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Naoya Yamagishi
Cisco Employee
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    異なるVRF間でNATを実行したい場合には、NVI(Nat Virtual Interface)を使用する必要があります。
    VRFとグローバルとの間または同一VRFの内部でのNATは従来方式でNATが行えます。
    ここではNVIを用いたNATを紹介します。

    なお、ISR(IOS)では異なるVRF間のNATするにはNVIを使用しますが、
    ASR1000(IOS-XE)ではVASIを使用します。ASR1000にはNVIはありません。
    VASIはこちらをご参照ください。
    【ASR1000】VASIとNATの設定例


     


    NW構成


    目的

    R203でVRFを設定して、異なるVRFであるA-X間、B-X間でNATを行います。
    つまりは、R201-R204間とR202-R204間でPing疎通を確認します。

    R203で意図的にルーティング設定はしませんが、
    R202、R201、R204ではデフォルトルートをR203へ向けます。


    R203の設定(抜粋)

    ip vrf A
    !
    ip vrf B
    !
    ip vrf X
    !
    interface Ethernet0/0
    ip vrf forwarding B
    ip address 192.168.1.25 255.255.255.0
    ip nat enable
    !
    interface Ethernet0/1
    ip vrf forwarding A
    ip address 192.168.2.25 255.255.255.0
    ip nat enable
    !
    interface Ethernet0/2
    ip vrf forwarding X
    ip address 172.30.1.242 255.255.255.0
    ip nat enable
    !
    ip nat pool pool1 192.168.33.1 192.168.33.10 netmask 255.255.255.0 add-route
    ip nat source list 1 pool pool1 vrf A
    ip nat source list 1 pool pool1 vrf B
    ip nat source static 172.30.1.241 192.168.33.33 vrf X
    !
    !
    !
    access-list 1 permit 192.168.2.0 0.0.0.255
    access-list 1 permit 192.168.1.0 0.0.0.255
    !
    !

    解説

    ip nat enableを設定すると自動的にNVI0が追加されます。
    VRF間の通信はこのNVI0を介して行います。
    R201、R202、R204からの通信はNVI0にルーティングされる必要があります。

    192.168.33.0/24という架空のセグメントを想定します。
    VRF間を繋ぐようなセグメントのイメージかと思います。
    送信元及び宛先をこのセグメントのアドレスでNATします。

    ip nat pool pool1 192.168.33.1 192.168.33.10 netmask 255.255.255.0 add-route

    を設定しますと、
    Globalを含め各VRFのルーティングテーブルに

    S 192.168.33.0/24 [0/0], NVI0

    が設定されます。

    送信元NAT:

    こちらで送信元をNATします。

    送信元アドレスがaccess-list1に該当した通信をpool1でNATします。

    ip nat source list 1 pool pool1 vrf A
    ip nat source list 1 pool pool1 vrf B
    ※overload付けても可

    宛先NAT:

    R202からは192.168.33.33宛てにPingを送信するものとします。
    192.168.33.33はNATされて172.30.1.241となり、R204に届きます。
    こちらの設定で宛先をNATします。

    ip nat source static 172.30.1.241 192.168.33.33 vrf X

    結果

    R202から192.168.33.33宛てにPingを送信します。

    R203でデバッグを取得してみると、次のようになります。

    行き

    *Jul 27 02:23:36.091: NAT*: i: icmp (192.168.2.1, 14) -> (192.168.33.33, 14) [70]
    *Jul 27 02:23:36.091: NAT*: s=192.168.2.1->192.168.33.1, d=192.168.33.33 [70]
    *Jul 27 02:23:36.091: NAT*: s=192.168.33.1, d=192.168.33.33->172.30.1.241 [70]

    帰り

    *Jul 27 02:23:36.093: NAT*: i: icmp (172.30.1.241, 14) -> (192.168.33.1, 14) [73]
    *Jul 27 02:23:36.093: NAT*: s=172.30.1.241->192.168.33.33, d=192.168.33.1 [73]
    *Jul 27 02:23:36.093: NAT*: s=192.168.33.33, d=192.168.33.1->192.168.2.1 [73]

    詳しく見てみると、
    行きのNAT下記は、ip nat source list 1 pool pool1 vrf A に対応して、送信元NATしています。

    *Jul 27 02:23:36.091: NAT*: s=192.168.2.1->192.168.33.1, d=192.168.33.33 [70]

    行きのNAT下記は、ip nat source static 172.30.1.241 192.168.33.33 vrf Xに対応して、宛先をNATしています。

    *Jul 27 02:23:36.091: NAT*: s=192.168.33.1, d=192.168.33.33->172.30.1.241 [70]

    帰りは逆になります。

    R201からも192.168.33.33へのPingが可能になります。
    異なるVRFを跨いでNATを用いた通信ができました。


    参考資料

    NAT 仮想インターフェイスの設定

    NAT と VRF/MPLS / NAT NVI


    以上

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