメニューでロケータ LEDを点灯してください。
- FE 作業
<CPU の取り外し>
※ラックからサーバ全体の引き出しは不要です。
1. 取り外す電源ケーブルを、作業後に確実に戻せるよう、ラベリングします。
2. サーバ電源が off であることを確認します。
3. シャーシから対象 CPU モジュールを取り外します。
※対象 CPU の確認方法 (以下の図をご参照ください)
CPU 1 およびヒートシンク(モジュールが下部ベイ 1 である場合)
CPU 2 およびヒートシンク(モジュールが下部ベイ 1 である場合)
CPU 3 およびヒートシンク(モジュールが上部ベイ 2 である場合)
CPU 4 およびヒートシンク(モジュールが上部ベイ 2 である場合)

4. ボタンを押しながら、CPU モジュールの天板を外します。
5. 交換用 CPU に付属している T-30 トルク ドライバを使用して、アセンブリをボードのスタンドオフに固定している 4 つの非脱落型ナットを緩めます。
<注意>
ヒートシンクを水平に持ち上げるため、ヒートシンク ナットを交互に均等に緩めます。ヒートシンク ナットを、ヒートシンク ラベルに示されている順序(4、3、2、1)で緩めます。
6. CPU アセンブリ/ヒートシンクをまっすぐ持ち上げ、ヒートシンクを下にして静電気防止用シートに置きます。
7. ヒートシンクを CPU アセンブリから分離します(CPU アセンブリは、CPU と CPU キャリアで構成されています)。
a.ヒートシンクが取り付けられている状態で、CPU アセンブリを上下逆にして置きます(下の図を参照)。
サーマル インターフェイス マテリアル(TIM)ブレーカーの場所に注意してください。CPU キャリア上の小さなスロットの横に、TIM BREAKER と印字されています。
b. TIM ブレーカー スロットに最も近い CPU キャリア内部ラッチを内側につまみ、押し上げてヒートシンクの角のスロットからクリップを外します。
c. マイナス ドライバの先端を TIM BREAKER のマークが付いたスロットに挿入します。
<注意>
次のステップでは、CPU の表面を押し開けないでください。ゆっくりと回転させ、TIM ブレーカー スロットの位置で CPU キャリアのプラスチック面を持ち上げます。ヒートシンク表面の損傷を防ぐため、十分注意してください。
d. ドライバをゆっくりと回転させ、ヒートシンクの TIM が CPU から離れるまで、CPU を持ち上げます。ドライバの先端が緑色の CPU 基板に触れたり、損傷したりしないようにしてください。
e. TIM ブレーカーの反対側の角で CPU キャリア内部ラッチをつまみ、押し上げてヒートシンクの角のスロットからクリップを外します。
f. CPU のキャリアの残りの 2 つの角で、外部ラッチを外側へゆっくりと開いて、ヒートシンクから CPU アセンブリを持ち上げます。
<注意>
CPU アセンブリを取り扱うときには、プラスチック製のキャリアだけをつかんでください。CPU の表面に触れたり、CPU をキャリアから分離させたりしないでください。
<新しいCPUの取り付け>
1. 新しい CPU アセンブリと CPU アセンブリ ツールを箱から取り出します。
– CPU アセンブリと CPU アセンブリ ツールが分離されている場合は、下の図の 4 〜 6 に示す位置合わせ機能に注意して正しい向きに取り付けます。CPU キャリアのピン 1 の三角形部分は、CPU アセンブリ ツールの角度が付いた角の位置に合わせる必要があります。
<注意>
CPU とそのソケットは壊れやすいので、ピンを損傷しないように十分に注意して扱う必要があります。
2. 新しい TIM をヒートシンクに塗布します。
– 新しいヒートシンクを取り付ける場合は、新しいヒートシンクには TIM が塗布されたパットが付属しています。ステップ 3 に進みます。
– ヒートシンクを再利用する場合は、ヒートシンクから古い TIM を除去し、付属のシリンジから CPU の表面に新しいTIMを塗布します。次のステップ a に進みます。
a. ヒートシンクの古い TIM に、ヒートシンク クリーニング キット(UCSX-HSCK=)付属の洗浄液を塗布し、少なくとも 15 秒間吸収させます。
b. ヒートシンク クリーニング キット付属の柔らかい布を使って、古い CPU から TIM をすべてふき取ります。ヒートシンク表面に傷を付けないように注意してください。
c. 新しい CPU(UCS-CPU-TIM=)付属の TIM のシリンジを使用して、1.5 立法センチメートル (1.5ml) の TIM を CPU の上部に塗布します。均一に塗布されるように、次に示すパターンを使用してください。

4. CPU アセンブリ/ヒートシンクをサーバに取り付けます。
a. CPU アセンブリを取り付けたヒートシンクを CPU アセンブリ ツールから持ち上げます。
b. ヒートシンク付きの CPU をマザーボード上の CPU ソケットの位置に合わせます(下の図を参照)。位置合わせ機能に注意してください。ヒートシンクのピン 1 の斜めになった角をCPU ソケットのピン 1 の斜めになった角と合わせる必要があります。また、CPU ソケットの支柱をアセンブリのガイド穴の位置に合わせる必要があります。
c. CPU アセンブリとヒートシンクを CPU ソケットに配置します。
d. 交換用 CPU に付属している T-30 トルク ドライバを使用して、ヒートシンクをボードのスタンドオフに固定する 4 つ の非脱落型ナットを締めます。
<注意>
ヒートシンクを水平に下ろすため、ヒートシンク ナットを交互に均等に締めます。ヒートシンク ナットを、ヒートシンク ラベルに示されている順序(1、2、3、4)で締めます。CPU ソケットのリーフ スプリングが平らになるように、非脱落型ナットを完全に締める必要があります。
e. CPU モジュールの天板を戻し、CPU モジュールをシャーシに戻します。
f. 電源ケーブルを再度接続したら、電源ボタンを押してサーバの電源を入れます。
[交換後の確認手順]
- FE 作業
1. CIMC の GUI にアクセスし、[シャーシ] -> [インベントリ] -> [CPU] タブを確認します。交換した CPU が正常に認識されているかを確認します。
2. CIMC の [シャーシ] タブで [障害とログ] メニューを選択し、右画面の [障害の概要] を確認して、交換前にメモを取った内容と比較して新しく Fault が発生していないことを確認します。
- お客様作業 (FE 作業後)
1. OS を起動し、動作に問題ないことを確認します。
[参考資料]
Cisco UCS C480 M5 Server Installation and Service Guide