2025-01-24 09:39 AM
2025 年 1 月 24 日 (初版)
Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN router(以降、cEdge と記載)間の BFD セッションを TLOC Extension over IPv6 経由で確立している状態で WAN 側 IPv6 アドレスが変更となった際に(ISP 側の仕様でセッションが定期的に張りなおされるなど)BFD セッションが UP とならない場合があります。
※ TLOC Extension over IPv6 の詳細については、以下ドキュメントをご参照ください。Cisco Catalyst SD-WAN Systems and Interfaces Configuration Guide, Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN Release 17.xSD-WAN IPv6 tloc-extension IPv6環境下でのルータ二重化
この問題は CSCwn26353 として報告されています。CSCwn26353: BFD sessions via TLOC-Ext do not come up when IPv6 is dynamically changed
WAN 側 IPv6 アドレスが変更となった際に、適切に IPsec 処理がなされないことが原因です。対向の cEdge との HMAC 計算値が一致しないために IPsec トンネルが正常に確立できない状態となります。
本事象に合致しているかどうかは、BFD セッションが正常に確立できない状態の対向の cEdge でのパケットトレースから確認することができます。次の例のように、IpsecInput (062 - CD_IN_MAC_EXCEPTION) で DROP されている場合は、本事象に合致している可能性があります。該当 Sub-code は、IPSec HMAC エラーが発生していることを示しています。
Pkt Input Output State Reason1 Te0/0/1 Te0/0/1 DROP 56 (IpsecInput) <<<(snip)Packet: 1 CBUG ID: 1 Summary Input : TenGigabitEthernet0/0/1 Output : TenGigabitEthernet0/0/1 State : DROP 56 (IpsecInput) <<<(snip) Feature: IPSec Action : DROP Sub-code : 062 - CD_IN_MAC_EXCEPTION <<<(snip)
※ パケットトレースの方法については、以下ドキュメントをご参照ください。SD-WAN: cEdge: パケットトレースを用いたトラブルシューティング例IOS-XE: Packet Trace 機能の紹介IOS-XEデータパスパケットトレース機能を使用したトラブルシューティング
CLI から以外に、Cisco Catalyst SD-WAN Manager GUI 内の Network-Wide Path Insight (NWPI) も同様にご活用いただけます。Cisco Catalyst SD-WAN Network-Wide Path Insight User Guide SD-WAN : Data Policyを使用したアプリケーション単位のパス指定の基本設定と状態確認方法
暫定回避策:暫定回避策はございません。
復旧策:本不具合に合致している場合、TLOC Extension インターフェースの shut / no shut や、"clear sdwan omp all" コマンドの実行により復旧します。ただし、再度 WAN 側 IPv6 アドレスが変わると事象が発生する場合があります。
恒久対策:CSCwn26353 の問題が改修されたソフトウェアを使用してください。
備考本不具合は、Bug Search Tool でも確認できます。各製品の TAC SR Collection の一覧は、よくある質問と解決方法 (TAC SR Collection) から確認できます。
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