Prime Infrastructure の ローリング AP アップグレード機能

[nayokoya]

• はじめに
• コントローラの事前準備
• アップグレードグループの作成
• ローリングAPアップグレードの設定
• ローリングAPアップグレードのステータス確認
• 参考情報

 

はじめに

PI3.3 以降より実装されている、ローリング AP アップグレード (Rolling AP Upgrade) 機能について、紹介します。
この機能に対応している WLC のバージョンは、8.6.xxx 以降となります。

ローリング AP アップグレード機能を使用すると、AP およびコントローラ ソフトウェアのバージョンを Prime Infrastructure からアップグレードできます。
複数のアップグレード グループに AP を分散して追加すると、アップグレードをグループ毎に行うことにより、
すべてのアクセス ポイントが同時にリブートすることを防止できます。
AP アップグレード グループは、指定した優先順位に従って順番に再起動されます。

２ 台のコントローラを N+1 構成(プライマリコントローラ, N+1 コントローラ)に設定し、PI のインベントリより登録します。
N+1 構成については、参考資料をご確認ください。

 

コントローラの事前準備

プライマリコントローラ、N+1 コントローラともに、PI のインベントリとして登録が必要です。
アップグレードを行う Unified AP はすべてプライマリコントローラへ帰属するようにしてください。

1. N+1 コントローラは、アップグレードすべき新しいバージョンにあらかじめアップグレードする必要があります。
2. プライマリコントローラは、プライマリイメージから起動するように設定する必要があります。
3. Prime Infrastructure をトラップレシーバとして、追加し、両方のコントローラで AP レジスタトラップ制御を有効にする必要があります。
4. N+1 コントローラは、以下の設定について、プライマリコントローラと同じ設定を行う必要があります。
　　WLAN、AP グループ、モビリティグループ、RF グループ、RF プロファイル

アップグレードグループの作成

アップグレードグループを設定して、グループ毎に AP を再起動することが可能となります。

1.GUI のメニューより、設定 (Configure)> ネットワーク (Network)> ネットワークデバイス (Network Device)を選択します。
2.デバイスグループの Device Type>Unified AP を選択します。
3.対象となる AP のチェックボックスをクリックして、グループに追加する AP を選択します。
4.AP Upgrade Group ボタンを選択し、Addを選択します。
5.APを追加するグループを新規作成、または、既存のグループを選択し、追加 (Add) をクリックします。 
※コントローラ 1 台当たりのグループ数は 10 以内、グループ 1 つあたりの AP 数は 1000 以内が推奨値となります。

  

ローリングAPアップグレードの設定

ローリング AP アップグレードの設定を行います。バックグラウンドジョブとして実行されます。

1.GUI のメニューより、設定 (Configure)> ワイヤレステクノロジー (Wireless Technologies)> Rolling APのアップグレード (Rolling AP Upgrade) を選択します。
2.プライマリコントローラ、N+1 コントローラを選択します。
3.AP 再起動後は、N+1 コントローラに帰属しています。これを再度プライマリコントローラへ戻す場合は、Move APs Back To Primary Controllerのチェックボックスを選択します。
4.Upgrade Groups に、定義済みのアップグレードグループが表示されるので、再起動の順番をリスト上で移動させます。
5.Transport Protocolで、転送プロトコルを選択し、必要な詳細情報（サーバ名、サーバ IP、ファイルパス、ファイル名）を入力します。
6.Start Timeで、Nowを選択すると即時実行、Scheduleを選択すると実行日時を指定することができます。
7.選択事項がすべて正しい事を確認して、Submit ボタンをクリックすると、ローリング AP アップグレードジョブが作成されます。

 

ローリングAPアップグレードのステータス確認

ローリング AP アップグレードジョブは、管理 (Administration)> ダッシュボード (Dashboard)> ジョブダッシュボード (Job Dashboard)で、状況を確認することができます。

 

参考情報

Prime Infrastructure 3.3 Release Note
Cisco Wireless Release 8.6 Product Bulletin
N+1 High Availablity Deployment Guide
WLCの初期設定
Prime Infrastructure 3.4 ユーザガイド
Cisco Live 2019