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Hideyuki Osaki
Cisco Employee
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WLC で特定のクライアントに対して debug client {MAC address of the client} を仕掛けておくと、そのクライアントから Association Request を受信した際に情報が表示されます。

その中にはクライアントが使用するデータレートの項目も含まれており、これが WLC/APのデータレートと致命的なミスマッチを起こしている場合、接続ができません。

このドキュメントでは、実際の debug 出力例を基にどのようにデータレートを読み取るのかを解説します。

 

  • 最初の方に出てくる下記の出力が、Association Request を対象クライアントから受信したことを示します。

*apfMsConnTask_7: Apr 25 12:31:02.470: 00:27:10:43:0e:20 Association received from mobile on BSSID 70:10:5c:f9:e2:3e

 

  • その後の出力の中に、次のように STA - rates という表示が出てきます。

*apfMsConnTask_7: Apr 25 12:31:02.471: 00:27:10:43:0e:20 STA - rates (6): 152 36 48 72 96 108 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

STA というのはクライアント(STAtion) のことですが、その後に続く数字がクライアントが使うデータレートを示しています。

使用するデータレートには 2 種類あり、Supported もしくは Mandatory (Required) のいずれかに分類されます。

接続を成功させるためには、WLC/AP で Mandatory としているレートを少なくとも一つは Supported / Mandatory としてクライアントに設定されている必要があります。

ここで、出力中の数値を見てみますと、152 等の大きな値があります。

実はこれはそのままレートを示しているのではなく、次のような変換式で実際のレートを求めることが可能です。

数値が 128  より大きい場合、それは Mandatory と指定されていることを示します。

数値から 128 を引き算し、その後 2 で割り算をすることでデータレートが出てきます。

換算式:Mandatory レート = ( 数値 - 128 ) / 2

 

数値が 128 以下の場合、それは Supported と指定されていることを示します。

数値を 2 で割り算することでデータレートが出てきます。

換算式:Supported レート = 数値 / 2

 

最初の例では、次のような結果になります。

152 36 48 72 96 108 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

↓換算すると・・・

12 18 24 36 48 54 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 (Mbps)

ということで、802.11a/g の OFDM のデータレートであることがわかりました。

 

このときの WLC の 802.11a/n/ac の設定ではこのようになっていました。

802.11a Network.................................. Enabled
11acSupport...................................... Enabled
11nSupport....................................... Enabled
      802.11a Low Band........................... Enabled
      802.11a Mid Band........................... Enabled
      802.11a High Band.......................... Enabled
802.11a Operational Rates
    802.11a 6M Rate.............................. Disabled
    802.11a 9M Rate.............................. Disabled
    802.11a 12M Rate............................. Mandatory
    802.11a 18M Rate............................. Supported
    802.11a 24M Rate............................. Supported
    802.11a 36M Rate............................. Supported
    802.11a 48M Rate............................. Supported
    802.11a 54M Rate............................. Supported

 

この結果、クライアントと WLC/AP の設定がマッチしているので、問題無く Association Request が通り、WLC/AP は Association Response にて Status (0) = Success を返すという結果になります。なお Slot 1 というのは 5GHz インターフェイスであることを示します。


*apfReceiveTask: Apr 25 12:31:02.501: 00:27:10:43:0e:20 Sending Assoc Response to station on BSSID 70:10:5c:f9:e2:3e (status 0) ApVapId 2 Slot 1

もしも換算後の値と、WLC の設定にミスマッチが発生している場合、status コードが 18 となり、Association は WLC/AP から拒否される結果になります。

これは WLC の Mandatory 設定データレートがクライアントで未使用という状態になっていることを意味しますので、WLC のレートを調整するか、あるいはクライアントのドライバ等でレートを調整する必要があります。

 

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